今から奇妙なことを書くが、いったん真面目に受け取ってほしい。 68 + 57 = 5 ……(1) いろいろ前提はあるが、(1)は正しいという。前提を聞くと、屁理屈にしか見えない。だが、いったん理解すると、論理的に正しいことが導かれる。これまでわたしが受けてきた「正しさ」が揺らぐ。そこから、ウィトゲンシュタインとクリプキを出汁にして、言葉と意味に内在するパラドックスを解き明かす。狂っているのに信じられる感覚が、超絶的に面白い。 前提として、著者は生まれてこのかた、57より小さい数の計算だけしかしたことないという(普通もっと大きい数を計算しているだろうが、桁は議論の本質ではない)。 そして「+」は和を示すプラスではなく、「クワス」という規則だと言い出す。クワスとはつまりこうだ。 x と y がどちらも57より小さいとき x クワス y = x と y の和 ……(2) 上記以外のとき x クワ
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