ネコ、ねこ、猫…。気まぐれで美しく、時に意地悪な猫は、人間を魅了してやみません。愛らしい小動物に取り憑かれた芸術家や作家は数知れず。夏目漱石の『吾輩は猫である』、金井美恵子の『タマや』、コレットの『牝猫』など、多くの作家が愛を込めて猫についての物語を紡いできました。 そして、また一人、猫に魅了されたある女性が、ついに日本初の“猫本屋”を開いてしまいました。2013年の2月22日、通称“猫の日”に、猫の本だけを扱うインターネット書店「書肆 吾輩堂」が開店したのです。猫を主人公として登場する小説、猫について綴られた随筆、猫が被写体となった写真集などの猫本を古本・新本問わずに集めたインターネット販売店です。 『猫本屋はじめました』(大久保京/著、洋泉社/刊)は、「吾輩堂」の店主・大久保さんのエッセイ。大久保さんが吾輩堂を開店させるまでの経緯、猫好き作家たちとの対談、猫本15選などが収められた、猫