アルカンタラの熱い夏 遠野生まれ。インフォバーン、ライブドア、LINE、いまSmartNewsのVP。CGMに取り憑かれて、ブログや位置情報や電子書籍や動画のサービスを企画・運営してきた編集者・PM。読書が長年の習慣。テーマは公私混“働”と"諸"志貫徹。小説では『僕らのネクロマンシー』ほか。
49冊目 『ごちそうさまが、ききたくて。』 栗原はるみ カテゴリ: 1000冊紹介する テーマを設けず、思いついた順にランダムに1000冊紹介してきたつもりが、ある程度の数がたまると傾向がはっきり見えてきた。児童書、絵本、ファンタジー、育児、教育、料理。どうやらこのあたりに興味が集中して、そればかり読んでるらしい。 というわけでこれ。 妻から教わって、夫婦ともに、何度もお世話になった料理本。栗原はるみさんの代表作。色あせない名著『ごちそうさまが、ききたくて。』。 それまでも、料理は好きなほうだったけど、自分はこれで開眼した気がする。目うろこぽろり。 どういうことか、長々と書く。 ※ 羽生善治が、最近の将棋界を評して「知の高速道路化」と言った話は梅田望夫によって有名になったけれど、それと同じことが料理にもいえる。 つまり、あらゆるレシピが検索可能な時代において、料理の上手い下手の基準が以前と
29冊目 『夜の言葉』 アーシュラ・K・ル=グウィン カテゴリ: 1000冊紹介する 至高の一冊。これは自分のために書かれた本だなという勘違いまでさせてくれた。 内容は、ル=グウィンが1979年に書いた、ファンタジーとSFの評論集で、作家としての立場からフィクション(物語)の本質にせまっている。 『ゲド戦記』や『闇の左手』は、ル=グウィンが天才だから書けちゃった作品ではなく、作家としての自分を意識的に鍛え上げた結果として書けちゃった作品なんだな。だから、評論を書いても、上滑りせずにすぐれた内容を残せた。 この手の創作論やファンタジー論は、作家・村上春樹と評論家(ではないんだけれど便宜上そう呼ぶ)・河合隼雄が好んで取り上げていて、私も過去にそういったものをいくつも読んできたけれど、『夜の言葉』を読まずにそれらの本を何冊積み上げても意味がない。何回プールに通っても海に行ったことにならないのと同
18冊目 『お父さんだからできる子どもの心のコーチング』 菅原裕子 カテゴリ: 1000冊紹介する まわりに子育てを手伝ってくれる人がいるとしても、子どもと親の関係の肝心なところは密室で行われて何が良くてなにが悪いのかあまりよくわからなかったりする。 夫婦で考え方が違うところは話し合うことができるけど、盲点が重なっているところは問題だという意識がそもそもわかない。 それに気づけるのは、無関係な第三者が書いたこうした本を読むからで、子育ての考え方に関する新しい発見を夫婦で話す時間はとても楽しい。 この本が特別いいからと薦めるわけじゃなくて、なんでもいいから読んで、それについて話すのが有意義だということ。 なかには、「それほんとかよ?」みたいなトンデモ説も含まれるけど、「無意識だったけどこのやり方でよかったんだ」と慰められることもあるし、とにかく読んで損ということはない。 若いベンチャー企業の
5冊目 『ボクの音楽武者修行』 小澤征爾 カテゴリ: 1000冊紹介する 友人間で貸し回していた本がボロボロになって帰ってきた。喜ぶべき勲章といっていいだろう。これだけおもしろい本はそうないと思って紹介したので、ポケットやカバンのお供となってボロボロになったのなら本望。 若き日の小澤征爾が、船に乗ってヨーロッパへ行き、言葉も満足に話せないなか音楽界に衝撃のデビューを果たす青春紀行。 栄光のエピソードの他にも、ドーバー海峡にほど近い修道院の半地下の石の部屋でスパルタ式にホームシックを治すというきつい話も印象的。 氏の家族への手紙もおもしろい。こざっぱりした文章に、からっとして朗らかなスター性が感じられて、それだけで惹きつけられる。なんと魅力的な人物なんだろう。本に夢中になるうちに、最後は小澤征爾のファンになってしまう。
壁一面の本棚の作り方 カテゴリ: 買った あたらしい書斎 新居に越すタイミングで、念願だった壁一面の本棚の購入に踏み切った。テレビでもなくオーディオでもなく、本棚をリビング・ダイニングの主役にしたい、そう考えて。 そのとき参考にしたのが、内沼晋太郎さんプロデュースのカウンター型の本棚。昨年末の忘年会で内沼さんのご自宅に招待いただいたときに目にして以来、頭から離れなかった本棚です。 正面からだとちょっとわかりづらいんだけど、下段と上段の棚の間にちょっとしたカウンターがあり、生活に寄り添う家具として絶妙に使いやすい。カウンターの高さは、よくあるテーブルの高さ70cm〜75cmよりちょっと高い86cm。このカウンターはぜひともほしい。 もうひとつの大きな特徴は、本をサイズによってではなくジャンルで分けることを目的とした本棚だということ。上段の棚の高さには余裕があって(25cmほど)、文庫本も単行
これが昭和の大食堂だ! マルカンデパート(岩手県花巻市)の大食堂で「ナポリカツ」をいただく カテゴリ: 料理・グルメ 昭和の雰囲気を残し、いまなお大盛況を誇る花巻市のマルカンデパート大食堂。 なにがすごいって、デパートのワンフロアすべてが食堂。流行りのフードコート形式ではなく、単一の店舗が500席を超す食堂を切り盛りしています。昔はどうだったか知りませんが、デパートのおまけとしての食堂ではなく、むしろ食堂が主役になっているという類稀なる存在感を放っている岩手の名所です。 仕組みはこんな感じ。 1. ショーケースから食べたいものを選ぶ 2. レジで注文して食券をもらう 3. 席についてウェイトレスさんに食券を渡す 独特なのはメニュー表がないこと。券売機なんてのもありませんので、ショーケースから食べたいものを探すことからはじまります。しかしそのメニューの数がすごい。 エレベーターを出て左側には
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