Holiday plans may be foiled, but the Philippines’ government claims it is saving tourists from an even worse fate: swimming in raw sewage. The country is shuttering the tropical island of Boracay for six months due to its waste treatment problem, Agence France-Presse reports. A regular feature of holiday destination lists, Boracay is known for its white sand beaches and lively nightlife, but has e
法政大学国際文化学部自然科学センターの島野智之教授らの共同研究チームは、約30年前にフランスで発見されて以来、発見記録のなかった新種のダニ「ダイダイカタツムリダニ」を沖縄で再発見した。 これまでフランスでしか生息が確認できていないダニが、なぜ日本の沖縄で発見されたのか。島野教授は「交通インフラの発達による人畜の往来などの人的な理由で沖縄に渡ってきたとは考えにくい。宿主であるカタツムリも詳しい研究が進んでいないため、なぜ遠く離れた2か所でしか生息が確認できていないかわからない」と話している。 ダイダイカタツムリダニは大きさ0.5ミリほどで、カタツムリの体表や肺の中を素早く動くが、寄生を受けたカタツムリへの影響はまだ分かっていない。「日本ではカタツムリの寄生虫の研究が遅れているので、今後その多様性を明らかにしていきたい」と同研究チームは展望を語っている。 論文情報:3月31日発行『沖縄生物学会
統合失調症には肥満の患者が多いとされるが、体形に関する遺伝子を調べると、むしろ「痩せ傾向」の遺伝子を持っている人が多いとの研究成果を、藤田保健衛生大(愛知県豊明市)などの研究グループが発表した。4日付の国際医学誌「サイコロジカル・メディシン」電子版に掲載された。肥満は生まれつきの体質でなく、薬の副作用や生活習慣などが要因である可能性が高いことを示す成果で、今後、薬や治療法の開発、生活指導などに生かせるという。 この病気は幻覚や妄想の症状が特徴的で原因は分かっていない。
気象庁は5日、宮崎、鹿児島県境の霧島連山・新燃(しんもえ)岳(1421メートル)で同日未明に3月25日以来となる爆発的噴火を観測した、と発表した。 噴煙の高さは、3月1日以降の一連の噴火で最も高い火口から5000メートルに達し、火口から南東側の宮崎県高原(たかはる)町方向に約800メートルにわたり小規模の火砕流が発生した。火砕流も3月25日以来。両県によると、人や建物の被害は確認されておらず、同庁は「ただちに避難する必要はない」としている。 発表によると、爆発的噴火は5日午前3時31分に発生し、大きな噴石が火口から南東方向に約1100メートル飛散した。同3時45分にも噴火が発生し、監視カメラの映像で噴煙の中で静電気などが原因で発生する雷の「火山雷(かざんらい)」も確認された。 同庁は、噴火警戒レベル3(入山規制)を維持。「霧島連山の地下深部にはマグマがたまっており、今後も爆発的噴火が発生す
麻布大学(神奈川県相模原市)地域社会研究室に所属する学生らは、文部科学省の私立大学研究ブランディング事業の研究活動の一環として、アメリカ合衆国ニューヨーク州とカリフォルニア州において「ペットフレンドリーなコミュニティ調査」を実施。現在、調査の分析を行っている。 今回の調査では、飼育に必要な施設として「公園」「広い空間」との回答が74%。ペット未飼育の人にとって「ペットフレンドリーなコミュニティ」のイメージは「公園」と言った回答が多かった。 回答者の半数以上が飼育年数0~3年と飼育経験が少なく、78%がペットを介した「ペット友人」がいると回答。「ペット友人」の45%が、互いに飼育の方法について話すなど、飼育知識の入手先としては「ペット友人」が32%と最も高かった。この結果から、ペットが地域社会とつながる重要な契機となっていることが分かった。 この研究の今後の展開としては、ペットフレンドリーな
体内で強い酸性の胃液が作られる仕組みを、名古屋大の阿部一啓准教授(生化学)らの研究グループが明らかにした。胃酸過多などが原因で起きる胃潰瘍(かいよう)や逆流性食道炎などの新しい治療薬の開発に役立つと期待される。5日、英科学誌ネイチャーに発表する。 胃液には強い塩酸が含まれ、胃袋に入った食べ物を分解しやすくしたり細菌の増殖を抑えたりする役割があるが、強い塩酸が作られる仕組みは謎だった。 阿部さんらの研究グループは、胃壁の細胞表面にあり、水素イオンを細胞の外へ送り出す酵素「胃プロトンポンプ」に着目。この酵素の構造を詳しく解析した結果、水素イオンが細胞の外へ押し出されやすい特殊な構造を持つことが分かった。水素イオンが胃の中で増えると、胃酸の濃度が高まるという。 阿部さんは「胃酸の分泌を抑える、より効果の高い薬の開発に向けて研究を進めたい」と話している。(西川迅)
関西学院大学、千葉大学、国立環境研究所、富山大学、琉球大学の研究グループは、アリなどの社会性昆虫では、利己的行動が社会(コロニー)全体に大きな不利益となるときほど取り締まりが厳しいとする理論予測を実証した。 これに関し2009年に提出された一般理論(Ohtsuki&Tsujiモデル)では、成長段階にあるコロニーでワーカー(働きアリ)の利己的産卵は強く相互取り締まりを受けると予測し、一方で、十分成長した社会では取り締まりはゆるみ、ワーカーによるオス生産が生じると予測。実際の生物での検証が期待されていた。 研究グループは今回、トゲオオハリアリ(沖縄本島に生息)を用いて成長および成熟段階にある社会で取り締まり行動を観察。その結果、成長段階では強い取り締まり行動が起こる一方で、成熟段階ではその強度が弱くなることがわかった。また、遺伝子解析の結果、成熟段階では働きアリ由来のオスが産まれることが判明。
パソコンで編集作業をする東京都府中市の障害者団体「Copain」の中坪勇祐さん(右)と谷田部泰成さん=同市で2018年3月28日、五十嵐英美撮影 全身の筋力が低下する難病「筋ジストロフィー」を患う人たちが4月から、東京都府中市の広報紙「広報ふちゅう」の編集業務の一部を担当する。同市の障害者団体「Copain(コパン)」が障害者の就労機会促進を図る市から、社会福祉法人を通じて委託を受けた。パソコンが得意な20~30代のメンバー5人が原稿のチェックや整理作業をする。こうした取り組みは全国でも珍しいという。【五十嵐英美】 コパンの代表を務めるのは、同市に住む中坪勇祐さん(31)。小学3年の時、筋力が低下し、車いすが必要になった。現在は人工呼吸器が欠かせない。帝京大経済学部の卒業時には総代を務め、車いすサッカーの選手としても活躍したが、就職は難しかったため「自分たちで働く場を作ろう」と考え、同じ病
首都直下地震などの大規模災害に備え、埼玉県の草加・八潮両市の病院や開業医でつくる草加八潮医師会は、両市の歯科医師会や薬剤師会と連携し、災害医療に即応できるよう「草加八潮メディカル・アソシエーション・チーム(略称SYMAT=シーマット)」の体制づくりを始めた。人口密集地での混乱や救命活動の遅れを防ぐのが狙い。医師会などが主導して災害時のチームを発足させるのは県内でも珍しい。【武田良敬】 参加するのは、同医師会(医療機関数計137)と両市の歯科医師会(同125)、薬剤師会(薬局数72)の5団体。各団体は2000年代から災害時の医療救護活動で協力する協定を両市と結び、両市の地域防災計画に基づく活動の具体化に取り組んでいる。
東北大学の石井直人教授らのグループは、理化学研究所の茂呂和世博士のグループと共同で、気管支喘息が起こる新たなメカニズムを発見した。 本研究では、GITRと呼ばれるタンパク質が、2型自然リンパ球の活性化を介して気管支喘息を引き起こすことを解明した。2型自然リンパ球は、アレルギーが起きるときに最初に活性化する免疫細胞であり、2型自然リンパ球が活性化しなければアレルギーも起こらないことが知られている。そこで、GITRタンパク質を欠損したマウスで気管支喘息を薬剤によって誘発したところ、2型自然リンパ球が活性化せず、喘息も生じなかった。さらに、GITRを阻害する物質を開発しマウスに投与したところ、薬剤による気管支喘息が誘発されなかった。 近年、免疫反応を人為的に制御することでアレルギーやがんを治そうとする治療法が注目を集めており、特に免疫細胞の一つであるT細胞が治療法開発の標的とされてきた。一方、本
主要科学誌に掲載された日本の論文数は昨年も引き続き減少傾向にあったとする分析結果を、英科学誌ネイチャーが発表した。 2017年にネイチャーや米科学誌サイエンスを含む主要68誌に載った論文数は前年比で3・7%減少。12~16年の5年間も19・6%減っており、減少に歯止めがかかっていない。 3月22日の特集号によると、68誌に載った全論文のうち、日本の論文が占める割合は12年の9・2%から、17年は8・6%に低下。順位は米中英に続く4位だった。 一方、各大学で発表された論文総数に占める主要誌掲載論文の割合をみると、国内では学習院大がトップになった。2位は東京大、4位は京都大だったが、3位には甲南大、5位には青山学院大が入り、ネイチャー誌は「(理系研究者が少ない)小規模な大学が輝いている」と指摘した。主要誌に載った論文数自体は東大、京大などが多かった。
人類は1万3000年前、現在のカナダ西海岸を歩いていた。その足跡が見つかった。 このほど科学誌「PLOS ONE」に発表された新たな論文によると、カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州キャルバート島の海岸線で、人類の足跡が29個見つかったという。 米ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューによると、カナダのハカイ研究所とビクトリア大学に所属する人類学者ダンカン・マクラーレン氏が初めて足跡を発見したのは2014年。その後の2015年と2016年の調査で、さらに多くの足跡が見つかった。(参考記事:「古代人の謎の足跡400個超、年代と成因が明らかに」) 足跡は粘土層から見つかった。それぞれの輪郭から大人2人と子供1人のものと判明、砂のように粗い土砂層と別の粘土層が重なった地形のおかげで、古代の足跡が保護されて残ったとみられる。放射性炭素による年代測定を行ったところ、1万3000年前のものだとわかった
世界初、ASD併存・非併存の「注意欠如多動症」の病体可視化に成功 自治医科大学など 大学ジャーナルオンライン編集部 自治医科大学などの共同研究グループは、小児神経発達症であるADHD(注意欠如多動症)に、ASD(自閉症スペクトラム症)が併存している場合と併存していない場合の病態の違いを治療薬内服前後の脳機能変化パターンの違いから可視化した。研究結果は『Neuropsychiatry』(IF 4.77)に掲載された。 今後、今回の研究結果を基に、ADHDへの脳機能研究および、臨床応用に向けた取り組みが期待される。 今回の研究成果は、自治医科大学小児科(池田尚広助教、門田行史准教授、長嶋雅子講師、山形崇倫主任教授ら)、中央大学理工学部(徳田竜也研究員、檀一平太教授)、国際医療福祉大学小児科、国際医療福祉リハビリテーションセンター、獨協医科大学子どものこころ診療センター、中央大学文学部、日本女子
早起きの学生アスリートほど、睡眠障害があるとの研究結果を、筑波大などのチームが国際睡眠医学専門誌に発表した。20歳前後は体内時計が夜型になっている人が多く、無理な早起きが睡眠障害につながっている可能性があり、練習時間の工夫も必要だという。 チームは2016年、同大など5大学の体育学部生で運動部に所属する906人(平均年齢19.1歳)に睡眠の状態を聞き、起床や就寝時刻など生活習慣との関係を調べた。 その結果、夜間によく眠れなかったり、日中に極度に眠くなったりするなど、睡眠障害と見られる学生は421人(46.5%)いた。午前8時台以降に起床する学生と比べ、午前5時台以前の人のリスクは5.5倍、同6時台で3倍、同7時台で1.8倍だった。
Photograph by Alexey Sorpov, National Geographic Your Shot 今まさに、崖から飛び込もうとしている男性。クリミア半島の西岸にあるオレネフカの町で毎年開催されている「エクストリーム・クリミア・スポーツ・フェスティバル」での一コマだ。 この写真はナショナル ジオグラフィック協会の写真コミュニティ「Your Shot(英語サイト)」に投稿されたものです。
淋菌(Neisseria gonorrhoeae)のクローズアップ写真。(PHOTOGRAPH BY LESTER V. BERGMAN, CORBIS VIA GETTY IMAGES) 1人の英国人男性が、史上最悪級の「スーパー淋病」に感染した。英国の公衆衛生局によると、一般的な抗生物質では治療できない淋病が発見されたのは、これが初めてだ。 患者男性の氏名は公表されていないが、昨年、東南アジアで女性と性的な接触を持った際に感染したとみられる。その1カ月後に性病の症状が現れたため、2018年初めに英国の公共医療機関を受診したという。 保健当局は淋病に効く抗生物質のアジスロマイシンとセフトリアキソンを使って男性を治療しようとしたが、効果がなかった。そこで現在、エルタペネムでの治療を試みている。結腸や直腸の外科手術後の感染症を予防するために用いられる抗生物質だ。効果があるように見えるため、男
(1)分類 トンボ目 トンボ科 ベッコウトンボ 学名 Libellula angelina 絶滅危惧ⅠA類 (環境省第4次レッドリスト) (2)分布及び個体数 日本、中国、朝鮮半島に生息。 国内では静岡県、山口県及び九州(福岡県、熊本県、大分県、鹿児島県)に分布している。 個体数不明 2.形態的特徴及び生物学的特性 成虫の体長は約38mm。羽を広げた大きさは7cm程度。 4枚の翅にはそれぞれ明瞭な褐色斑(成虫オス:黒褐色、メス:暗褐色)。 1年1世代で成虫は3月下旬から5月に発生。 3.生息を脅かす要因 人間活動の盛んな平地の池沼に生息するため、埋立て、護岸工事、廃棄物の投棄、水位の急激な増減等の影響を受けやすい。 アメリカザリガニやオオクチバス、ヌートリアなどの外来生物による捕食圧も懸念される。 4.保護増殖事業の概要及びその効果 平成6年国内希少野生動植物種に指定、平成8年保護増殖事
静岡県磐田市の桶ヶ谷沼で、環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されているベッコウトンボの羽化が確認された。 4月末ごろまで続く見込み。 ベッコウトンボは、成虫の羽や体が鼈甲(べっこう)のような褐色をしている。レッドリストでは、近い将来、野生での絶滅の危険性が極めて高いとされている。 同市環境課によると、3月29日午前8時20分頃、ベッコウトンボなどの保護を目指すNPO「岩井里山の会」の加藤佐登志会長が、沼の北側にある保護用のいけすの中で、羽化している2匹を発見した。 29日と5月3日には、桶ヶ谷沼周辺でベッコウトンボの調査会が開催される。参加無料で、小学生以下は保護者の同伴が必要。申し込みはそれぞれ前日までに、桶ヶ谷沼ビジターセンター(0538・39・3022)まで。
米国モンタナ州ヘルクリークで、非常に保存状態の良い恐竜化石が見つかった。発掘した米カンザス大学の研究者らは、ティラノサウルス・レックス(以下、Tレックス)の子どもの化石と考えている。 「探し始めてすぐに、学生が複数の骨の断片を見つけました」と、同大学の古生物学者デビッド・バーナム氏は言う。ヘルクリークではよくあることだ。「このあたりで化石が見つかった場所をすべて地図に描き込んだら、地図は真っ黒になってしまうでしょう」 この地域ではさまざまな年代の化石が発見されており、Tレックスの化石も初めてではないが、これほど完全な状態のものはあまりないだろうと同大学の科学者は考えている。上顎全体が、しかも歯がすべて揃った状態で見つかったからだ。さらに頭骨や足、腰、脊椎の一部も見つかった。(参考記事:「T・レックスのメニュー拝見、ときには共食いも」) これが実際にTレックスの骨だとすると、年代は6600万
大阪国際がんセンター頭頸部外科のカンファレンス。歯科の石橋美樹副部長(左から3人目)も議論に参加する=大阪市中央区で 口とがん治療。ピンとこないかもしれないが、近年の調査研究で、口腔(こうくう)ケアとがんを含めた全身の健康には密接な関係があることが分かってきている。だが病気になると、歯や口のことは二の次になりがちだ。医療や介護の現場での取り組みを、2回に分けて報告する。 術後の合併症予防などに効果 「ランマークって書いてありますけど、歯科は通してますか?」。大阪国際がんセンター(大阪市)で週1回、主に口やのどのがんを扱う頭頸(とうけい)部外科の治療方針を話し合うカンファレンスで、歯科の石橋美樹副部長が担当医に尋ねた。 「ランマーク」は、骨に転移したがんの進行を防ぐための薬剤だ。これを投与した後に抜歯をすると、あごの骨が腐る危険がある。投与前に歯の状態をチェックし、必要なら先に抜歯しておくの
インド、コルカタにある「マーティン・ルーサー・キング通り」。インドが生んだマハトマ・ガンジーが「私たちの非暴力による社会変革運動の手本となった」と、キング牧師は語った。(PHOTOGRAPH BY IAN TEH) 変形菌 美しくも不思議な生き物 活火山の火口で「悪魔の金」を掘る男たち 写真20点 今から50年前の1968年4月4日、米国公民権運動の指導者マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師が暗殺された。 ドイツのマインツ市議会が、市内にある道路にキング牧師の名をつけることを決めたのはそれから3週間後。わずか数日での決定だった。キング牧師の故郷である米国アトランタでは、同じことをしようとして8年もかかっている。暗殺の舞台となったテネシー州メンフィスにもキング牧師の名を冠した道があるが、改名されたのは死後40年以上経ってからのことである。 ドイツのシュベリーンには、アンネ・フランク通り
捕食者であるドブネズミのオスの涙に含まれる性フェロモンを、被食者であるハツカネズミが感知できることが最新の研究で明らかになった。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK) ドブネズミ(Rattus novegicus)が種内のコミュニケーションに使うフェロモンを、ハツカネズミ(Mus musculus)が「盗聴」できることが、最新の研究で実証された。 東京大学の東原和成氏らの研究チームが、オスのドブネズミの涙に含まれるタンパク質を特定。このタンパク質が、ドブネズミには性フェロモンとして、ハツカネズミには警戒シグナルとして作用するという。研究成果は3月29日付けの学術誌「カレントバイオロジー」に発表された。(参考記事:「マウスのオスは涙を武器にメスと交尾」) オスのドブネズミは自分の体をグルーミングすることによって、
Photograph by Bernhard Michaelis, National Geographic Your Shot 米国アリゾナ州、リトルコロラド川のグランド・フォールズの上に、夕暮れの空が広がる。「砂漠に降る夏の雨が、この景色をもたらしてくれるんです」と、Your Shotメンバーの撮影者、ベルンハルト・ミハエリス氏は説明する。「泥で濁った水が流れ落ちる様子から、この滝には“チョコレートの滝”という別名もあるんですよ」 この写真はナショナル ジオグラフィック協会の写真コミュニティ「Your Shot(英語サイト)」に投稿されたものです。
このデータが、地獄谷のニホンザルが温泉に入る行動の持つ機能(体を温かく保つこと)を明らかにするために役立つことを期待しています。サルが温泉を楽しむ写真は魅力的ですが、野猿公苑を訪れる人々は、この行動がサルにとって利益となるのは、温かいシーズンではなく、冬のみであることを理解する必要があります。今後さらに唾液を使った解析により、温泉に出たり入ったりする際の急激な温度変化がホルモンの変化にどのような作用をもっているかを明らかにし、ヒトとサルの体温調整のメカニズムの比較にもつなげたいと考えています。(Takeshita研究員) 長年、野生動物のセルフメディケーション(薬草利用)と健康管理を研究してきた立場から、今回の成果は、ストレス解消による新たな健康管理行動の可能性を示唆するものと考えています。今後、他の野生動物を対象に、この様な非侵襲的手法を用いた研究を行うことによって、動物がどの様に自分の
温泉に入る習慣がある野生のニホンザルは、春よりも冬に長い時間、入浴する傾向があり、温泉に入ることでストレスが解消されている可能性があるとする研究結果を、京都大学のグループが発表しました。 その結果、春よりも冬に、長い時間、温泉に入る傾向が確認されたということです。 また、冬の時期にふんを採取して、ストレスを感じているときに多く含まれる「グルココルチコイド」というホルモンの濃度を調べたところ、入浴する様子が観察された週は、観察されなかった週と比べて、濃度が平均でおよそ20%低くなっていたということです。研究グループは、温泉に入ることでストレスが解消されている可能性があるとしています。 タケシタ研究員は「入浴がサルの健康や繁殖にも影響することが考えられ、今後、入浴前後の体調の変化などについても詳しく調べたい」と話しています。
ニホンザルは冬場の温泉でストレスを解消している――。 京都大霊長類研究所(愛知県犬山市)の研究員らのチームが3日、そんな研究成果を発表した。公益財団法人「日本モンキーセンター」(同)の国際学術誌(電子版)に論文が掲載された。 チームは、サル専用の温泉がある長野県山ノ内町の地獄谷野猿公苑で2014年4~6月(春季)と10~12月(冬季)、メスザル12頭のフンを採取し、ストレスの強さを表すとされるホルモン「コルチゾール」の濃度を調べた。 集計値を平均したところ、冬季は温泉に入浴した時の方が入浴しなかった時よりもホルモン濃度が約2割低かった。一方、春季はほとんど変わらなかった。 冬季はニホンザルが発情、交尾する時期だが、ストレスは寒さで高くなるとされる。チームのラファエラ・タケシタ研究員は「温泉でストレスを和らげ、繁殖や生存の可能性を高めているのではないか」と話している。
岐阜市長良の畑で見つかり、「長良隕石(いんせき)」として国際隕石学会に登録された鉄隕石の発見場所付近で、過去にも似たような石が見つかっていたことがわかった。 岐阜聖徳学園大学(岐阜市)などは、長良隕石と同時期に落下した鉄隕石の可能性が高いとみて調べる。 同大の川上紳一教授によると、石は同市の男性が約10年前、長良隕石が発見された畑近くの空き地で草刈り中に発見した。資材置き場に放置していたが、長良隕石発見の報道などで石の存在を思い出し、先月下旬、長良隕石を展示中の市科学館に情報提供。石は、川上教授の研究室に持ち込まれた。 石は重さ約9・7キロで、黒光りし、茶色いさびがあるなど特徴が長良隕石と酷似。同大は今後、東大や国立極地研究所などと連携して化学分析を行い、長良隕石のデータと比較する。データが一致すれば、長良隕石2号になるという。 川上教授は「99%の確率で鉄隕石だと思う。二つ目が見つかると
青く輝く幻想的な炎 鉱山作業員たちは毎日、暗闇の中で2.7キロの険しい山道を登り、さらにそこから火口の内部に向かって900メートルの斜面を下る。そこにずらりと並んだ陶製パイプが、ガスを集めて硫黄を凝結させている。 有毒な煙霧と熱気に包まれながら、作業員は硬い硫黄の塊から破片を削り取り、70〜90キロ分を担ぐと、今度はさっき降りてきた火口の斜面を登っていく。彼らはこれを1日に2回繰り返す。収入は1回につき平均5ドル(約530円)だ。 午前2時、作業員の第一陣が山を登り始める頃には、すでに数百人の観光客が、イジェン山の斜面を歩き回っている。彼らの目当ては、夜にしか見られない有名な青い炎だ。そのおかげで、直径約800メートルのターコイズ色をした火山湖は、暗闇の中で不気味な光を放つように見える。この世界最大の酸性湖は、見た目の美しさに反して、金属を溶かすほど腐食性が高い。(参考記事:「火山の青い炎
肉親や恋人など大切な人との別れにまつわる思い出の品を世界中から集めているクロアチアの「別れの博物館」の巡回展示が、東京・千代田区のギャラリーで開かれています。 日本で初めての巡回展示が東京・千代田区にあるギャラリーで開かれていて、博物館の収蔵品と日本で募集した品物合わせておよそ70点が別れのエピソードとともに展示されています。 アメリカから寄せられたカエルの置物に添えられたエピソードには、「私が3歳のときに母さんはいなくなった。母さんからもらった数少ないクリスマスプレゼントの一つです」と記されています。 今回、日本での募集に寄せられたカセットテープは、20年前、恋人の男性が事故で亡くなる直前にいつもの待ち合わせ場所の新宿駅で受け取ったといい、「新宿駅でもう彼を探さないよう博物館に託します」と切ない心情がつづられています。 博物館の創設者の1人、オリンカ・ブラシュティツァさんは「文化やことば
廃炉作業が進む福島第一原子力発電所の現状を知ってもらおうと東京電力は、廃炉の現場を疑似体験できる映像を、ホームページに公開しました。 このうちメルトダウンした3号機の原子炉建屋付近の映像では、水素爆発の生々しい傷痕が映っています。 また事故対応の拠点となった免震重要棟は、当時吉田昌郎所長が、実際に指揮を執ったときと同じ円卓が映っています。 そのほか2号機や3号機と構造が同じで、大きな被害を免れた5号機の内部や汚染水を処理した水をためておくタンク群も見ることができます。 映像では、それぞれの場所での放射線量も表示されています。 東京電力は、より多くの人に廃炉の現場を知ってもらいたいとしていて、今後も作業の進展に合わせて映像を更新していきたいとしています。
専門家による解説も交え脳の不思議を徹底分析!何気なくとっていた行動にも理由が!?さまざまな脳の不思議を分析する「脳トリック」を観て脳を刺激しよう! あなたの思考や記憶、動作や感情の全ては、約1300グラムのぬるぬるした小さな塊に支配されている。だが、慌てないでほしい。その塊はあなたの脳にすぎない。あなたの脳は世界を理解する手助けをしてくれる、信じられないほど強力で効率的なスーパーコンピューターだ。今こそ、そのコンピューターに尋ねてみよう。「ゲームに挑戦してみないか」と。 本シリーズでは、あなたの脳と同じくらい複雑な都市ニューヨークの街頭で行う実験をはじめ、自宅でできる双方向ゲームを通じて、脳の仕組みを探究する。認知科学や神経科学、あるいは心理学といった分野における、世界屈指の専門家の協力を得て、ジェイソン・シルバがあなたの曲がりくねった脳の案内役を務める。そして専門家たちにより、“驚き”の
第1のタイプは「過覚醒型」である。夜中にいったん苦しい不眠を経験すると不安や緊張が高まり、眠気以上に目覚め感が強まって、寝つきが悪くなる(入眠困難)、夜間に目覚める(中途覚醒)などの不眠症状がどんどん重症化する例がこれに当たる。震災などの急激なストレス後の不眠も典型的な「過覚醒型」である。切り替えベタ、心配性で気に病む性格の人がかかりやすい。 第2のタイプは「睡眠恒常性異常型」。疲労すると睡眠の必要性が高まることを睡眠恒常性と呼ぶが、その異常が生じる。典型例が高齢者の不眠症である。年齢とともに必要睡眠時間が短くなり70代にもなれば正味(脳波上は)6時間程度しか眠れなくなる。これ自体は自然な変化であって、異常ではない。ところがリタイヤ世代では寝床で横になる時間は逆に延びてしまう。例えば21時過ぎから朝まで9時間も寝床にいれば、中途覚醒や早い時刻に目覚めて二度寝ができない早朝覚醒が増えるのは避
このコラムでは何度も登場している不眠症。80種類以上ある睡眠障害の中でも最も患者さんが多く、日本では成人の6〜10%が罹患していて、その半数以上は病院で処方された睡眠薬を服用している。いずれの先進国でもほぼ同様の調査結果が出ていて、社会の高齢化とともに不眠症は徐々に増加傾向にある。つまり不眠症は糖尿病や高血圧などと同様に代表的な「ありふれた病気(common disease)」の1つである。 ありふれているだけに不眠症の社会的影響は大きい。短期的には眠気や疲労感によって生活の質が低下し、中長期的にはうつ病や生活習慣病、認知症など多くの病気のリスクを高める。医療経済学の分野でも不眠症は産業事故や生産性の低下、医療費増大など社会的コストを押し上げる要因の1つとして注目されている。 最近、この不眠症を2つに分けようと提案している研究者たちがいる。それぞれ病気の辿る経過や結末(予後)も異なり、治療
深海には、数百年生きる生物がいる。(PHOTOGRAPH BY REINHARD DIRSCHERL, ALAMY) もしあなたがベニサンゴだったら、死ぬまでにやってみたい夢を全てかなえる時間は十分にあるだろう。ただし、ベニサンゴにできることは大きく限られているのだが。 500年生きるベニサンゴをはじめ、一部の海洋生物は驚くほど長生きする。それに比べたら、人間の寿命などあっという間だ。なぜそんなに長生きなのか。このほど学術誌「英国王立協会紀要B」に掲載された論文が、長寿の秘密に迫った。 深海生物は長生き 論文の筆頭著者でスペイン、バルセロナ大学の博士候補生イグナシ・モンテロ・セラ氏は、研究仲間とともに過去の研究記録を掘り起こし、世界中に生息する200種以上の生物の推定寿命を調べた。すると、サンゴ、海藻、海綿、ウミトサカなどの動かない生物、つまり付着生物が、深い海にすむほど長寿である傾向が明
イズリントン区全域に設置された監視カメラからの映像が、制御室のモニターに映し出される。PHOTOGRAPH BY TOBY SMITH 英国ロンドン北部のイズリントン区、2台の小型バイクがショッピング街を猛スピードで走り抜けていく。行き交う車の列を縫い、2階建てバスを追い越し、混雑した通りで前輪を浮かせて走るウィリー走行までやってのけた。 数分後、2台のバイクは閑静な住宅街へ入っていくと、男たちはエンジンを切った。ヘルメットをかぶったまま、長々と話し込んでいる。会話の中身は男たちにしかわからないが、彼らにもわからないことがある。そこから2キロと離れていないビルの中で、別の二人の男が自分たちの行動に目を光らせていることだ。 どこに行っても見られている 「やつら、移動するぞ」。サルがエリックに言った。二人がいるのは、イズリントン区の各所に設置されたカメラの映像が送られてくる監視システムの制御室
スコットランドのスカイ島で、新たに恐竜の足跡50個が見つかった。その多くが竜脚類と呼ばれる首の長い恐竜のものだ。(PHOTOGRAPH BY STEVE BRUSATTE, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE ) 今から1億6000万年以上前、後に英国となる土地に点在する潟湖の周りを、竜脚類と呼ばれる首の長い恐竜が歩き回っていた。その恐竜たちの足跡が、英スコットランド、スカイ島の激しい波が打ち寄せる海岸で大量に見つかった。(参考記事:「スコットランドの海岸に恐竜の足跡を大量発見」) スカイ島の岩の多い海辺に立って眺めると、恐竜の巨大な足跡はまるで潮だまりのようだ。ただしよく観察すれば、そこに恐竜の足の輪郭を見て取れる。 「この足跡は長年の間、ありふれた風景の中に隠れていました」と、米国の南カリフォルニア大学の古生物学者、マイケル・ハビブ氏は言う。「これを見ると、竜脚類
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