22年前に初版が発行された本が売れに売れている。英文学者で言語学者の外山滋比古の『思考の整理学』(ちくま文庫)だ。莫大な情報量の中で生活する現代人に“忘却する努力をせよ”と、忘れることの重要性を説き、資料の分類法などを詳しく説明している書籍だがなぜ今売れているのか? 答えは“帯”にあった。 「“もっと若い時に読んでいれば…”そう思わずにはいられませんでした」と記した帯を付けたところ、一年余りで約30万部を増刷、累計で46万部となったというのだ。 片山恭一の『世界の中心で、愛を叫ぶ』(小学館)の初版は8000部だったが、女優で歌手の柴咲コウのコメント「泣きながら一気に読みました。私もこれからこんな恋愛をしてみたいなって思いました」が帯になったことにより一気に売り上げが伸びた。 村上春樹の『ノルウェイの森』(講談社)は、内容や村上の作品であるということはもちろんのこと、村上自身が装丁を