昨年2017年10月1日、カタルーニャで独立住民投票が実施され、2010年から続いているカタルーニャ危機は新たな展開を見せた。その日のニュースはスペイン中央政府の反対にもかかわらず投票する住民、また、投票所を制圧し、投票箱と投票用紙を接収する警察の映像で世界中の多くの視聴者を驚かせ、そしてそれ以降にも、プッチダモン前州首相のベルギー脱出、自治政府幹部や独立派の活動家の拘束、中央政府によるカタルーニャ州自治権の停止、州議会での独立宣言の可決など、相次ぐ重大な出来事が欧州内外で大きな波紋を呼んできた。 スペイン国内では、こうした事態に対してもっとも懸念を抱いた地域はおそらくバスク地方であった。バスクは、カタルーニャと同様に固有の言語と民族アイデンティティを持ち、スペインの自治州体制の中で高度な自治権を有し、また、19世紀に遡る独立運動を生み出している。 さて、バスク社会はカタルーニャ危機に対し