安い牛肉もせんべろもある。後は賃金さえ上がれば…… HANNIBAL HANSCHKEーREUTERS <昔、「高っ!」と驚かれた日本の物価は今や「安っ!」と世界から驚かれている。「暮らしの付加価値」も保たれていてすごいが、もちろん、手放しでは喜べない> 1993年。僕が初めて太平洋を渡ったとき、日本は物価が高い国として世界中に知られていた。 直前の不動産バブルでは「東京の山手線内の土地の合計地価でアメリカ全土の土地が買える」という、少し失礼な試算も有名だった。「銀座の地面に新聞を広げたら、その面積の地価がアイダホ州の一軒家の平均価格より高い」と聞いたときは確かに驚いた。アイダホの草原に人が住んでいるとは! 物価の高いイメージもあったが、お金にあふれているイメージもあった。竹やぶを散歩すればだいたい札束が見つかるということは、日本のニュースを見て分かったので、僕は移住することにした。 それ
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