5年も前のことだが、ある大手企業のCIOが「NTTデータあたりに頑張ってもらわなければ困る」と話すのを聞いたことがある。その企業は「超」が付くほどのグローバル企業で、CIOの発言はグローバルパートナーとなり得るITベンダーが日本に存在しないことへの危機感の吐露だった。それが今や、NTTデータが米国の“ミニNTTデータ”を買収することを決めるなど、ITベンダーの海外展開が熱を帯びてきた。そうなると天邪鬼な私は、国内IT産業の空洞化を心配してしまうのだが・・・。 NTTデータが買収するキーンは、売上高が約654億円で従業員が1万2500人 とそれなりの事業規模を持つ。しかもITサービス業をなりわいとしており、事業構造がNTTデータと似通っているのだそうだ。だからNTTデータにとっては、これまでの小粒の海外ベンダーの買収とは質的に違う。明らかに、海外市場の開拓に本気モードになったと言ってよい。
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