私が「非モテ」「脱オタ」界隈の言説に触れるにあたって、シロクマ氏のサイト「汎用適応技術研究」には大いに刺激を受けた。そのサイトの中に、性的魅力に乏しい「モテナイクン」の性欲解消には、リアルの対異性・対人コンプレックスを刺激しないという点で、AVよりもエロゲーが優れていると記述されていた。しかし、近年のAV界の潮流を観察する限り、「エロゲー化」といえる現象が発生していると私は考えている。 例えば、男優の存在が消去され、一人称視点で鑑賞できる作品が現在は多数観察できる。また、男優が可視化されていても、その男優のルックスやコミュニケーション能力が著しく低いレベル(要は「キモイ」とラベリングされるようなレベル)に設定されているものも珍しくない。個別ジャンルに目を移しても、「お姉さんの童貞狩り」などの人気シリーズの登場が確認される。 男優の存在が消去されている作品に関しては、そもそもAVというメディ