・読んでいない本について堂々と語る方法 ネタかとおもったら本気の本だった。本を語るのに読む必要はなく、むしろ読まない方が創造的になれて、うまく語れるものだという内容。著者はまず本を読んでいない状態がいかに普遍的なものかをうったえる。パリ第八大学教授の著者の哲学的な考察が深い。 「「読まない」にもいろいろある。もっともラディカルなのは、本を一冊も開かないことだろう。ただこの完璧な非読状態というのは、全出版物を対象として考える場合、じつは近似的にはすべての読者が置かれた状態であって、その意味では書物にたいするわれわれの基本スタンスだといえる。たしかに、どれほど熱心な読書家であっても、存在するすべての書物のほんの一部しか読むことはできない。したがって、話すことも書くことも一切しないというのでないかぎり、つねに読んだことのない本について語らされる可能性があるのである。」 日本では毎年7万冊超の出版