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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/ikedanobuo (300)

  • 日本経済グローバル競争力の再生 - 池田信夫 blog

    世の中には、経済学者は数学的な理論から厳密に演繹して経済政策を論じていると思っている人も多く、経済学者にもそう錯覚している人がいる。しかし実際には、「デフレは日銀の金融政策が原因だ」という理論も、その逆に「中国などからの輸入物価の低下が原因だ」という理論も、実証研究も存在する。経済学の理論や統計なんていい加減なので、どんな仮説でも検証できるのだ。 その仮説を決めるのはデータではなく、経済学者の直観である。書の仮説は、「金融政策の失敗も大きかったが、質的な問題は実体経済の改革だ」というもので、林文夫氏のグループとメンバーが重なる。実際には、林氏のに収められた実証研究は、必ずしもHayashi-Prescottを支持しておらず、書で吉川洋氏もいうように「マクロ経済が新古典派的な均衡状態にあるという[林氏の]RBC理論は全く根拠を持たない空論である」(p.138)とみることも可能だ。

  • 問題は格差ではなく生産性だ - 池田信夫 blog

    格差シリーズの続きとして、最近話題になったバーナンキFRB議長の所得分配についての論文を紹介しておこう。これは最近アメリカでも所得格差が拡大している原因を考え、政策的な対応を考えたものだ。要旨は次の通り:先進国の平均所得は戦後一貫して上昇しており、最低所得も上昇している。しかし所得格差は、戦後は縮まっていたが、ここ30年は拡大している。この期間に、アメリカの下位10%の所得は4%しか上がらなかったが、上位10%の所得は34%上がり、その結果、上位1%の所得は全所得の8%から14%に拡大した。さらに大卒のホワイトカラーと高卒のブルーカラーの賃金格差は、38%から75%に拡大した。 格差拡大の最大の原因と考えられるのは、ITによる生産性の急速な上昇である。ITの物理的な性能は、「ムーアの法則」として知られるように指数関数的に上がっているが、その経済的生産性はユーザーの技能と補完性をもつため、

  • インフレ目標の失敗 - 池田信夫 blog

    スティグリッツによれば、現在の「新型スタグフレーション」に対応するには、各国で採用されているインフレ目標をやめるべきだという。(via Greg Mankiw's Blog) いま世界的に起こっているインフレはマネタリーな現象ではなく、天然資源の価格上昇というリアルな要因が各国に「輸出」されたグローバルな現象であり、一国の金融政策ではコントロールできない。中国のインフレは8%、ベトナムは18%を超えている。これを金利の引き上げで2%程度に抑制することは不可能であり、暴力的な金融引き締めを行なえば、不況がさらに深刻化するだけだ。 グリーンスパン時代にアメリカ経済が安定していたのは、彼の巧みな金融政策のおかげではなく、中国などからの輸入デフレによって物価が安定していたからだ。いま起こっているのは逆に、資源コストの上昇による輸入インフレなので、金利を上げても止まらない。必要なのは、先進国も途

    fromdusktildawn
    fromdusktildawn 2008/05/15
    具体的にどこがどう無理解なのか、コメント欄で具体的に指摘した方が建設的だと思うけどね。
  • 地球温暖化論のウソとワナ - 池田信夫 blog

    先日の「温暖化バブル」についての記事には、コメントやブログで多くの議論があったが、その中に「槌田氏は反原発のトンデモ学者だから信用できない」という類の批判(ともいえない批判)があった。しかし書の著者、伊藤公紀氏は横浜国立大学教授、渡辺正氏は東大教授で、いずれも環境科学の専門家だから、肩書きを理由にして否定はできないだろう。 書で指摘されている疑問点は、これまで当ブログで書いたものと重複する点も多いが、さすがに専門家だけに、IPCCの依拠する1次データそのものに問題があることを指摘している。具体的なデータで示されている疑問を列挙しよう。 最近の「地表気温」が単調に上昇しているというデータは疑わしい。地表気温というのは地球上の数千の観測点の平均値だが、設置場所がずさんなため、多くの観測点が都市化によるヒートアイランド現象の影響を受けている。たとえば東京(大手町の気象庁)の気温は、20世紀

  • 地球温暖化バブル - 池田信夫 blog

    『季刊AT』という雑誌に、槌田敦氏の「温暖化の脅威を語る気象学者たちのこじつけ理論」という論文が出ている。著者は著名な物理学者で、この原文は今年の国際学会誌に掲載されたものであり、トンデモ論文ではない。その主要な論点は、地球温暖化は、CO2蓄積の原因であって結果ではない CO2濃度の上昇の主要な原因は、気温上昇であって人間活動ではないということである。くわしい論証は英文論文にあるが、その意味は図1をみただけでもわかるだろう。この図は過去22万年間のCO2濃度と気温変化(ΔT)とメタン(CH4)濃度を比較したIPCCのデータだが、ほぼ完全な相関関係がみられる。絶対的な気温でみても、現代より1000年前の「中世温暖期」のほうが気温が高く、最高気温は10万年前に記録されている。この原因が人間活動でないことは明らかである。 この相関をCO2上昇→気温上昇という因果関係と解釈するのが大方の見方だが

    fromdusktildawn
    fromdusktildawn 2008/05/08
    何年か前のNHK特集では、CO2増加によって地球が温暖化するのか寒冷化するのかはまだ分からない、ただ気象が不安定化することだけは確かだ、という結論だったな。
  • 「食糧サミット」で農産物自由化を - 池田信夫 blog

    洞爺湖サミットの目玉として、政府は途上国に対して100億円の糧支援を行なうことを決めた。このバラマキは、かつて沖縄サミットで世界の笑いものになった「IT支援」の二の舞になるだろう。朝日新聞は「糧暴発」なるシリーズで「投機マネーが糧不足につけこんで価格を吊り上げている」というキャンペーンを張っているが、下の図をみればわかるように、価格が急騰している米でもここ30年で生産量は倍増しており、絶対的な糧不足は存在しない。もし投資ファンドが糧を過大に買い占めているとすれば、いずれ損を出すだろう。 問題は「新興国の需要増」でも「投機マネー」でもない。昨年タイ、インドネシア、カンボジアなどの穀物輸出国の気候が不順だったため、彼らが輸出規制を行なって需給バランスが崩れたことがきっかけだ。それにアメリカの愚かなバイオエタノール増産計画が拍車をかけた。これに対応すると称して、EUでは農業所得の34

    fromdusktildawn
    fromdusktildawn 2008/05/05
    世界中の経済学者が、同じことを言い続けてるよな。けっこう昔から。
  • 「世間」の空気を恐れる古い脳 - 池田信夫 blog

    私のブログやコラムで、「匿名」という文字が出てくると、いつもイナゴが大騒ぎする。他人を「闇討ち」できる既得権が、何より大事なのだろう。私は「日人は個が確立していない」という類の近代化論的ステレオタイプは好きではないが、彼らの言動をみていると、そういう類型的な「古い日人」のDNAが若い世代にも受け継がれていることにうんざりする。こういう状況は、ウェブだけではない。会社でも、飲み屋ではグダグダ上司の悪口をいうくせに、会議では黙っている「内弁慶」は多い。 このように人々を支配する空気を、阿部謹也は世間とよんだ。彼の『ヨーロッパを見る視角』によれば、「個人」の概念が生まれたのは近代資主義の時代ではなく、11〜2世紀だという。古代の欧州は、ほとんどの社会と同様、世間の空気に支配される共同体だった。古代ローマがイスラムによって破壊され、こうした古代的秩序が失われたあと、11世紀以降に欧州を統合

  • 日本の新聞サイトのリンクはなぜ切れるのか - 池田信夫 blog

    何度も書いたことだが、日の新聞社のサイトのリンクは、早ければ3日で切れる。ひどいのになると、朝日の社説のように"http://www.asahi.com/paper/editorial.html"という相対番地しかないので、日付が変わると内容が変わってしまう。しかも日の新聞社・通信社のサイトすべての記事でリンクが切れるのは、談合としか考えられない。 先日、asahi.comの編集委員に「なぜ日の新聞サイトには固定リンクがないのか」ときいたら、「有料データベースの営業からの要請で・・・」と言っていたが、リンクが切れたからといって、月額3150円+記事1に84円も払って読む人がいるとは思えない。それよりアクセスやリンクが減って広告単価が下がる負の効果のほうが大きいだろう。NYタイムズでさえ、アーカイブは原則無料になった。 最近はロイターの日語サイトが充実してきたので、リンクはなる

  • テレビ進化論 - 池田信夫 blog

    最近、送っていただくが増えた(*)。当ブログの販促効果が知られるようになったからだろうか。『さらば財務省!』などは、当ブログ経由で140冊も売れた。ほとんど大型書店なみだ。先週は5冊いただいたが、そのうち2冊が屋で買ったあとだった。書もその1冊だ。 著者の出身は経産省コンテンツ課の官僚だが、風貌はとてもそうは見えない。書の中身も、ギョーカイの複雑怪奇なしくみを客観的に分析した入門書だ。書評は来月発売の『アスキードットPC』に書くので、ここでは気になった点を一つだけ:106ページ以下で、「地デジという名の時限爆弾」がテレビ業界を震撼させている様子を描いているが、その原因が「電波を有効利用したいという政府の決定によるものだ」というのは間違いである。 FAQにも書いたように、郵政省の頭には「有効利用」なんかなかった。これは(Q2に書いたように)後からつけた理屈だ。ハイビジョン(MUS

  • 岩波書店の死 - 池田信夫 blog

    最近、岩波文庫版の『一般理論』が売れているらしいが、これは絶対に読んではいけない。もともと原著が、サミュエルソンも「あのが出た当時、MITで理解できる人は1人もいなかった」といったほど、難解(というより支離滅裂)なである。おまけに訳者は、マクロ経済学を勉強もしたこともないマル経。理解不可能な原著を理解能力のない訳者が訳して、読者が理解できるはずがない。 さらにひどいのは、今週でた山美彦『金融権力』(岩波新書)だ。これはほとんどネタである。「読んではいけない」という冗談で書いたコラムを最近、復活したら、意外にアクセスが集まっているが、17冊のうち7冊が岩波のだ。私は岩波に幻想をもっている世代ではないが、それにしてもこの質の低下は目をおおわしめるものがある。 最近では大江健三郎訴訟で、裁判所に「大江氏の記述は事実ではないが、誤解してもしょうがない」と助け舟を出してもらって、かろうじ

  • 公文俊平という偽善者 - 池田信夫 blog

    MIAUなどのネット規制法案に反対する共同声明に、公文俊平が署名している。彼は、いったいどの面さげて「インターネットの言論の自由」を語っているのか。4年前、メーリングリストでの発言を理由にして3人の研究員を「解雇する」と通告し、訴訟を起されて結局、解雇を撤回し、給与を支払わされて恥をかいたことを忘れたのか。 そのとき彼の暴挙に怒った国際大学特別顧問、中山素平氏は公文を国際大学グローコム所長から解任した。中山氏が故人となった今、これは貴重な歴史的記録なので、以下に一部、引用しておく。 前略 用件のみ申し上げます。 貴兄が昨年の10月末頃と記憶しますが来訪され、新年度からグローコム所長を退任されたい旨、申し出がありました。私は所長の実務は若い者に任せるべきと申し上げ、貴兄はこれを了承されました。 その後、西、池田、山田3氏同席の上、私が彼らの性格・適性を知っておりますので、3人それぞれの

    fromdusktildawn
    fromdusktildawn 2008/04/23
    良記事を書く人間だということと、ネット上で私怨を晴らすような人間だということの間には、なんら関係がない。という当たり前のことを示す、当たり前の存在が彼だ。ごく自然だ。
  • ネット規制についての論点整理 - 池田信夫 blog

    水曜に、民主党のプロジェクトチームのヒアリングで意見を述べることになった。いろいろな人からいただいた情報を総合すると、情勢はあまり楽観できないが、それほど差し迫ってはいないようだ。少なくとも、連休前の法案提出ということはないだろう。MIAUが5月1日にシンポジウムを予定している(詳細は未定)が、十分まにあうと思う。 まず自民党プロジェクトチームのヒアリングで、インターネット・ホットラインセンターに続いて、携帯の自主規制団体EMAも「法的規制が必要だ」という意見を表明した。有害情報が膨大で、自主規制には限界があるということのようだ。他方、マイクロソフトは「有害情報は憂慮すべき問題だが、法的規制には問題が多い」として、ISPなどの自主規制の強化で対応すべきとの方針をヒアリングで表明した。 当ブログの記事でも、コメント・TBあわせて100以上の大激論が行なわれた。bewaad氏と大屋雄裕氏

    fromdusktildawn
    fromdusktildawn 2008/04/22
    近藤さんがどういう対応策をとれば池田さんは満足なわけですか?具体例を挙げて批判しないと説得力がないね。はてぶをDiggのようにしろというわけですか?それだと別サービスになっちゃいますよ。
  • 現代の金融政策 - 池田信夫 blog

    現職の日銀総裁が、その手の内を明かすことはまずないが、書は期せずしてそういうになった。ファイナンス業界のみならず、経済学業界にも必読書だろう。分量は多いが、内容はそう高度ではない。むしろ日銀の実務や、金融政策の目標・効果などを網羅した教科書だ。私は金融政策プロパーにはあまり興味がないので、第Ⅵ部「近年の金融政策運営をめぐる論点」だけを拾い読みしてみた。 全体としては、日銀の「流」的な考え方に近い。基的に金融政策というのは受動的なもので、リアルな経済の変動を緩和することはできるが、バブルを防ぐこともできないし、その崩壊を止めることも期待しないでほしいという立場だ。特におもしろいのは、経済学者の批判するバブル崩壊後の金融政策がテイラー・ルールにほぼ沿っていたという反論だ。 1989年に日銀が行なった利上げを、日経新聞が「自分勝手な利上げ競争は回避せよ」などと3度にわたって批判した社

  • 「食糧危機」の本当の原因 - 池田信夫 blog

    今月から、小麦の政府売渡価格が30%引き上げられ、パンやうどんなどの値上げが続いている。この説明として、農水省は「国際的な穀物価格の高騰が原因だ」と説明し、御用評論家は「こういうこともあるから、糧自給率の引き上げが必要だ」と言っているが、これは当だろうか。 農水省のホームページによれば、値上げ後の政府売渡価格は銘柄平均で69,120円/tである。この理由として、小麦の国際価格が「年2月には10ドル/ブッシェルを超えて史上最高値を更新するなど、政府買付価格は大幅に上昇している」と書かれているが、ブッシェルというのは約27kgだから、10ドル/ブッシェルというのはトンあたりに換算すると約37,000円。政府は国際相場の2倍近い価格で売っていることになる。 それでも料安定供給特別会計が逆鞘になったのは、この原価に25%の関税と、マークアップ(麦等輸入納付金)など約19,000円/tを

  • Libertarian Paternalism - 池田信夫 blog

    自由主義的な家父長主義というのは形容矛盾で、読むと気分が悪くなりそうだが、これは一種の冗談で、まじめにいうと「これまで非現実的な『合理的経済人』を想定して行なわれてきた制度設計を、もっと現実的な人間の行動にもとづいて考え直す」ということだ。 新古典派経済学では、人々はすべての問題について効用最大化の選択を行なうことになっている。しかし、たとえばあなたが職場に行くとき、何時に起きて朝で何をべ、どんな服を着て何時に家を出るか・・・など多くの問題があり、それぞれについて多くの選択岐があるので、すべての選択肢について効用最大化の計算をしていると、組み合わせの爆発が起きて、会社に遅刻してしまう。 だからあなたが取る行動は、いつも同じ時間に起きて同じような朝をとり、同じような服で同じ時間に家を出るという習慣的な行動だ。実験経済学でも、人々の行動のほとんどは積極的な選択の結果ではなく、習慣によ

  • 資本鎖国を進める経産省 - 池田信夫 blog

    JパワーがTCIによる株の買い増しを拒否した件について、Economist誌が「日のエネルギー価格は先進国でもっとも高く、エネルギー産業はもっとも閉鎖的だ」と批判している。もちろん両者には因果関係があり、経産省はこうした非効率的なエネルギー産業(および天下り先)に外資が入り込むのを恐れているのだろう。 これを決めたのは「資鎖国」のリーダー、北畑隆生次官である。「公の秩序の維持を妨げる恐れ」って何のこと? 河野太郎氏のように普通の日語に翻訳すると、「原発利権に手を突っ込まれたら困る」ということでしょ。きょうの外為審に「諮問」するらしいけど、まさかれっきとした経済学者が、こんな海外から笑いものにされるような規制にメクラ判つくんじゃないでしょうね?

  • Be Evil! - 池田信夫 blog

    Wired誌のアップル特集は、IT企業の「成功のルール」について、あらためて考えさせる:シリコンバレーのルール1:プラットフォームを開放し、協力せよ アップルのルール1:自分のマシンだけで動くソフトウェアを開発せよ シリコンバレーのルール2:企業情報を顧客に明かし、コミュニケーションをとれ アップルのルール2:メディアには何もしゃべるな シリコンバレーのルール3:市場の主導権をとっても、独占しようとするな アップルのルール3:優位になった市場から、徹底的に利益を上げろ シリコンバレーのルール4:顧客を中心にせよ アップルのルール4:自分の作りたいものを作れ シリコンバレーのルール5:社員のアイデアを大事にし、ボトムアップで意思決定せよ アップルのルール5:すべてをトップが決め、社員はそれに従えこの産業で人々が買うのは必需品ではないのだから、彼らが何を求めているかは予測でき

    fromdusktildawn
    fromdusktildawn 2008/04/07
    「Be Eveil!」は、秀逸なタイトルだな。
  • 日本の「安心」はなぜ、消えたのか - 池田信夫 blog

    高市早苗氏も高井美穂氏も、インターネットが「青少年に対するいじめに当たる情報であって、当該青少年に著しい心理的外傷を与える」と思っているらしいが、それは実証的に確かめられたこともない通俗的な思い込みに過ぎない。いじめというのは今に始まったことではないし、インターネットが原因でもない。 著者は、いじめは子供が集団を形成するとき異質な分子を排除する伝統的な行動だと指摘する。それが「心理的外傷」を与えるほど暴力的になるのは、多くの子供が喧嘩や悪口などのノイズに免疫がないため、群衆行動に走るからだ。したがって、インターネットから子供を隔離して「無菌状態」に置くのは、かえって子供の免疫力を弱め、いじめを助長するおそれが強い。 古きよき「国家の品格」が失われたために子供の心が荒廃した、という類のセンチメンタリズムも、著者は実験データをもとに一蹴する。伝統的な小集団では、「村八分」のような繰り返しゲ

  • ネット規制を競う自民・民主・総務省 - 池田信夫 blog

    民主党はきのう、「子どもが安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律案」を了承し、今国会に提出する方針を決めた。民主党の法案なんてだれも関心を持たないだろうが、これは先日の自民党のネット規制法案とほとんど同じ内容だ。つまり民主党案が出ると自民党案も出され、両党の協議でネット規制法が、今国会で成立する可能性が高い。 その自民党案は、私が入手した「青少年の健全な育成のためのインターネットの利用による青少年有害情報の閲覧の防止等に関する法律案(未定稿)」によれば、次のようなものだ(条文は一部略):第2条の2(青少年有害情報の定義) この法律において「青少年有害情報」とは、次のいずれかの情報であって、青少年健全育成推進委員会規則で定める基準に該当するものをいう。青少年に対し性に関する価値観の形成に著しく悪影響を及ぼすもの青少年に対し著しく残虐性を助長するもの青少年に対し著し

  • 「情報大航海時代」の航海術 - 池田信夫 blog

    先月、情報大航海プロジェクト(通称「日の丸検索エンジン」)のシンポジウムが行なわれた。席上、プロジェクト側が技術的な成果を説明したのに対して、会場からは「こういう産業政策はもう古いのではないか」とか「ビジネスモデルが見えない」といった疑問が相次ぎ、演壇の某教授(学界の長老)が「若者を育てようとしているのに、それをdiscourageするような話ばかりするな」とキレたそうだ。ここに問題が象徴されている。その長老教授は、主観的には善意で新しいプロジェクトを育てているつもりなのだ。 このプロジェクトの名前に「大航海」とついているのも皮肉である。以前の記事でも書いたように、株式会社という制度は、この大航海時代に生まれたものだ。それは、出航した船の半分以上は帰ってこない、非常にリスクの高いプロジェクトの資金を調達するため、リスクを株式という形で小口にわけ、無事に帰ってきたらもうけは株主が山分けでき