2016年1月30日、別府大学で行われた「別府を読む× 別府を書く」と題された特別講演の際、円城塔、澤西祐典、福永信の三名が競作した原稿。 完成版が大分合同新聞に掲載された。(円城塔)
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TOP>絶版本の宴> 闇よ落ちる無かれ あらすじ ローマを旅行中、落雷のエネルギーによって「時間の幹を滑り落ちた」アメリカ人学者マーチン。たどり着いた先はローマ帝国末期のローマ。 もともと堪能なラテン語とよく切れる頭を駆使して、まず考えるのは生き延びること。「こうなると判っていれば百科事典を持ってきたのに」と思いつつ、がんばるマルティヌス君はまず蒸留酒つくりに手をつけてちょいとばかり財産を作る。 そしてこの時代に思いを馳せれば、何のことは無い中世の闇が目前に迫る危うい時代。蛮族襲来・帝国崩壊に引き続く中世の闇が落ちてこないようにと、マルティヌス君(マーチンのラテン語読み)はまず活版印刷を「発明」。ばんばん本を刷って知識を広く普及させれば、多少の混乱があっても知識は残り、闇に対抗できるに違いないという、いわば知識の人海戦術を展開。 そしてそんな中、成り行きでダメなローマ皇帝を助け、帝国重要人
「……今日は、2016年1月18日です」 カメラを見つめて彼は言う。 たどり着いてしまったこの日を噛みしめて。 解散報道に揺れるSMAPは、1月18日の「SMAP×SMAP」生放送で5人そろって会見を行った。そこでの木村拓哉のふるまいは「木村拓哉はタイムリープを繰り返しているのでは!?」という説を生み出した。この記事は「木村拓哉は時を繰り返しているんだよ説」に着想を得たパロディ小説である。実在の団体・人物とは関係がありません。 (イラスト/小西りえこ) 国民的アイドルグループ「SMAP」。そのエースとして立つ木村拓哉には、誰にも明かせない秘密があった。 彼の秘密、それは──何度もタイムリープを繰り返し、世界線を乗り越えることができること。そう、木村は「時間遡行者」であり、「世界改変者」だったのだ。 「1周目」がいつだったのか、正直はっきりとは覚えていない。 夢から目覚めるように、木村は「気
ヒューゴー賞(Hugo Awards)は、世界中のSFファンが注目するSF、ファンタジー、ホラージャンルの重要な賞である。 受賞作は世界SF大会(ワールドコン, World Science Fiction Convention)に登録したファンの投票で決まり、大会の間に開催される授賞式で発表される。気取った文芸賞とは異なり、批評家ではなくファンが決める賞なので、必ずといって良いほど面白く、ベストセラーにもなる。そういった点で、とても信頼性がある賞だった。……少なくともこれまでは。 ところが、このヒューゴー賞が社会政治的なバトルグラウンドになってしまったのだ。 アメリカのSF作家のなかには、最近のヒューゴー賞は「マイノリティの人種、女性、同性愛者への公正さを重んじるリベラルな政治性を優先して選ばれている」、「文芸的な作品が重視され、娯楽的なSFが無視されている」といった不満を持つ者がいる。そ
東北新社は4月21日、「サンダーバード」50周年を記念した新テレビシリーズ「THUNDERBIRDS ARE GO」の日本国内放映権などを獲得したと発表した。今秋から地上波テレビでの放送を予定している。 1965年に英国で(日本では翌年から)放送が始まった特撮シリーズ。新シリーズでは人物とメカをCGアニメーションで、背景の一部はミニチュアセットを組んで撮影する手法を採用。英国では今月から放送が始まった。 東北新社は同シリーズについて国内の権利を長年運用してきており、新シリーズでも放映権とビデオ化権、商品化権をITV Studios Global Entertainmentから取得した。地上波放送に向けてさまざまな企画の展開を予定しているという。
反重力どんぶりを食べるのは命がけだ。左手でふたを押さえながら右手で箸を構える。そしてタイミングをを見計らってふたを外すと、卵でふんわりとじた熱々のカツが重力に逆らって、顔面に向かってくる。そこを絶妙の箸さばきで口に入れていくのが反重力どんぶりの醍醐味なのだが、多くの者は箸で捉えきれず顔面を大やけどする。たまらず椅子から転げ落ちると、どんぶりの中身は天井へと向かっていく。そのため「ぐらび亭」の天井はいつもカツと米粒がへばりついていた。 反重力どんぶりは美味であるが、その味を堪能できる者はほとんどいなかった。そこで反重力どんぶり攻略の対策を練る者も現れ始めた。傘を差しながら食べれば、どんぶりの中身はすべて傘の内側に収まり、悠然と食することができるのではないか。マイどんぶりを持参して、反重力どんぶりのふたを開けると同時に、マイどんぶりを覆いかぶせれば、悠然と食すことができるのではないか。 確かに
【AFP=時事】人工知能の開発は人類の終わりを意味するかもしれない、と英理論物理学者のスティーブン・ホーキング(Stephen Hawking)博士が警告した。 ホーキング博士の発話ソフト、オープンソースで提供へ ホーキング博士は、2日に放送された英国放送協会(BBC)のインタビューで、人工知能技術は急速に発展して人類を追い越す可能性があると語った。まるでSF映画「ターミネーター(Terminator)」で描かれたようなシナリオだ。 「われわれがすでに手にしている原始的な人工知能は、極めて有用であることが明らかになっている。だが、完全な人工知能の開発は人類の終わりをもたらす可能性がある」と、ホーキング博士は語った。 「ひとたび人類が人工知能を開発してしまえば、それは自ら発展し、加速度的に自らを再設計していくだろう」、「ゆっくりとした生物学的な進化により制限されている人類は、(人工知能
前回のエントリ「SFクラスタで『屈辱』をやりたい」に対して大きな反響をいただきありがとうございました。一斉コメント返信&結果発表するよ!id:c_shiikaアニメでやっても面白そう。なお『われはロボット』は未読。ローダンも未読。『夏への扉』既読。『幼年期の終わり』とかどうでしょ(未読)はてなブックマーク - SFクラスタで「屈辱」をやりたい - Danas je lep dan. 『幼年期の終り』……! またいきなり強力なカードですね。既読。id:tenkinkogumaアシモフ先生がいたからこそ、産業用ロボットにもロボット三原則を教えなければならないということになったのに…残念ですね(どや顔)。ローダンシリーズ未読。/夏への扉、既読/幼年期の終わり、パラ見はてなブックマーク - SFクラスタで「屈辱」をやりたい - Danas je lep dan. 『幼年期の終り』を読み通していない
乗り遅れた感がありますが。 SFなんておっさんに読ませとけばいいんです。若い人はスペオペラノベを読みましょう。 ヴェイスの盲点―クレギオン〈1〉 (ハヤカワ文庫JA) 作者: 野尻抱介出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2003/11メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 20回この商品を含むブログ (61件) を見る尻P先生のスペオペ、というかSF? TRPG「トラベラー」をやってた人には是非読んで欲しいです、若い人でそんな奴いないだろうけど。 銀河英雄伝説 1 黎明編 (創元SF文庫) 作者: 田中芳樹,星野之宣出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2007/02/21メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 117回この商品を含むブログ (203件) を見るもはや日本のスペオペとしては古典に片足つっこんでる感があるけど、やっぱり面白いです。日本における戦記系スペオペの走りで、フ
かくれんぼで、倉の隅(すみ)にもぐりこんだ東一(とういち)君がランプを持って出て来た。 それは珍らしい形のランプであった。八十糎(センチ)ぐらいの太い竹の筒(つつ)が台になっていて、その上にちょっぴり火のともる部分がくっついている、そしてほやは、細いガラスの筒であった。はじめて見るものにはランプとは思えないほどだった。 そこでみんなは、昔の鉄砲とまちがえてしまった。 「何だア、鉄砲かア」と鬼の宗八(そうはち)君はいった。 東一君のおじいさんも、しばらくそれが何だかわからなかった。眼鏡(めがね)越(ご)しにじっと見ていてから、はじめてわかったのである。 ランプであることがわかると、東一君のおじいさんはこういって子供たちを叱(しか)りはじめた。 「こらこら、お前たちは何を持出すか。まことに子供というものは、黙って遊ばせておけば何を持出すやらわけのわからん、油断もすきもない、ぬすっと猫(ねこ)の
・作家別感想索引 (国内・海外共通/50音順) ・(比較的)最近の感想 似鳥 鶏 『叙述トリック短編集』 (2023.02.19) 伊吹亜門 『刀と傘』 (2023.04.29) 市川憂人 『グラスバードは還らない』 (2023.02.28) H.マクロイ 『牧神の影』 (2023.04.10) 麻耶雄嵩 『友達以上探偵未満』 (2023.03.30) (→ 掲載順リスト) ・改稿した感想 (2017.04.23) P.ワイルド 『悪党どものお楽しみ』 ・シリーズ作品 (2022.03.22) E.D.ホック〈怪盗ニック〉に『怪盗ニック全仕事5』を追加 ・短編 (2017.04.23) 泡坂妻夫 「酔象秘曲」 ・ロバート・J・ソウヤー 〈ミステリファンにもおすすめのSF作家〉 (2022.03.11) 『見上げてごらん。』を追加 ・ジョン・ディクスン・カー 〈黄金時代・不可能犯罪の巨匠〉
円城塔単語 エンジョウトウ 3.4千文字の記事 21 0pt ほめる 掲示板へ 記事編集 概要:あるいは円城さんのこと脚注:あるいは紛れ込む作者の紹介参考文献:あるいは著書紹介関連動画関連生放送関連商品関連項目掲示板 円城塔。全ての可能な文字列にそれは含まれる。 概要:あるいは円城さんのこと 円城さん一般の性質について 円城塔(以下、円城さん)が生起したのは、2007年に数学者アルフレッド・レフラーがレフラー球の定理を目撃する記念すべき日から実に35年も前のことである。 キャサリンAの報告に依れば、円城さんが生成する文字系列は文脈自由文法の一種[1]に含まれ、これは現在の時間束では一般に「小説」と呼ばれている。しかしながらこれらはトメさん[2]が提唱する自己消失オートマトンの一種「プロトタイプⅠ」であると考えられ、仮に解釈が可能であったとしてもその内容を保持することは巨大知性体でも無い限り
30年前の夏を思い出す回顧企画だす。 有名な生頼範義(おうらい・のりよし)画伯の描いた、 「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」(1980)のポスター ↑質の悪い紙につや消し印刷なので、ルークの肌は土気色 映画パンフレット ↑若干彩度を抑えた鮮明な画調は、この絵の一番良いコンディションかも ノベライズ表紙 ↑徳間書店は「帝国」の出版権しかなかったので、「ジェダイ」の83年にようやく文庫化。 ロゴの黄色が上品で絵柄によくマッチ 原画 ↑生頼範義の画集から ↓一部拡大 日本では、「帝国」のポスターといえば、この絵柄しか思い浮かばず、2008年のCJ(セレブレーションジャパン)でも、会場限定グッズ、「じゆうちょう」(学習帳)の表紙は、「帝国」だけ、アメリカ本国ポスターの絵柄でなく、生頼バージョン。 アメリカでの「帝国」ポスターといえば、ロジャー・カステル画のこちら。 ロゴやタイトル配置を同じにした生頼
グレイヴが初めて用いられたのは1854年である。当時、英国はクリミア半島にてロシア軍と激しく衝突、これは近代化された軍同士の初めての大規模戦闘となった。 近代戦に於ける大きな特徴は「すべての兵が銃を装備していること」である。白兵突撃を基本としていた中世の戦闘と異なり、銃火戦闘では身を晒した側に圧倒的な不利がある。そこで防御陣地として、地面に溝を掘り砲火を避ける塹壕が用いられた。 塹壕には兵士が完全に身を隠したまま移動可能な深さが求められる。およそ深さ、幅とも2m以上が要件であるが、これを兵士が手作業で掘るには相当な労力を要する。交戦前の陣地構築だけで1週間以上を要したこともあったようだ。 あまり時間をかけていては構築前に砲撃を受けかねない。また自軍の準備が早期に整えば、それだけ大きなアドヴァンテージを得ることになる。そこで考案されたのが、蒸気機関による塹壕掘り用の作業機械であった。 蒸気式
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