金利がきわめて低い状態に陥ると債券よりも流動性のある貨幣を保有する傾向が高まり、中央銀行が金融緩和を行って通貨供給を増やしても、新たな融資や投資に資金が回らず、利子を生まない銀行預金が増えるだけで景気が回復しないこと。 J.M.ケインズの流動性選好理論において,人々が将来利子率が上昇するという弱気の期待をもつとき,貨幣量の増加がなんら利子率の下落をもたらさなくなるような状態。現在債券の利子率がある正の値をとっていても,将来利子率が上昇すると利子収入は資本損失によって消し去られてしまうことが起こりうる。たとえば毎期1ポンドの確定利子が支払われる無期限国債コンソルの市場価格は市場利子率の逆数に等しい。したがって市場利子率が4%のときには無期限国債の価格は25ポンドするが,5%に上昇するとその価格は20ポンドに下落する。すなわち,わずかばかりの利子収入に比べて市場利子率の変動に伴う資本価値の変動