《言語の壁》 大坂から中津へ帰ってきた兄弟5人、言葉が違う(地域差)。 上士・下士 の言葉遣いの違い(身分差)。 話すように書いたのでは通じない。 福沢は、 書き言葉だから持ち得た普遍性を意識していた。 《士人無学》 『福澤全集緒言』に『西洋事情』がなぜ沢山売れたかについて、維新をなし とげた諸藩の有志者が「儒学の極意より之を視れば概して無学と云わざるを得 ず」、「国を開いて文明に入らんとするには何か拠る所」が必要だったからで、 「浅薄なる西洋事情も一時に歓迎せられたる所以」だとした。 「維新当初我 国の英断は当局士人の多数が漢文漢学を味うこと深からざりしが故にして、奇 語を用うれば日本の文明は士人無学の賜(たまもの)なりと言うも過言に非ざ るべし。」 武士たちは一応、漢学は勉強していたが、深く入ってはいなかった (斉藤さんは、中学・高校の英語教育に似ている、と)。 それは教育の普及、 大