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ブックマーク / www.chuko.co.jp (168)

  • 『アッシリア全史』/⼩林登志⼦インタビュー

    ティル・トゥーバの戦い浮彫(全幅546cm。⼤英博物館蔵。CC BY-SA 2.0 by Carole Raddato from FRANKFURT, Germany) 高校世界史の教科書には必ず登場し、『旧約聖書』にも描かれる古代の超大国アッシリア。そのはじまりから滅亡までを描いた『アッシリア全史 都市国家から世界帝国までの1400年』著者の小林登志子さんに、その魅力と特徴を聞きました。 ――そもそも「アッシリア」とは何でしょうか。 小林:古代のメソポタミア北部の地名であり、国名でもあります。「アッシリア」はギリシア語読みで、当時は「アッシュル」と言いました。 現在のイラク北部が中心になり、一部シリアも入ります。「シリア」という国名は、そもそも「アッシリア」に由来するのです。 ――アッシリアの遺跡を現在の私たちが訪ねることはできますか? 小林:アッシュルは現在のイラク北部・ニネヴェ市の近

    『アッシリア全史』/⼩林登志⼦インタビュー
  • 『ユダヤ人の歴史』/鶴見太郎インタビュー

    ニューヨークのヤンキースタジアムに息子と訪れるも、律法(トーラー)の書をイニングの合間に読むことを忘れない正統派ユダヤ人(著者撮影) ユダヤ教を信仰する民族、ユダヤ人。学問・芸術に長けた知力、富のネットワーク、ホロコーストに至る迫害、アラブ人への弾圧――。五大陸を流浪した集団は、なぜ世界に影響を与え続けているのでしょうか。書は、古代文明からイスラーム帝国下の繁栄、迫害が現れた近代、激動の現代まで、3000年のユダヤ史を雄大なスケールで描きました。『ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで』を著した鶴見太郎さんに、執筆の背景を伺いました。 ――鶴見先生のご専門は、ロシア東欧のユダヤ史です。そもそも、ユダヤ人に関心をもったきっかけは何でしょうか。 鶴見: 学部1年のときに2000年の第2次インティファーダが始まり、ちょうど今のようにパレスチナ問題(イスラエル・パレスチ

    『ユダヤ人の歴史』/鶴見太郎インタビュー
  • 神道とは何か 増補版 神と仏の日本史 -伊藤聡 著|中公新書|中央公論新社

    神道とは何か 増補版神と仏の日史 伊藤聡 著 日〈固有〉の民族宗教といわれる神道はどのように生まれ、その思想はいかに形成されたか。明治維新による神仏分離・廃仏毀釈以前、日は千年以上にわたる神仏習合の時代だった。書は両部・伊勢神道を生みだした中世を中心に、古代から近世にいたる過程を丹念にたどる。近代の再編以前の神をめぐる信仰と、仏教などとの交流から浮かび上がる新しい神道の姿とは。補論「神道と天皇」を収録し、新たに補注を加えた増補版。 序 章 「神道」の近代第一章 神と仏1 日の神2 神と仏との出会い3 神仏習合の発生4 地垂迹説の形成第二章 中世神道の展開1 中世神道説の濫觴2 中世神道説の形成と展開3 鎌倉仏教と中世神道4 神観念の中世的変容第三章 新しき神々1 人神信仰と御霊信仰2 人神信仰の展開3 渡来神と習合神4 女神信仰の展開第四章 国土観と神話1 国土観の変遷2 中世

    神道とは何か 増補版 神と仏の日本史 -伊藤聡 著|中公新書|中央公論新社
  • アファーマティブ・アクション 平等への切り札か、逆差別か -南川文里 著|中公新書|中央公論新社

    アファーマティブ・アクション平等への切り札か、逆差別か 南川文里 著 「積極的差別是正措置」と訳されるアファーマティブ・アクション。入試や雇用・昇進に際して人種やジェンダーに配慮する取り組みだ。1960年代、公民権運動後のアメリカで構造的な人種差別解消のため導入されたが、「逆差別」「優遇措置」との批判が高まる。21世紀には多様性の推進策として復権するも、連邦最高裁は2023年に違憲判決を下した――。その役割は終わったのか。アメリカの試行錯誤の歴史をたどり考える。 書誌データ 初版刊行日2024/7/22 判型新書判 ページ数256ページ 定価968円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-102811-2 書店の在庫を確認 ❑紀伊國屋書店 ❑丸善&ジュンク堂書店 ❑旭屋書店  ❑有隣堂  ❑TSUTAYA  ❑くまざわ書店

    アファーマティブ・アクション 平等への切り札か、逆差別か -南川文里 著|中公新書|中央公論新社
  • 『皇室典範―明治の起草の攻防から現代の皇位継承問題まで』 はじめに

    伊藤博文の主導で制定された明治の皇室典範。女帝・女系容認の可能性もあったが、皇位継承資格は「男系の男子」限定で、退位の規定もない。その骨格は戦後の皇室典範でも維持された。皇族男子の誕生は極めて稀で、皇族数の減少も続き、制度的矛盾が顕在化して久しい。小泉内閣時代に改正の検討が始まるも、進展はいまだ見えない。格的議論の再開に向けて、皇室制度の専門家が論点を整理し、法改正への道筋を探る。 『皇室典範―明治の起草の攻防から現代の皇位継承問題まで』の 「はじめに」を公開します。 2001年12月、成婚9年目にして、皇太子夫(現在の天皇、皇后)に待望の第一子、愛子内親王が誕生した。ついで06年9月には、秋篠宮家に悠仁親王が誕生。皇位継承資格を有する皇族男子の誕生は、秋篠宮文仁親王以来41年ぶりのことであった。1990年代頃から、日でも少子化に伴う人口減少が表面化し、皇室でもまた皇族の減少が顕著と

    『皇室典範―明治の起草の攻防から現代の皇位継承問題まで』 はじめに
  • 『続・日本軍兵士―帝国陸海軍の現実』 はじめに

    先の大戦で230万人の軍人・軍属を喪った日。死者の6割は戦闘ではなく戦病死による。この大量死の背景には、無理ある軍拡、「正面装備」以外の軽視、下位兵士に犠牲を強いる構造、兵士の生活・衣住の無視があった。進まない機械化、パンをめぐる精神論、先進的と言われた海軍の住環境無視……日中戦争の拡大とともに限界が露呈していく。書は帝国陸海軍の歴史を追い、兵士たちの体験を通し日軍の質を描く。 『続・日軍兵士―帝国陸海軍の現実』の 「はじめに」を公開します。 1937(昭和12)年7月の日中戦争の勃発から、アジア・太平洋戦争の敗戦までに、約230万人の日軍兵士が戦争で死んだ。その多くは戦闘による死ではなく、病気による死(戦病死)だった。これまでの戦争ではみられなかった大量の海没死(船舶の沈没による死)や、特攻死(特攻攻撃による死)などの異形の死も、この時期、特にアジア・太平洋戦争期の特徴だ

    『続・日本軍兵士―帝国陸海軍の現実』 はじめに
  • リズムの哲学ノート -山崎正和 著|単行本|中央公論新社

    リズムの哲学ノート 山崎正和 著 文明一般から自然現象におよぶ森羅万象に遍在するリズム。リズムの構造を根柢に据えることによって、古代以来、哲学を苦しめてきた病弊「一元論的二項対立」の克服をめざす、積年の思索の集大成にして、真の知的冒険の書。 書誌データ 初版刊行日2018/3/22 判型四六判 ページ数272ページ 定価2420円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-005066-4 書店の在庫を確認 ❑紀伊國屋書店 ❑丸善&ジュンク堂書店 ❑旭屋書店  ❑有隣堂  ❑TSUTAYA  ❑くまざわ書店

    リズムの哲学ノート -山崎正和 著|単行本|中央公論新社
  • 日本政治学史 丸山眞男からジェンダー論、実験政治学まで -酒井大輔 著|中公新書|中央公論新社

    政治学史丸山眞男からジェンダー論、実験政治学まで 酒井大輔 著 「科学としての政治学」は、どのような道程をたどったのか――。書は、戦後に学会を創り、行動論やマルクス主義の成果を摂取した政治学が、先進国化する日でいかに変貌してきたのかを描く。丸山眞男、升味準之輔、京極純一、レヴァイアサン・グループ、佐藤誠三郎、佐々木毅などの業績に光を当て、さらにジェンダー研究、実験政治学といった新たに生まれた潮流も追う。欧米とは異なる軌跡を照らし、その見取り図を示す。 まえがき――科学としての政治学の百年序 章 書の方法第1章 民主化を調べる――占領から逆コースまで1 蠟山政道グループの選挙調査 2 岡義武グループの政治過程分析 第2章 英雄時代――講和独立から高度成長期へ1 石田雄の圧力団体論 2 升味準之輔の一九五五年体制論 3 京極純一の政治意識分析 第3章 近代政治学の低迷と挑戦者――豊か

    日本政治学史 丸山眞男からジェンダー論、実験政治学まで -酒井大輔 著|中公新書|中央公論新社
  • 太平記 鎮魂と救済の史書 -松尾剛次 著|電子書籍|中央公論新社

    太平記鎮魂と救済の史書 松尾剛次 著 足利尊氏や新田義貞、楠木正成ら名だたる部将が活躍する『太平記』。しかしこの名高い戦記物がめざしたのは、英雄譚と言うよりも、南北朝動乱を生きた、名もなき人々への鎮魂と救済ではなかったか。怨霊の跋扈する、不条理にも見える物語世界が内包する『太平記』の精神とは。また、登場人物たちの体現する儒教的道義論や因果応報論が担ったものとは何なのか。単なる戦記物の枠を超えた『太平記』の世界への招待。 書誌データ 配信開始日2013/7/15 判型中公eブックス 希望小売価格748円(10%税込)

    太平記 鎮魂と救済の史書 -松尾剛次 著|電子書籍|中央公論新社
  • 田中小実昌哲学小説集成 Ⅱ -田中小実昌 著|単行本|中央公論新社

    田中小実昌哲学小説集成 Ⅱ 田中小実昌 著 著者晩年の代表的シリーズとなった「哲学小説」を初集成(全三巻)。第二巻は『なやまない』『ないものの存在』。巻末に対談を付す。 書誌データ 初版刊行日2025/1/22 判型四六判 ページ数384ページ 定価3960円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-005880-6 書店の在庫を確認 ❑紀伊國屋書店 ❑丸善&ジュンク堂書店 ❑旭屋書店  ❑有隣堂  ❑TSUTAYA  ❑くまざわ書店

    田中小実昌哲学小説集成 Ⅱ -田中小実昌 著|単行本|中央公論新社
  • 田中小実昌哲学小説集成 Ⅰ -田中小実昌 著|単行本|中央公論新社

    田中小実昌哲学小説集成 Ⅰ 田中小実昌 著 著者晩年の代表的シリーズとなった「哲学小説」を初集成(全三巻)。第一巻は『カント節』『モナドは窓がない』。巻末に対談を付す。 書誌データ 初版刊行日2025/1/22 判型四六判 ページ数384ページ 定価3960円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-005879-0 書店の在庫を確認 ❑紀伊國屋書店 ❑丸善&ジュンク堂書店 ❑旭屋書店  ❑有隣堂  ❑TSUTAYA  ❑くまざわ書店

    田中小実昌哲学小説集成 Ⅰ -田中小実昌 著|単行本|中央公論新社
  • 『レコンキスタ―「スペイン」を生んだ中世800年の戦争と平和』/黒田祐我インタビュー

    アンダルシーア地方のエル・プエルト・デ・サンタ・マリアにて【左:著者/右:ホセ・ルイス・ヒメネス・ガルシア氏(王立ヘレス科学・芸術・文学アカデミー)】 高校世界史で習う「レコンキスタ」。言葉はなんとなく覚えているけれども、その中身はあやふや……。そんなレコンキスタに正面切って取り組んだ新書が『レコンキスタ―「スペイン」を生んだ中世800年の戦争と平和』です。著者の黒田祐我さんにお話をお聞きしました。 ――最初にお尋ねしますが、「レコンキスタ」とはどういうものですか。手元の古い『世界史用語集』(山川出版社、1985)には「国土回復運動」として 「キリスト教徒によるイベリア半島からのイスラム勢力駆逐運動」 「キリスト教徒によるイベリア半島からのイスラム勢力の駆逐運動。はじめは北部山岳地帯を拠点とし、10世紀頃から各地にキリスト教の小王国・公国が自立し、対イスラム戦を通じて、次第に統合の方向をた

    『レコンキスタ―「スペイン」を生んだ中世800年の戦争と平和』/黒田祐我インタビュー
    funaki_naoto
    funaki_naoto 2025/01/09
    「歴史の事項の積み重ねのなかで、我々を取り巻く言葉も、概念も、食べ物も、衣服やファッションも、ありとあらゆるものが形作られてきたのです。そして我々もそのうち歴史の一部になります」
  • 『日本政治学史』 まえがき

    「科学としての政治学」は、どのような道み程をたどったのか――。書は、戦後に学会を創り、行動論やマルクス主義の成果を摂取した政治学が、先進国化する日でいかに変貌してきたのかを描く。丸山眞男、升味準之輔、京極純一、レヴァイアサン・グループ、佐藤誠三郎、佐々木毅などの業績に光を当て、さらにジェンダー研究、実験政治学といった新たに生まれた潮流も追う。欧米とは異なる軌跡を照らし、その見取り図を示す。 『日政治学史 丸山眞男からジェンダー論、実験政治学まで』の 「まえがき」を公開します。 まえがき――科学としての政治学の百年 ひと頃まで、日政治学の歴史は、その語、ら、れ、な、さ、が嘆かれてきた。日で最も引用された政治学者の丸山眞男(1914~96)は、1980年秋の晴れた日、1400人の聴衆で満員となった早稲田大学大隈講堂で登壇し、こう発言している。 私の感想としては、近代日について広い

    『日本政治学史』 まえがき
  • 『日本の果物はすごい』/竹下大学インタビュー

    きょうはどんな果物をべましたか? 品種名はなんでしたか? おいしかったですか? どんな味でしたか? 気候の変化に富む日では、さまざまな果物が作られています。その歴史、人々との関わりを知れば、果物の選び方、味わい方がもっとドラマチックになるはずです。 『日の果物はすごい 戦国から現代、世を動かした魅惑の味わい』を執筆した竹下大学さんに、どこが、どんなふうにすごいのかも含めてお尋ねしました。 ――まず、前著『日の品種はすごい』と書の違いをお教えください。また、書の特長についても教えてください。 竹下:どちらも農作物にまつわる一般にはほとんど知られていない情報を、歴史物語としてまとめたという点では、「取り上げる植物を変えただけかな」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。 ただ、著者としては続編という意識はまったくありません。 『日の品種はすごい』は植物育種という世界を知ってほし

    『日本の果物はすごい』/竹下大学インタビュー
  • 茶の世界史 改版 緑茶の文化と紅茶の社会 -角山栄 著|新書|中央公論新社

    茶の世界史 改版緑茶の文化と紅茶の社会 角山栄 著 一六世紀に日を訪れたヨーロッパ人は茶の湯の文化に深い憧憬を抱いた。茶に魅せられ茶を求めることから、ヨーロッパの近代史は始まる。なかでもイギリスは独特の紅茶文化を創りあげ、茶と綿布を促進剤として伸長した資主義は、やがて東洋の門戸を叩く。突如世界市場に放り出された日の輸出品「茶」は、商品としてはもはや敗勢明らかだった。読者がいま手に茶碗をお持ちなら、その中身は世界史を動かしたのである。 書誌データ 初版刊行日2017/11/21 判型新書判 ページ数256ページ 定価946円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-180596-6 書店の在庫を確認 ❑紀伊國屋書店 ❑丸善&ジュンク堂書店 ❑旭屋書店  ❑有隣堂  ❑TSUTAYA  ❑くまざわ書店

    茶の世界史 改版 緑茶の文化と紅茶の社会 -角山栄 著|新書|中央公論新社
  • 写文集 我が愛する詩人の伝記 -室生犀星 文/濱谷浩 写真|単行本|中央公論新社

    写文集我が愛する詩人の伝記 室生犀星 文/濱谷浩 写真 白秋の柳川、朔太郎の前橋、犀星の金沢……親しき友人たちを詩人が追慕し、ゆかりの地を写真家が訪ね歩く。写真集『詩のふるさと』と併せた、ありし日の日の詩情を捉えた写文集。 書誌データ 初版刊行日2021/12/9 判型A5判 ページ数288ページ 定価3850円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-005482-2 書店の在庫を確認 ❑紀伊國屋書店 ❑丸善&ジュンク堂書店 ❑旭屋書店  ❑有隣堂  ❑TSUTAYA  ❑くまざわ書店

    写文集 我が愛する詩人の伝記 -室生犀星 文/濱谷浩 写真|単行本|中央公論新社
  • 台湾漫遊鉄道のふたり -楊双子 著/三浦裕子 訳|単行本|中央公論新社

    台湾漫遊鉄道のふたり 楊双子 著/三浦裕子 訳 炒米粉、魯肉飯、冬瓜茶……あなたとなら何十杯でも――。結婚から逃げる日人作家・千鶴子は、台湾人通訳・千鶴と“心の傷”を連れ、1938年、台湾縦貫鉄道の旅に出る。台湾グルメ×女たち×鉄道小説! 書誌データ 初版刊行日2023/4/20 判型四六判 ページ数300ページ 定価2200円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-005652-9 書店の在庫を確認 ❑紀伊國屋書店 ❑丸善&ジュンク堂書店 ❑旭屋書店  ❑有隣堂  ❑TSUTAYA  ❑くまざわ書店

    台湾漫遊鉄道のふたり -楊双子 著/三浦裕子 訳|単行本|中央公論新社
  • 『アメリカ黒人の歴史 増補版』/上杉忍インタビュー

    南部農村アラバマ州ラウンズ郡で長期のインタビューをした黒人のうちの一人、小作農組合指導者レモン・ジョンソン氏(1982年11月、著者撮影) 比較的新しい時代に力点を置く通史として好評を博し、ロングセラーとなった『アメリカ黒人の歴史』旧版(2013年3月刊)。11年を経てのアップデート版は、2010年代に勃興し、20年にヒートアップしたブラック・ライヴズ・マター(BLM)運動を概観する新章を収録する。執筆の経緯と、黒人社会の近年の状況について、著者の上杉忍さんに話を聞いた。 ――そもそもアメリカ黒人史に関心を持ったきっかけは? 米軍占領下だった時代、アメリカ兵(白人)が日人女性を連れてわがもの顔に闊歩している姿を見て、小学生だった私はひどく嫌な気分になったことを覚えています。それとは対照的にうつむき加減に歩いている黒人兵の姿に衝撃を受けました。この人たちはひどい差別を受けていると聞いていた

    『アメリカ黒人の歴史 増補版』/上杉忍インタビュー
  • 『ジェンダー格差』/牧野百恵インタビュー

    『ジェンダー格差 実証経済学は何を語るか』 (2023年8月刊)は、近年特に注目を浴びる、歴史文化・社会的に作られる男女の差異=ジェンダー格差について、実証経済学の研究の成果から問うたものだ。世界での数多くの研究を紹介しつつ、その知見・成果を通して、格差による影響、解消後の可能性について描いている。 刊行後、『朝日新聞』『日経新聞』『東洋経済』などの書評で大きく取り上げられた。また、発売直後に男女間格差を研究するクラウディア・ゴールディン(ハーバード大学教授)がノーベル経済学賞を受賞。書でもゴールディンの研究を紹介しているが、こうした研究に時代の風が吹いている。 このは版を重ね、このたび2024年度のサントリー学芸賞(政治・経済部門)を受賞し、学術的にも高く評価された。 今回あらためて著者・牧野百恵さんに、このについて、またこれまで歩んできた道についてうかがった。 ――刊行後の反響

    『ジェンダー格差』/牧野百恵インタビュー
  • 『日本列島はすごい』/伊藤孝インタビュー

    1万4千の島々が連なる日列島は、いつ誕生し、どのような歴史を刻んできたのでしょうか。書は、時空を超えて島国の成り立ちと形を一望し、水、火、塩、森、鉄、黄金が織りなした日列島史を読み直しました。語り口はやさしく、幅広い読者の支持を得て、版を重ねています。『日列島はすごい 水・森林・黄金を生んだ大地』を著した伊藤孝さんに、執筆の背景を伺いました。 ――伊藤先生が、「じゃじゃ馬」「暴れ馬」と呼んで、日列島を表現したことが印象的でした。日列島の特徴を教えてくださいますか。 伊藤:忙しい日常生活、ほんの少しでも心に余裕がもてるとき、お茶でも飲みながら、ぜひ世界地図や地球儀をゆっくりと眺めていただきたいです。海底地形も表現されているものだと理想的です。なければ、Google Earthでもかまいません。当に驚きなんですが、日列島のようなところは、他にどこにもないんです。そもそも現在の地

    『日本列島はすごい』/伊藤孝インタビュー