Passion and Action ― Art Brut | 千歳船橋ディストラクションおそらく日本で開かれたアール・ブリュットの展覧会のなかでも最も包括的なものが本展である。ヴェルフリやドワイト・マッキントッシュ、アロイーズなど、アール・ブリュット史に残る作品が一同に会していることが本展のステータスを根拠づけている。 注目すべきは個々の作家の特殊性と共通性であって、個々に独自の構成・組織を見せながらも、概して共通する特徴が見出せるのも確かだ。「装飾と人体」がそれであり、これらが複雑に相互陥入しながら画面を構成しているのが一言で言えばアール・ブリュットの特徴である。 例えば二階正面に展示されていたマッジ・ギルの作品や、会場には展示されていなかったもののABCDコレクションの重要な作家であるローズ・オーベル（右図）が好例である。ギルとオーベルに特徴的なのは画面全体を装飾性の高い筆致で覆いながらも、そこここに顔（キャラクター）を配し、画面のなかに情報量の差を上手く生かしているとこ
