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ブックマーク / nikubeta.hatenablog.com (25)

  • 時計のような人体、時計のような政体 Neumann, "Machina Machinarum" #1 - オシテオサレテ

    Hanns-Peter Neumann, "Machina Machinarum. Die Uhr als Begriff und Metapher zwischen 1450 und 1750," Early Science and Medicine 15 (2010): 122–191, here 121–133. 初期近代における時計の比喩の使用を調べた論文を読みはじめる。時計の特徴として、自律的に、規則正しく動くというものがある。この特徴への言及はすでに15世紀後半に見られる(Tortelli, Poliziano, Polydorus Virgilius)。これらの文献で時計が machina と呼ばれていることから、machina の意味合いが変化していたことが見てとれる。machinaという言葉は、中世では静的な構造体(典型的には建築物)を指していた。それが、動的な構造体を指

    時計のような人体、時計のような政体 Neumann, "Machina Machinarum" #1 - オシテオサレテ
  • 宗教改革期におけるダイモーン的古代 ヴァールブルク「ルターの時代の言葉と図像における異教的=古代的予言 - オシテオサレテ

    ルターの時代の言葉と図像における異教的=古代的予言 (ヴァールブルク著作集6) 作者: アビヴァールブルク,Aby Warburg,伊藤博明,富松保文出版社/メーカー: ありな書房発売日: 2006/07メディア: 単行 クリック: 4回この商品を含むブログ (9件) を見る アビ・ヴァールブルク「ルターの時代の言葉と図像における異教的=古代的予言」『ヴァールブルク著作集6 ルターの時代言葉と図像における異教的=古代的予言』伊藤博明監訳、富松保文訳、ありな書房、2006年、7–115ページ。 1920年に発表されたヴァールブルクの代表的論文です。16世紀初頭の文書と図像の調査から、これまでの美術史やルネサンスについての歴史記述では見逃されてきた古代復興の一局面に光をあてようとするものです。 ルターの右腕である宗教改革者のメランヒトンは、1531年にカーリオンに宛てた書簡のなかで、予言・予

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  • 初期近代における「クリスマス終了のお知らせ」 - オシテオサレテ

    「仮庵の祭からサトゥルナリア祭へ:16世紀の年代学でのクリスマスへの攻撃」Carl Philipp Emanuel Nothaft, "From Sukkot to Saturnalia: The Attack on Christmas in Sixteenth-Century Chronological Scholarship," Journal of the History of Ideas 72 (2011): 503–22. http://muse.jhu.edu/login?uri=/journals/journal_of_the_history_of_ideas/v072/72.4.nothaft.html 1600年代の初頭、とあるプロテスタントの学識者は次のように言いました。 もし私が60年前に我らが主[キリスト]は12月25日に生まれたわけではないと言ったならば、私は焼き

    初期近代における「クリスマス終了のお知らせ」 - オシテオサレテ
  • 「第一の戦後」期における「市民」 小熊『〈民主〉と〈愛国〉』 - オシテオサレテ

    〈民主〉と〈愛国〉―戦後日のナショナリズムと公共性 作者: 小熊英二出版社/メーカー: 新曜社発売日: 2002/11/01メディア: 単行購入: 8人 クリック: 243回この商品を含むブログ (340件) を見る 小熊英二『〈民主〉と〈愛国〉 戦後日のナショナリズムと公共性』(新曜社、2002年)。 書の主要なテーゼの一つに、1945年から1955年までの「第一の戦後」期と55年体制成立以降の「第二の戦後」期では、さまざまな単語の用いられ方に違いがみられるというものがあります。用法が変化した単語の一つとして挙げられるのが「市民」です。変化の内実を簡単にいうなら、第一の戦後期では市民という単語はおよそ肯定的なニュアンスでは用いられず、第二の戦後期に入ってはじめて肯定的な意味がこめられはじめるというものです。 第一の戦後期では、戦前からの連続性をもってマルクス主義の図式で歴史はとら

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  • 中世キリスト教の世界 アッポルド『宗教改革小史』第1章 - オシテオサレテ

    宗教改革小史 (コンパクト・ヒストリー) 作者: ケネス・G.アッポルド,Kenneth G. Appold,徳善義和出版社/メーカー: 教文館発売日: 2012/11メディア: 単行この商品を含むブログを見る K・G・アッポルド『宗教改革小史』徳善義和訳、教文館、2012年、15-80ページ。 宗教改革史の概説である書は、中世のキリスト教の解説からはじまる。そのさいに力点が置かれるのが「中世のキリスト教は統一されていたというよりも混沌としていた」ということである(21-22ページ)。教皇を頂点にしたヒエラルキー構造という統一は、当初は存在していなかったし、存在するようになっても多分に理念的なものであった。混沌はいくつものレベルで存在した。まず各地の教会が分裂していた。いくつもの有力教会が、ローマ帝国崩壊後の中心を失った地域で、それぞれのやり方で信徒たちを組織化していた。安定した組織化

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  • 社団を編成する政治権力 二宮「フランス絶対王政の統治構造」 - オシテオサレテ

    ソシアビリテと権力の社会史 (二宮宏之著作集 第3巻) 作者: 二宮宏之,福井憲彦,林田伸一,工藤光一出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/12/22メディア: 単行この商品を含むブログを見る 二宮宏之「フランス絶対王政の統治構造」吉岡昭彦、成瀬治編『近代国家形成の諸問題』木鐸社、1979年、183-233ページ(『二宮宏之著作集 第3巻 ソシアビリテと権力の社会史』岩波書店、2011年、133-176ページに収録)。 フランス絶対王政理解のための新しい視角を打ちだした重要な論文である。キーワードは社会的結合関係である。 絶対王政の古典的イメージとは次のようなものである。王はあらゆる法にしばられない。王は官僚機構と常備軍を利用して、王国をあますところなく統治する。しかしこのような絶対王政イメージは近年の研究により掘りくずされはじめている。まずフランス王国の領域は必ずしも判然とし

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  • ハスキンズを超えて  Colish, "Haskin's Renaissance Seventy Years Later" - オシテオサレテ

    Studies in Scholasticism (Variorum Collected Studies) 作者: Marcia L. Colish出版社/メーカー: Routledge発売日: 2006/05/28メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (1件) を見る Marcia L. Colish, "Haskin's Renaissance Seventy Years Later: Beyond Anti-Burckhardianism," Haskins Society Journal 11 (1998 [2003]), 1-15, repr. Colish, Studies in Scholasticism (Aldershot: Ashgate, 2006), article XVII. 1927年に出されたハスキンズの『12世紀ルネサンス』は、ブルクハルトのルネサン

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  • ルネサンスにおける霊魂論の変容 Park, "The Organic Soul" - オシテオサレテ

    The Cambridge History of Renaissance Philosophy 作者: C. B. Schmitt,Quentin Skinner,Eckhard Kessler,Jill Kraye出版社/メーカー: Cambridge University Press発売日: 1988/04/07メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (2件) を見る Katharine Park, "The Organic Soul," in The Cambridge History of Renaissance Philosophy, ed. Charles B. Schmitt and Quentin Skinner (Cambridge: Cambridge University Press, 1988), 464-84. http://universitypublis

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  • 複数の時間の併存、緊張、分裂 ル・ゴフ「中世における教会の時間と商人の時間」 - オシテオサレテ

    もうひとつの中世のために?西洋における時間、労働、そして文化 作者: ジャックル・ゴフ,Jacques Le Goff,加納修出版社/メーカー: 白水社発売日: 2006/12メディア: 単行 クリック: 7回この商品を含むブログ (12件) を見る ジャック・ル・ゴフ「中世における教会の時間と商人の時間」『もうひとつの中世のために 西洋における時間、労働、そして文化』加納修訳、白水社、2006年、50–72ページ。 ル・ゴフが1960年に発表した論文です。同じ時代における複数の時間意識の存在、その出現の歴史的背景、それら異なる時間意識のあいだの関係を論じています。筋道立てて一つのテーゼを論証するというよりは、一つの問題意識のもとに関連がありそうな事例や、有用でありうる着眼点に次々と(時として個々の論点をまったく深めることなく)言及していくというスタイルで書かれています。 中世の9世紀か

    複数の時間の併存、緊張、分裂 ル・ゴフ「中世における教会の時間と商人の時間」 - オシテオサレテ
  • 古典伝承の森のなかへ 原「失われた自筆原稿を求めて ダンテ『神曲』のテキストを読むということ」 - オシテオサレテ

    書物の来歴、読者の役割 作者: 松田隆美出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会発売日: 2013/10/06メディア: 単行この商品を含むブログ (4件) を見る 原基晶「失われた自筆原稿を求めて ダンテ『神曲』のテキストを読むということ」松田隆美編『書物の来歴、読者の役割』慶応義塾大学出版会、2013年、47–77ページ。 私たちに文学作品はどんなふうにあらわれているか。中学の教室を考えてみよう。『源氏物語』なら、平安時代の作品であり、紫式部という人物によって書かれ、書き出しは「いづれの…」云々。生徒は古語辞典をたよりに紫式部の言わんとすることを理解しようとし、教師がその意味を解説する。日中でみられる光景だ。だがそこで暗黙のうちに前提とされていることがある。教科書に印刷された文が紫式部の書き残した文章だということだ。そこに疑いはない。作品は多様な解釈にひらかれているとはいえ、とにか

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  • 暗き『神曲』で迷わないために 村松『謎と暗号で読み解く ダンテ『神曲』』 - オシテオサレテ

    謎と暗号で読み解く ダンテ『神曲』 (角川oneテーマ21) 作者: 村松真理子出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店発売日: 2013/11/28メディア: Kindle版この商品を含むブログ (3件) を見る 村松真理子『謎と暗号で読み解く ダンテ『神曲』』角川oneテーマ21、2013年。 高校時代のあるとき、あるいは大学にはいったばかりのころくらいに、ちょっと背伸びをして名著とされている文学作品を読みあさったという人は多いのではないだろうか。そのときの候補にダンテ『神曲』が入ることもままあるだろう。そこで家の棚に押しこめられていたり、屋の目につくところにある『神曲』の翻訳を手にとる。おうおうにして岩波文庫の山川訳だ。さっそくページを繰ってみると…なんだこれ?となったと思う。面白くないとかいう以前に理解できない。いきなり主人公は森にいる。森で迷っている。正真正銘なんの

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  • 言語論的転回からコンテキストの精緻化へ Spiegel, "History, Historicism, and the Social Logic of the Text" - オシテオサレテ

    Gabrielle M. Spiegel, "History, Historicism, and the Social Logic of the Text in the Middle Ages," Speculum 65 (1990): 59–86. http://www.jstor.org/stable/2864472 言語論的展開を受けたあとに文学テキスト(literary texts)をどう歴史的に解釈するかを方法論的に考察した論考である。いろいろなことが書かれているものの、中核となるメッセージは単純であるように思える。伝統的に歴史学では文学テキストがそれが生みだされた社会的現実を反映するとみなされてきた。ここからコンテキストがテキストを規定し、テキストの意味はコンテキストへの参照により明らかになるというモデルが生まれる。しかし言語論的展開以降、人間が生きる社会的現実もまた言語によっ

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  • 神への自然的欲求と境界線上の人間 根占「『プラトン神学』と霊魂不滅の伝統」 - オシテオサレテ

    イタリア・ルネサンスの霊魂論―フィチーノ・ピコ・ポンポナッツィ・ブルーノ 作者: 根占献一,伊藤和行,加藤守通,伊藤博明出版社/メーカー: 三元社発売日: 2013/05/01メディア: 単行この商品を含むブログ (1件) を見る 根占献一「『プラトン神学』と霊魂不滅の伝統 特に「自然的欲求」をめぐって」根占、伊藤博明、伊藤和行、加藤守通『イタリア・ルネサンスの霊魂論 フィチーノ、ピコ、ポンポナッツィ、ブルーノ』新装版、三元社、2013年、18–59ページ。 95年に三元社より出された好著『イタリア・ルネサンスの霊魂論』がこのたび装いも新たに世に送り出されることになりました。ルネサンスを代表する哲学者の議論をすぐれた解説と、ポイントをついた翻訳選で楽しむことができます。このようなすばらしい企画が正当に評価され、復刊されるのはじつにすばらしい。新しい装丁がこれまたとても美しいのです。ぜひ手

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  • ハーヴァード大学ルネサンス研究所・特別講演会参加記録 - オシテオサレテ

    今日は学習院女子大学で開催されたルネサンス研究会に出席してきました。日のルネサンス研究会、ヨーロッパ中世・ルネサンス研究所、そしてハーヴァード大学のルネサンス研究所であるヴィラ・イ・タッティの共催となる講演会です。いくつか印象に残ったことを書き記しておきます。 ハーヴァード大学ルネサンス研究所・特別講演会 まず最初の発表は、ジョナサン・ネルソン氏によるVilla I Tattiの紹介でした。ジョナサン氏によれば、イ・タッティ研究所に滞在するフェローには何の義務も課されません。を書く必要も、レクチャーをする必要も、パワーポイント1枚作る必要すらありません。充実した研究施設のなかでただ研究者たちと交流すればいいのです。たとえばランチとおやつの時間に。 続くリノ・ペルティーレ氏のダンテ論は、『神曲』の冒頭部に関するものでした。内容について私はなんらの判断も下すことはできないのですけど、とにか

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  • 知の世俗化 宮下「図書館・書斎、そして印刷術」 - オシテオサレテ

    哲学の歴史〈第4巻〉ルネサンス 15‐16世紀 作者: 伊藤博明出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2007/05/01メディア: 単行 クリック: 11回この商品を含むブログ (14件) を見る 宮下志朗「図書館・書斎、そして印刷術」伊藤博明編『哲学の歴史4:ルネサンス』中央公論新社、2007年、338–354ページ。 なんともすばらしい小文です。中世からルネサンスにかけて知識の担い手が聖職者から俗人へと拡大していきます。それにともない大学ができ、そこでは少数のテキストを繰りかえし読んで叡智を得るという修道院スタイルから離れ、おおくのから引きだされた多くの情報をもとに論拠にもとづく議論をいかに戦わせるかが重視されるようになります。これらの動向から飛ばし読みが可能な黙読、情報をすばやく見つけるための工夫(段落、小見出し、索引)、口承韻文の散文化、ローマン体の発明、活版印刷術がつぎ

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  • 図像から見る占星術の伝統 ヴァールブルク『ムネモシュネ・アトラス』 - オシテオサレテ

    ヴァールブルク著作集 別巻 1 ムネモシュネ・アトラス 作者: アビ・ヴァールブルク,伊藤博明,田中純,加藤哲弘出版社/メーカー: ありな書房発売日: 2012/03/01メディア: 単行 クリック: 15回この商品を含むブログ (2件) を見る アビ・ヴァールブルク、伊藤博明、加藤哲弘、田中純『ムネモシュネ・アトラス』ありな書房、2012年。 ドイツの美術史家・文化史家のアビ・ヴァールブルクは、彼自信が「アトラス」と呼んだ図像パネル集の制作を、遅くとも1926年には開始していました。このパネル集は、様々な造形作品を白黒写真で撮影し縮小して、それらを黒色の布地の上に(ヴァールブルク独自の構想に基づいて)分類配列したものです。現在元のアトラス自体は失われているものの、時系列順に3つの段階のアトラスを白黒写真に収めたものが残っています。著作はこの最終版をもとにつくられています。 ヴァールブ

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  • 20世紀前半の歴史学における中世とルネサンス Ferguson, The Renaissance in Historical Thought, ch. 11 - オシテオサレテ

    The Renaissance in Historical Thought: Five Centuries of Interpretation (Rsart: Renaissance Society of America Reprint Text Series) 作者: Wallace Klippert Ferguson出版社/メーカー: Univ of Toronto Pr発売日: 2006/02/28メディア: ペーパーバック クリック: 5回この商品を含むブログを見る Wallace K. Ferguson, The Renaissance in Historical Thought: Five Centuries of Interpretation (Toronto: University of Toronto Press, 2006; orig. pub. 1948), 329–

    20世紀前半の歴史学における中世とルネサンス Ferguson, The Renaissance in Historical Thought, ch. 11 - オシテオサレテ
  • 運動としてのルネサンス - オシテオサレテ

    Background to the English Renaissance 作者: J. B. Trapp,etc.出版社/メーカー: Gray-Mills Publishing Ltd発売日: 1976/01/04メディア: ハードカバー クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見るThe Renaissance (Critical Concepts in Historical Studies) 作者: Robert Black出版社/メーカー: Routledge発売日: 2006/06/21メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (1件) を見る E. H. Gombrich, "The Renaissance - Period or Movement?" in Background to the English Renaissance, ed. A. G. Dick

    運動としてのルネサンス - オシテオサレテ
  • 12世紀ルネサンス研究の動向 - オシテオサレテ

    Leidulf Melve, "'The Revolt of the Medievalists.' Directions in Recent Research on the Twelfth-century Renaissance," Journal of Medieval History 32 (2006): 231–52. http://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1016/j.jmedhist.2006.07.006 ブルクハルトのルネサンス=近代の起源論に対して、「中世学者たちの反逆」を引き起こす狼煙をあげたのがハスキンズの『12世紀ルネサンス』(1927年)でした。ハスキンズが主張したのは、個人主義、世俗化、批判的歴史意識というブルクハルトが14世紀イタリアにみた諸要素(これが近代を構成する)が12世紀にすでに見られるということでした。このような1

    12世紀ルネサンス研究の動向 - オシテオサレテ
    florentine
    florentine 2012/06/07
    ハスキンズ、懐かしい! いつかちゃんと読み返す
  • 機械時計としての至福者 『神曲』天国篇第24歌 - オシテオサレテ

    長谷川悠里「機械時計と神的リズム:『神曲』天国篇第24歌におけるAEQUALITAS」『イタリア学会誌』第61号、2011年、1–22頁。 文学史と思想史が交差する興味深い論考を読みました。ダンテ『神曲』の天国篇では、諸天球にいる至福者たち(トマス・アクィナス、ペトロ、天使とか)が天体の円運動を模倣して回転運動を行ないます。このときダンテは彼らを機械時計の部品にたとえます。なぜ彼は時間を象徴する時計のたとえを用いたのでしょう。詩と時間の関係についての思索の原点は、アウグスティヌスの『音楽論』にあります。彼によれば神のいる領域は均等性(aequalitas)の原理が常にとどまっているため、いかなる変化もなくそれゆえ時間もありません。この永遠性を模する時間が天の調和した規則した運動によってつくられます。この「宇宙の詩」に地上の事物は自らを結びつけます。ここで詩という言葉が使われていることからも

    機械時計としての至福者 『神曲』天国篇第24歌 - オシテオサレテ
    florentine
    florentine 2012/05/31
    「ダンテの願いと意思は「天上で等しく巡る車輪(天球)のように、永遠のaequalitas—神的リズム―に合一して終わるのである」