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ブックマーク / www.chuko.co.jp (145)

  • 『加耶/任那―古代朝鮮に倭の拠点はあったか』 まえがき

    加か耶や/任みま那なは3~6世紀に存在した朝鮮半島南部の小国群を指す。『日書紀』は任那と記し、「任那日府」の記述などから長く倭の拠点と認識されてきた。だが戦後、強く疑義が呈される。歴史教科書の記述は修正が続き、呼称も韓国における加耶へと変わる。他方で近年、半島南部で倭独自の前方後円墳の発掘が相次ぎ、倭人勢力説が台頭する。書は、古代東アジア史の大きな争点である同地域の実態を実証研究から明らかにする。 『加耶/任那―古代朝鮮に倭の拠点はあったか』の 「まえがき」を公開します。 加か耶やとは、3世紀から6世紀にかけて、朝鮮半島南部にある洛東江ナクトンガン(大テ邱グ、釜プ山サンを通り朝鮮海峡に流れる)の流域に存在した十数ヵ国の小国群を示す名称である。 しかし、加耶と表記し「カヤ」と読むことは、近年では歴史教科書でそう記されているとはいえ、日ではなじみが薄い。加耶は6世紀後半に百済くだらと新

    『加耶/任那―古代朝鮮に倭の拠点はあったか』 まえがき
  • 加耶/任那―古代朝鮮に倭の拠点はあったか -仁藤敦史 著|中公新書|中央公論新社

    加耶/任那―古代朝鮮に倭の拠点はあったか 仁藤敦史 著 加耶/任那は3~6世紀に存在した朝鮮半島南部の小国群を指す。『日書紀』は任那と記し、「任那日府」の記述などから長く倭の拠点と認識されてきた。だが戦後、強く疑義が呈される。歴史教科書の記述は修正が続き、呼称も韓国における加耶へと変わる。他方で近年、半島南部で倭独自の前方後円墳の発掘が相次ぎ、倭人勢力説が台頭する。書は、古代東アジア史の大きな争点である同地域の実態を実証研究から明らかにする。 まえがき序 章 加耶/任那研究の歩み1 日中韓史料のなかの古代東アジア2 通説までの道程――150年に及ぶ研究の軌跡3 広開土王碑と百済三書――史料批判による精緻化第1章 檀君神話から金官・大加耶へ1 「古朝鮮」の虚実――檀君、箕子・衛氏朝鮮時代2 三韓時代へ――朝鮮四郡と馬韓・辰韓・弁韓3 いにしえの辰国―― 三韓以前の半島南部4 二大国の建

    加耶/任那―古代朝鮮に倭の拠点はあったか -仁藤敦史 著|中公新書|中央公論新社
  • 『吾妻鏡―鎌倉幕府「正史」の虚実』/藪本勝治インタビュー

    鎌倉幕府の歩みが綴られた文献、『吾鏡』。幕府の公式記録という認識が根強かったが、史実の錯誤や改変も少なくないという。近年の研究も踏まえて検証すると、いったい何が見えてくるのか。『吾鏡―鎌倉幕府「正史」の虚実』を著した藪勝治さんに話を聞いた。 ――まずうかがうのですが、藪さんのご専門は? 藪:日中世文学です。特に『平家物語』や『義経記』など、合戦を描く歴史叙述について研究してきました。博士論文を書いてからも、中高一貫校で国語を教えながら研究を続けています。 ――『平家物語』や『義経記』ですか。では『吾鏡』に関心を持ったきっかけは? 藪:卒業論文で『平家物語』に取り組んでいるとき、『吾鏡』に記された源平合戦の記事と比較する機会がありました。鎌倉幕府の歴史を記録した史料、という前提で読んだのですが、その記述が『平家物語』によく似ていて驚いたのです。同じ事実を記すにしてもいろいろ

    『吾妻鏡―鎌倉幕府「正史」の虚実』/藪本勝治インタビュー
  • 『日本の果物はすごい』 はじめに

    歴史を語るのに果物は欠かせない。なぜ柿は平安時代から生活用品だったのか。徳川家康はなぜ関ヶ原の戦い直前に柿と桃に願をかけたのか。ペリー来航の際、アメリカと対等に渡り合おうと日が振る舞った料理に添えられた果物とは何か。太平洋戦争中、軍需物資として密かに大量生産されたのはどんなブドウだったか。日社会・経済発展の知られざる裏側を「果物×歴史」で多種多様に読み解く、「もうひとつの日史」。 『日の果物はすごい 戦国から現代、世を動かした魅惑の味わい』(竹下大学著)の「はじめに」を公開します。 □ ■ □ ■ □ ■ □ はじめに 「果物が日を動かしてきたなんて、そんなわけない!」と思うのは自然な感覚だ。 べ物は一国の運命をも左右する存在である。たとえば、「主」にあたる作物はその国の歴史にいとも簡単に影響を及ぼす。小麦が穫れる穀倉地帯をめぐっては、いつの世も争いが生まれてきた。古く

    『日本の果物はすごい』 はじめに
  • 『アメリカ黒人の歴史 増補版』 増補にあたって

    黒人たちはアメリカ社会の底辺にいるとされてきた。だが20世紀後半、徐々に社会的地位を高め、中産階級の仲間入りをする者も現れる。文化や芸能、スポーツなどの分野での活躍は目覚ましく、政財界に進出した例も少なくない。書は、アメリカ独立以前から南北戦争、公民権運動を経て現代まで、差別に直面しながらも境遇改善の努力を積み重ねた彼らの歩みを辿る。2010年代に勃興したBLM運動を概観する新章を収録。 『アメリカ黒人の歴史 増補版 奴隷貿易からオバマ大統領、BLM運動まで』の 「増補にあたって」を公開します。 書の旧版が出版されたのは、バラク・オバマ大統領が再選され、第2期が始まったばかりの2013年3月のことだった。初当選した2008年の選挙では、黒人の投票率は64パーセントを記録し、それは1965年投票権法成立以後で最高だった。2期目を目指しての選挙では、投票率はさらに上がり、66パーセントに達

    『アメリカ黒人の歴史 増補版』 増補にあたって
  • 『レコンキスタ―「スペイン」を生んだ中世800年の戦争と平和』 はじめに

    8世紀の初め、ジブラルタル海峡を渡ってイベリア半島、さらにフランスまでを席巻したイスラーム勢力。その後はキリスト教徒側が少しずつ押し戻し、1492年のグラナダ陥落でイスラーム勢力を駆逐した。この800年に及ぶ「聖戦」はレコンキスタの一語でまとめられてきた。だが、どちらの勢力も一枚岩ではなく、戦争と平和、寛容と不寛容、融和と軋轢が交錯していた。レコンキスタの全貌を明かす、初の通史。 『レコンキスタ―「スペイン」を生んだ中世800年の戦争と平和』(黒田祐我著)の「はじめに」を公開します。 スペインは、ヨーロッパにあるが、アフリカでもある。西洋でありながら、東洋(オリエンタル)的な要素も併せ持つ。なぜスペインではこのように他のヨーロッパ諸国とは異なるエキゾチックな文化が育まれたのであろうか。書は、その答えを求めて、中世の歴史を探訪していく。 ところで、サッカーの試合などで目にする機会も多いスペ

    『レコンキスタ―「スペイン」を生んだ中世800年の戦争と平和』 はじめに
  • 『元朝秘史―チンギス・カンの一級史料』/白石典之インタビュー

    チンギス・カンの生涯と事績を中心に、はるかなる祖先の系譜から第2代君主オゴデイの治世までを綴った『元朝秘史』。モンゴル帝国の草創期はこの史書なくしては語れない。長年にわたる文献史学の蓄積に加え、モンゴル民主化以降に継続された考古学的調査から、いったい何が見えてきたのか。『元朝秘史―チンギス・カンの一級史料』を著した白石典之さんに話を聞いた。 ――白石さんのご専門は。 白石:モンゴル高原を研究対象とするモンゴル考古学です。モンゴルの遺跡を発掘して得られた成果に基づき、匈奴(きょうど)、突厥(とっけつ)、モンゴル帝国といった遊牧王朝の興亡史を研究しています。 ――チンギス・カンに関心を持ったきっかけは何ですか。 白石:バブル経済が絶頂だった1980年代末、作家の司馬遼太郎さんらモンゴルに興味をもつ著名人たちが、チンギス・カンの墓を探そうという壮大な計画を発案しました。彼の墓所は見つかっておらず

    『元朝秘史―チンギス・カンの一級史料』/白石典之インタビュー
  • 『サンスクリット入門』/赤松明彦インタビュー

    世界の思想・宗教に大きな影響を与え続けているインド思想。それを記述する大事なことばがサンスクリットです。じつはこのことばは日語の語彙にもたくさん流入していますし、50音図もそもそもサンスクリットに由来します。この「永遠・不変の言語」について『サンスクリット入門――インドの思想を育んだ「完全な言語」』を刊行した赤松明彦先生にお話を伺いました。 ――そもそもサンスクリットとはどういうことばでしょうか? お墓の卒塔婆とかに書いてあるのもサンスクリットですか? 赤松:そうですね。「そもそも」と言われると答えるのが難しくなるのですが、まず言えるのは、サンスクリットは古代のインドで使われていたことばだということです。そして、私たちはこのことばで残された数多くの文献をもっています。ヒンドゥー教や仏教の聖典、詩や演劇の文学作品、さまざまな哲学の典籍、法典や医学文献、天文学や数学の理論書、音楽理論や美学理

    『サンスクリット入門』/赤松明彦インタビュー
  • 写真論――距離・他者・歴史 -港千尋 著|全集・その他|中央公論新社

    写真論――距離・他者・歴史 港千尋 著 光で像を刻む! ニエプスによる実験成功から二〇〇年、常時接続されたカメラが見つめる日常は、刻一刻と「写真化」している。撮られる世界のほうが、撮る人間のことをよく知っている画像の世紀に、撮るべきものはまだ残っているだろうか。コロナウイルスの世界的流行が問う〈距離〉、再考を迫られる〈他者〉との関係、不透明な未来を前に〈歴史〉の鏡を探りつつ、その始まりから最先端までを、社会のなかに深堀りする写真論の挑戦。 書誌データ 初版刊行日2022/1/7 判型四六判 ページ数272ページ 定価2090円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-110123-5 書店の在庫を確認 ❑紀伊國屋書店 ❑丸善&ジュンク堂書店 ❑旭屋書店  ❑有隣堂  ❑TSUTAYA  ❑くまざわ書店

    写真論――距離・他者・歴史 -港千尋 著|全集・その他|中央公論新社
  • 親孝行の日本史 道徳と政治の1400年 -勝又基 著|新書|中央公論新社

    親孝行の日史道徳と政治の1400年 勝又基 著 孝とは、親を大切にすることで、儒教の基的徳目だ。律令で孝行者の表彰が定められ、七一四年に最古の例が見られる。以来、孝子は為政者から顕彰され、人々の尊敬を集めた。特に江戸時代は表彰が盛んに行われ、多くの孝子伝が編まれた。明治に入り教育の中心に据えられるが、戦後、軍国主義に結びついたとして否定された。それは常に支配者の押しつけだったか。豊富な資料で「孝」を辿り、日人の家族観や道徳観に迫る。 書誌データ 初版刊行日2021/11/18 判型新書判 ページ数256ページ 定価946円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-102671-2 書店の在庫を確認 ❑紀伊國屋書店 ❑丸善&ジュンク堂書店 ❑旭屋書店  ❑有隣堂  ❑TSUTAYA  ❑くまざわ書店

    親孝行の日本史 道徳と政治の1400年 -勝又基 著|新書|中央公論新社
  • 『椿井文書―日本最大級の偽文書』/馬部隆弘インタビュー

    古今東西、偽文書は作られつづけてきました。偽文書と知らずに受け入れたり、あるいは知っているにもかかわらず利用したりしてきました。偽文書はどうやって作られ、広まり、影響を与えてきたのでしょうか。『椿井文書―日最大級の偽文書』を刊行した馬部隆弘さんに、偽文書研究について伺いました。 ――書は「椿井文書」ということばがメインタイトルになっていますが、そもそも椿井文書とはなんでしょうか。 馬部:現在の京都府木津川市山城町椿井を出自とする椿井政隆が偽作した古文書類を椿井文書(つばいもんじょ)と呼んでいます。実際には江戸時代後期に作成されているのですが、中世のものという体裁をとっています。巧みにつくられているため、近畿地方一円に正しい古文書として広まっていました。 ――はじめて「椿井文書」をご覧になったときは、どんな感じでしたか。 馬部:大阪府の枚方市教育委員会に非常勤職員として勤務しているときに

    『椿井文書―日本最大級の偽文書』/馬部隆弘インタビュー
  • 広東語の世界|特設ページ|中央公論新社

    こちらのページでは、書の中にある会話の例文を音声で聞くことができます! ぜひ音声でも広東語に触れてみてください! 男女の会話 A:広東語ってどこで話されてるか知ってる? B:もちろん。香港、マカオ、それに広東省でしょ? A:ほかに海外の華人社会にもたくさん話し手がいるよ。アメリカ、カナダでは伝統的に広東語が中国語の代表だからね。 B:広東語が中国語方言として別格なのはやっぱり香港の影響が大きいね。 A:うん。返還してもうじき30年になるけど、今でもオフィシャルな場で広東語を使うからね。でも、どうしてここまで活力があるのか、日人には不思議みたいだよ。 B:どう説明したらいいかな。 A:最近、「広東語の世界」っていうが出たんだ。広東語のことがまるごとわかってお薦めだよ。 B:面白そう! ぜひ買って読んでみようっと。

    広東語の世界|特設ページ|中央公論新社
  • 広東語の世界 香港、華南が育んだグローバル中国語 -飯田真紀 著|新書|中央公論新社

    広東語の世界香港、華南が育んだグローバル中国語 飯田真紀 著 香港人の母語にして華南の共通語である広東語。東南アジア、欧米の華人社会も含め世界で8000万人が話す「中国語」だ。なぜ海外でかくも優勢なのか。北京語とはどう違うのか。謎を解く鍵は日語にもある。ヤムチャ、チャーシュー、キョンシー、モウマンタイ、ブルース・リー。書では映画を手がかりに、文法・会話、香港社会、華人移民、漢字、十大方言を一望し、広東語の世界を探訪。中国語とは何かを問い直す。 書誌データ 初版刊行日2024/6/19 判型新書判 ページ数264ページ 定価990円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-102808-2 書店の在庫を確認 ❑紀伊國屋書店 ❑丸善&ジュンク堂書店 ❑旭屋書店  ❑有隣堂  ❑TSUTAYA  ❑くまざわ書店

    広東語の世界 香港、華南が育んだグローバル中国語 -飯田真紀 著|新書|中央公論新社
  • 日本の小説の翻訳にまつわる特異な問題 文化の架橋者たちがみた「あいだ」 -片岡真伊 著|全集・その他|中央公論新社

    小説の翻訳にまつわる特異な問題文化の架橋者たちがみた「あいだ」 片岡真伊 著 日文学は「どうしても翻訳できない言葉」で書かれてきた、と大江健三郎は言う。事実、谷崎も川端も三島も、英訳時に改変され、省略され、時に誤読もされてきた。なぜそのまま翻訳することができないのか。どのような経緯で改変され、その結果、刊行された作品はどう受け止められたのか。一九五〇~七〇年代の作家、翻訳者、編集者の異文化間の葛藤の根源を、米クノップフ社のアーカイヴ資料等をつぶさに検証し、初めて明らかにする。 書誌データ 初版刊行日2024/2/9 判型四六判 ページ数432ページ 定価2750円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-110148-8 書店の在庫を確認 ❑紀伊國屋書店 ❑丸善&ジュンク堂書店 ❑旭屋書店  ❑有隣堂  ❑TSUTAYA  ❑くまざわ書店

    日本の小説の翻訳にまつわる特異な問題 文化の架橋者たちがみた「あいだ」 -片岡真伊 著|全集・その他|中央公論新社
  • 『神聖ローマ帝国』/山本文彦インタビュー

    チェコの首都プラハに所在し、かつてはベーメン王や神聖ローマ皇帝の居城だったプラハ城。 皇帝カール4世(在位1347~78年)の時代、ほぼ現在の姿となった。16世紀前半からハプスブルク家の支配下におかれ、三十年戦争(1618~48年)の発端となった窓外放擲事件の舞台である 現在のドイツの源流となった神聖ローマ帝国。その領域は広大で、歴史はゆうに800年を超える。だが、世界史の授業で名前は出てきたものの、詳しく教わった記憶はない、という人も多いのではないだろうか。そうした捉えにくい「大国」について、『神聖ローマ帝国 「弱体なる大国」の実像』を著した山文彦さんに話を聞いた。 ――山さんのご専門は。 山:14世紀から18世紀の神聖ローマ帝国の国制史です。 国制史というのは、ドイツ史特有な表現だと思います。ドイツ語のVerfassungsgeschichteを「国制史」と訳すのですが、Verf

    『神聖ローマ帝国』/山本文彦インタビュー
  • 『御成敗式目』/佐藤雄基インタビュー

    最初の武家法として名高い御成敗式目。鎌倉幕府の基法とも言われるが、それは当か。どのように生まれ、何が定められ、なぜ広く知られるようになったのか――。『御成敗式目 鎌倉武士の法と生活』を著した佐藤雄基さんに話を聞いた。 ――まずうかがうのですが、佐藤さんのご専門は? 佐藤:日中世史です。中世といっても、平安時代の後半(11・12世紀)から戦国時代(16世紀)まで長いのですが、特に平安~鎌倉時代(11~14世紀)を専門としています。 この時代の法制史や古文書学を主な研究テーマにしています。法制史とは「法の歴史」、古文書学とは当時の朝廷・幕府の作成した命令書や判決、土地売買の契約書などの文書(もんじょ)を分析する学問です。 そう説明すると、支配者を中心に歴史を見ていると思われるかもしれません。しかし、王を王として認める者がいなければ王は王たりえません。権力を支える中間層、さらに権力の動きを

    『御成敗式目』/佐藤雄基インタビュー
  • 『物語 江南の歴史』/岡本隆司インタビュー

    ――近年、中国歴史中国の王朝を描く中公新書の刊行が続き、シリーズとしても人気です。そのなかで、『物語 江南の歴史』は発売して半年が経ち、重版が出て広がりを見せています。帯で「南方からたどる五千年史」と謳われているように、書は、広大な中国を南方から描き直した通史。岡先生がナビゲーターを務めたNHK「3か月でマスターする世界史」のように、壮大な歴史のうねりを感じとれる一書です。なぜ、「南」という視座に着目されたのでしょうか。 岡: おっしゃるように、中国は「広大」ですので、観察理解するには、どこからどのようにみればよいのか、とまどうことが少なくありません。これは研究者・専門家であろうとなかろうと、誰しも感じることです。もちろん「中国歴史」に限っただけでも、いろんな視点が思いつきますし、有効な方法もたくさんあります。たとえば、中国全体にわたる歴史は当然あるでしょうし、特定の時代・著名

    『物語 江南の歴史』/岡本隆司インタビュー
  • 道路の日本史 古代駅路から高速道路へ -武部健一 著|新書|中央公論新社

    道路の日史古代駅路から高速道路へ 武部健一 著 邪馬台国の頃には獣道しかなかった日列島も、奈良時代になると幅12mの真っ直ぐな道が全国に張りめぐらされ、駅馬の制度が設けられた。中世には道路インフラは衰退したが、徳川家康は軍事優先から利便性重視に転換して整備を進める。明治以降は奥羽山脈を貫くトンネルを掘った三島通庸、名神高速道路建設を指揮したドルシュなど個性溢れる人物の手によって道路建設が成し遂げられる。エピソード満載でつづる道路の通史。 書誌データ 初版刊行日2015/5/25 判型新書判 ページ数272ページ 定価946円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-102321-6 書店の在庫を確認 ❑紀伊國屋書店 ❑丸善&ジュンク堂書店 ❑旭屋書店  ❑有隣堂  ❑TSUTAYA  ❑くまざわ書店

    道路の日本史 古代駅路から高速道路へ -武部健一 著|新書|中央公論新社
  • [特別寄稿]「斎垣の歌」をめぐって/榎村寛之

    道長の詠んだ歌の元歌 『光る君へ』第6回「二人の才女」で、ついに清少納言が登場したが、それはそれとして、藤原道長(柄佑)がまひろ(吉高由里子)に渡した手紙の ちはやふる 神の斎垣も 越えぬべし 恋しき人の 見まくほしさに に少し注目したい。 すでにネット上でいわれているように、この歌は『伊勢物語』第71段の ちはやふる 神の斎垣も 越えぬべし 大宮人の 見まくほしさに の「大宮人」を「恋しき人の」に変えたものである。このころには定着していた歌取り(元歌を匂わせて歌のイメージを重層化させるテクニック。作者の腕の見せ所)とも言えない稚拙な歌だ。まぁそこが『光る君へ』の道長らしい不器用さか。 『伊勢物語』と伊勢の斎宮 さて、『伊勢物語』は10世紀前半頃に作られた「歌物語」で、和歌を中心に物語が進む短編小説集だ。 テーマは、「昔男」と呼ばれる男の様々な恋で、相手は、貴族・庶民・都人・田舎の人・

    [特別寄稿]「斎垣の歌」をめぐって/榎村寛之
  • 六国史―日本書紀に始まる古代の「正史」 -遠藤慶太 著|新書|中央公論新社

    六国史―日書紀に始まる古代の「正史」 遠藤慶太 著 奈良時代から平安時代にかけて編纂された歴史書「六国史」。七二〇年に完成した日書紀から、続日紀、日後紀、続日後紀、日文徳天皇実録、日三代実録までを指す。天地の始まりから平安中期の八八七年八月まで、国家の動向を連続して記録した「正史」であり、古代史の根史料である。書は、各書を解説しつつ、その真偽や魅力を紹介。また、その後の紛失、改竄、読み継がれ方など、中世から現代に至る歴史をも描く。 書誌データ 初版刊行日2016/2/25 判型新書判 ページ数266ページ 定価902円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-102362-9 書店の在庫を確認 ❑紀伊國屋書店 ❑丸善&ジュンク堂書店 ❑旭屋書店  ❑有隣堂  ❑TSUTAYA  ❑くまざわ書店

    六国史―日本書紀に始まる古代の「正史」 -遠藤慶太 著|新書|中央公論新社