作家でも書店員でもない、本を愛する身近な読者の思いをたたえたい-。県民が選ぶ「神奈川本大賞」がことし創設される。県民が推薦本とコメントを寄せ、選考にも加わる、まさしく「ご当地本大賞」。来月10日から投票を受け付け、9月に大賞が発表される。県内の書店員や図書館員らが連携して実行委員会を組織。「多くの人が本に触れるきっかけとし、賞を通じて神奈川を一つにしたい」と夢を膨らませている。 2004年の「本屋大賞」を皮切りに、その地方版ともいえる賞が近年、広島や静岡など各地で誕生している。選考するのは書店員など「本の目利き」であることが多いが、神奈川本大賞では県民が“主役”。読書量や知識が乏しくても「多くの人に読んでもらいたい」という思いがあれば、推薦者の資格ありだ。 実行委員会の発起人である安田有希さん(33)は狙いをこう語る。「身近な人に薦められた本だからこそ共感を覚え、読みたくなることがある