ナノメートル(ナノは10億分の1)サイズのシリコン(ケイ素)粒子をわずか1層塗るだけで、角度を変えても色が変わらず安定して見える「構造色インキ」を開発したと、神戸大学の研究グループが発表した。色素を使わず、粒子の微細な構造や大きさで色を表現。従来の塗料よりはるかに少量で塗装でき、退色しにくい。毒性の高い化合物や重金属を使わない利点もあり、実用化が期待される。 シリコンナノ粒子を1層だけガラス板にすくい取ったもの。構造色の仕組みにより、多彩な色を表現できた。見る角度を問わず安定し、インキとして活用できそうだ(神戸大学提供) 色は、さまざまな波長の集合体である光が、色素などの物体を構成する原子や分子に当たり、一部の波長は吸収される一方、残りが反射したり透過したりし、それを人間が目で感じ取るもの。構造色の場合は色素でなく、物体の微細な構造により、特定の波長の光を強く反射、透過する。自然界ではタマ
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