ティル・トゥーバの戦い浮彫(全幅546cm。⼤英博物館蔵。CC BY-SA 2.0 by Carole Raddato from FRANKFURT, Germany) 高校世界史の教科書には必ず登場し、『旧約聖書』にも描かれる古代の超大国アッシリア。そのはじまりから滅亡までを描いた『アッシリア全史 都市国家から世界帝国までの1400年』著者の小林登志子さんに、その魅力と特徴を聞きました。 ――そもそも「アッシリア」とは何でしょうか。 小林:古代のメソポタミア北部の地名であり、国名でもあります。「アッシリア」はギリシア語読みで、当時は「アッシュル」と言いました。 現在のイラク北部が中心になり、一部シリアも入ります。「シリア」という国名は、そもそも「アッシリア」に由来するのです。 ――アッシリアの遺跡を現在の私たちが訪ねることはできますか? 小林:アッシュルは現在のイラク北部・ニネヴェ市の近
