宇宙航空研究開発機構(JAXA)は13日、フィリピン政府から軌道投入を請け負った超小型衛星を公開した。4月ごろに国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」から放出する。北海道大や東北大が提唱するアジア各国の超小型衛星による地上観測網の第一歩になる。 衛星はフィリピン初の人工衛星「DIWATA(ディワタ)―1」で、筑波宇宙センター(茨城県つくば市)で引き渡し式をした。縦横55センチ、奥行き35センチ、重さ約50キロの地球観測衛星で、気象災害の監視や農林水産業に利用される。フィリピン人の留学生も参加し、北大や東北大で開発された。費用は2017年に投入する2号機と合わせて総額8億円で、大型衛星の100分の1程度という。今回の衛星に合わせ、きぼうから軌道に投入する能力を50キロ級の衛星に対応できるよう増強する。 北大の高橋幸弘教授によると、50機の超小型衛星を打ち上げることで地球上をくま
宇宙から地中の石油やレアアース(希土類)などの鉱物資源を探査できる高精度センサー「ハイパースペクトルセンサー」を実用化するため、政府は2018年度にも国際宇宙ステーション(ISS)で実証実験を始める。 将来は人工衛星に搭載して油田や鉱脈を調査し、資源権益の獲得につなげる。 地上にある物質は、地表に降り注ぐ太陽光を反射して可視光線や目に見えない赤外線などを出している。物質ごとに反射する光の波長や「反射率」には特徴があり、それらを解析することにより、まずは地上にどのような岩石が表れているかが把握できる。さらに、岩石の分布状況を分析すると、地中に埋まっている鉱物資源を推定できるという仕組みだ。 日米は1999年から共同開発したセンサーを人工衛星に搭載し、資源探査に活用している。しかし、精度が十分でなく、「見逃している鉱床がたくさんある」(経済産業省)という。耐用年数を10年以上過ぎ、部品の故障な
文部科学省は2016年度、自然災害時に地形の変化などを宇宙から広い地域で観測する「先進レーダー衛星」の開発に着手する。 同じ役割を持つ現在の地球観測衛星「だいち2号」の後継機で、より高性能のレーダーを搭載する計画だ。 新衛星は、20年度に新しい国産大型ロケット「H3」の初号機で打ち上げる予定だ。16年度当初予算案に開発費1億円を盛り込んだ。 新衛星は、だいち2号と同じくレーダーを使い、夜間にも地表の撮影ができ、雲や雨に邪魔されずに観測できる。新衛星は、地表にある3メートルの大きさの物を見分けられる精度で、幅100~200キロ・メートルにわたる地形を一度に観測する性能を目指す。 だいち2号の観測幅は現在50キロ・メートルで、新衛星が実現すれば約4倍の性能になる。開発は宇宙航空研究開発機構( JAXA ( ジャクサ ) )が担う。総事業費は約320億円が見込まれている。
昨年の御嶽山(長野、岐阜県境)噴火以降、各地の火山活動に関心が集まる。現在は上昇してくるマグマの動きや山体の変形を地震計や傾斜計でとらえて噴火予測につなげているが、近年、人工衛星やドローンなどを使った新手法へ向けた研究が進んでいる。【久野華代】 今年8月、桜島(鹿児島県)で急激な山体の膨張と火山性地震の増加を観測し、噴火警戒レベルが4に引き上げられた。すぐに噴火するかと思われたが、1カ月を置かずにレベル3に引き下げられた。この決め手になったのが人工衛星「だいち2号」に搭載した合成開口レーダーのデータだ。アンテナからマイクロ波を地表に送り、跳ね返った電波を捉えて地表の形状を画像化できる。同じ場所を2度、観測して比較した結果、地殻変動が収まっていることが分かった。 地殻変動は火口付近に設置した傾斜計やGPS(全地球測位システム)観測装置などでとらえるが、すべての火山に十分な数の観測機器が整備さ
【リマ時事】環境省は4日(日本時間同)、国立環境研究所などと共同開発した温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」を使って、世界の大都市などで人間の活動に基づく濃度の高い二酸化炭素(CO2)の観測に成功したと発表した。データの蓄積が進めば、各地のCO2排出量が正確に把握できる可能性があると期待している。 いぶきは、2009年に打ち上げられた世界初の温室ガス観測専用の衛星。今回、大都市などとその周辺地域のCO2濃度の差を解析することで、人間の活動に起因するCO2の排出量を算出した。その結果、09年6月〜12年12月の3年半に十分な観測データが得られた地域のうち、7カ所でCO2濃度が特に高いことが分かった。
観測や予報の精度の向上につながると期待されている次世代の気象衛星「ひまわり8号」を載せたH2Aロケット25号機が、7日午後2時16分に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられました。 補助ロケットや1段目などを切り離して上昇したあと、打ち上げからおよそ28分後に「ひまわり8号」を高度およそ260キロで軌道に投入し、打ち上げは成功しました。
H2Aロケット25号機が7日午後、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。約30分後に搭載していた静止気象衛星「ひまわり8号」を予定の軌道に投入し、打ち上げは成功した。H2Aの成功は19回連続で、成功率は96%となった。 H2Aはカウントダウンが「0」になると、白い煙をはき出しながら上昇し始めた。爆音が一瞬遅れて届く。そして、まばゆい光を放ちながら機体を回転させて方向を変え、東に向かって大空を駆け上がった。 約1分50秒で補助ロケットを分離。さらに第1段、第2段ロケットを切り離しながら加速し、太平洋上の約260キロ上空でひまわり8号を予定の軌道に投入した。 気象庁によると、ひまわり8号… こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続
観測や予報の精度の向上につながると期待されている次世代の気象衛星「ひまわり8号」を載せたH2Aロケット25号機は7日午後2時16分に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられました。 このあと、補助ロケットや1段目などを切り離して上昇を続け、打ち上げからおよそ28分後に「ひまわり8号」を高度およそ260キロで軌道に投入する予定です。
衛星「だいち」、観測不能に=電池や機器、寿命尽きる−津波被害を撮影・宇宙機構 衛星「だいち」、観測不能に=電池や機器、寿命尽きる−津波被害を撮影・宇宙機構 宇宙航空研究開発機構は22日、地球観測衛星「だいち」の電力がゼロになり、搭載観測機器が使用不可能になったと発表した。目標の5年を経過し、太陽電池や電力機器の寿命が尽きたのが原因で復旧は不可能という。 宇宙機構によると、22日午前6時41分、だいちの発生電力が急低下し、機能維持のため消費電力を抑える軽負荷モードに入った。電力はその後も低下し、午後4時ごろゼロになった。宇宙機構は、だいちの電波送信装置に電源を入れるなどの復旧対策を進めたが、電波は不安定という。予備バッテリーも、ほぼ切れた状態だ。 だいちは高度約700キロを周回するが、制御不能になったため、今後は徐々に高度を下げる。大気圏に突入するのは10年以上先という。 だいちは、世
2011年3月11日14時46分頃、東北地方の太平洋沖で国内観測史上最大となるマグニチュード9.0と推定される地震が起こりました。宮城県栗原市で震度7、仙台市で震度6強、東京都で震度5強が観測されるなど、広範囲で強い揺れが観測されました。また、同日15時15分頃に茨城県沖でマグニチュード7.4の地震が発生するなど、余震も相次いで起こっています。この地震の影響で発生した津波は、震源に近い東北地方の太平洋側では最大で10メートル以上の高さに達したと見られ、沿岸地域に甚大な被害を与えています。 宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、2011年3月12日に引き続き3月14日10時11分頃(日本時間)に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)*1により、現地の緊急観測を実施しました。本日の観測は、ほぼ全域に渡り雲のあまりない画像が撮れました。 図1:
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く