遊郭や赤線に関する本を復刻し、販売する「カストリ出版」が2016年9月、東京・吉原の赤線跡に「カストリ書房」をオープンした。客の半数は若い女性で、最年少の常連客は、東京都府中市の中学3年生、茶木萌々(ちゃき・もも)さんだ。月に一度は家族で訪れて同店で本を買い、赤線跡を見学している。その熱心な勉強ぶりに、同出版代表の渡辺豪さん(39)も驚くほどだ。茶木さんが吉原に魅せられたきっかけは何だったのか。【中嶋真希】 吉原は、江戸時代から続く風俗街だ。繰り返し起きた大火や関東大震災(1923年)で全焼の危機を乗り越え、戦後は「赤線」と呼ばれる合法の特殊飲食店街が売春防止法の施行(58年)までの間続いた。