× 国立環境研究所について 国立環境研究所(国環研)は幅広い環境研究に学際的かつ総合的に取り組む我が国唯一の公的な研究所です。
水生昆虫の研究者で内科医でもある西原昇吾は、金沢大学医学部在学中から過去20年以上にわたり、ゲンゴロウ類などの調査のため、北陸地方の地域に存在する小規模な農業用ため池での現地調査を行ってきました。その一環で2022年10月に石川県内の一つのため池*1を訪れた際、ムジナモと思われる水草を発見し、西廣淳と共同で現地調査を行いました。また標本を志賀隆に送り、詳細な形態観察と遺伝解析を行いました。その結果、生育していた植物は間違いなくムジナモであること、発見されたため池には推定9,560個体が生育していることがわかりました。 ムジナモ*2は浮遊性(地面に固着せず水に浮いて生育する)の食虫植物で、世界ではアフリカ、オーストラリア、ユーラシア、そして日本での分布が知られています。ムジナモの分布域は広いものの減少が著しく、世界全体で50か所程度でしか生育していないとされ、IUCN(国際自然保護連合)によ
みなさんは、コイといえば何を思い浮かべるでしょうか。5月の空にはためく鯉のぼり、庭園の池を泳ぐ錦鯉、また「あらい」や「こいこく」などの郷土料理を思い起こす人もいるかもしれません。徒然草の第118段には「鯉ばかりこそ、御前にても切らるるものなれば、やんごとなき魚なり」とあり、古くは格式の高い食材でした。また、応挙や若冲など伝統的な絵画の中にもよく登場します。日本人にとってコイは文化的にも付き合いが古く、最も身近な魚といっていいでしょう。しかし、ここ15年ほどのDNA解析をきっかけに、日本のコイに対する科学的な見方は大きく変わりました。日本の生物多様性を守るという観点から、守るべき在来コイと、これに悪影響を及ぼす可能性の高い外来コイの存在が明らかになったのです。本稿では、このような結論に至った私のこれまでの研究とその背景を紹介し、現在行っている調査についても触れたいと思います。 コイが盛んに放
侵入生物研究チーム 国立研究開発法人 国立環境研究所 生物多様性領域 生態リスク評価・対策研究室 室長 五箇 公一 〒305-8506 茨城県つくば市小野川16-2 invasive (at) nies.go.jp (※迷惑メール防止のため,@を (at) にしてあります)
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