私は、ハイドンを除くと、ビーバーのロザリオのソナタと、マーラーの交響曲第10番全曲版を偏愛している。ロザリオのソナタはなかなか実演に接する機会がないが(以前鈴木雅明と若松夏美が数曲抜粋して取り上げたのを神戸松蔭女子大のチャペルで聴いたぐらい)、マーラーの10番は、何年かに一度はどこかで演奏されるので、注意して聴きに行っている(古くはバルシャイ指揮読響のバルシャイ版とか、スキャンダルで姿を消した金聖響指揮の神奈川フィル、広上淳一指揮の札幌交響楽団の演奏を聴いた)。今年の三月初めにインバルが大阪フィルで10番を振るのを知って早くからチケットを取っていたが、その後二月に都響でも10番を振ると知り、聴き比べてみようと思ってチケットをもう一枚取った。 10番全曲版はマーラーの交響曲の中では未だに継子扱いのところがあり、マーラー交響曲全集の中に入らないことも多い。その中でインバルは、DENON※での初