がんや難病などと闘う子供とその家族のための療養生活支援施設「こどもホスピス(仮称)」が、令和3年に神奈川県内で初めてオープンする。長期間の在宅療養などを余儀なくされている子供の成長を支え、24時間ケアをする親の看護負担の軽減を促し、大切な時間を家族で楽しく過ごしてもらうことが目的だ。約22年前に悪性脳腫瘍で次女を亡くし、施設の設立に向けた活動を続けてきたNPO法人の代表理事、田川尚登(ひさと)さん(62)は「やっと夢がかなう。子と親の苦労や心の痛みを和らげる場を提供したい」と話す。 「お泊まりに連れて行ってほしい」。それが次女=当時(6)=の最後の望みとなった。 平成10年1月。その願いをかなえようと、顔がパンパンにむくんだ次女を連れ、家族で千葉県へ旅行に行った。時間が許す限り家族との思い出を作り、次女の喜ぶ顔が見たかった。 ■たった「半年」 「頭が痛い」。旅行からの帰り道、次女は訴えた。