衝突を繰り返すモデル もともとは経験則だったオームの法則は,やがて自然界のミクロの構造が明らかになるにつれて,理論的に導かれるようになった. オームの法則が成り立つからには,物質内部ではこういうことが起きているのではないか,と類推し,計算しやすいような単純なモデルを仮定する.もしそれで納得が行く計算結果が出て,それが問題ない限りは,そのモデルのイメージが概ね正しいのだろうということになる.だから,必ずしもこれから話すイメージと全く同じことが物質中で起きているとは限らないことに注意しよう. 導線の金属中に自由電子が密度で満遍なく存在しているとする.導線の断面積はで,電子の平均速度がだとすると,1 秒間にだけの体積の中の電子が,ある断面を通過することになる.その個数はである.その全ての電荷量はである.これがすなわち電流である. さて,電子は導線金属内に存在する電場によって加速されて,おおよそ秒
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