日本人に多い胃がんの主原因とされる細菌、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)。国民の約半数が感染しているとされるが、自覚症状がないため放置している人が少なくなかった。5年前から、感染検査と除菌治療について公的医療保険の適用範囲が拡大され、より効果的な除菌薬も登場して検査を受ける人が増えてきた。将来の胃がん予防のため、公費で中高生に感染検査を行う自治体も広がっている。 日本人のがん発症率で胃がんは男性で1位、女性で3位を占める(2013年)。ピロリ菌への長期感染が、慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍を引き起こし、一部は胃がんになると考えられている。 00年11月、胃カメラで潰瘍が確認できればピロリ菌感染検査と、抗生剤などを服用する除菌治療が公的医療保険の適用になった。13年2月からは慢性胃炎の場合も対象に。感染者の大半に胃炎症状が見られるため、自己負担が3割の場合、検査方法にもよるが、検査、除菌治