僕らは懐疑の先に夢を見る 神野紗希・江渡華子・野口る理によるウェブマガジン「スピカ」から、同名の雑誌『スピカ』が創刊された。三人の俳句から始まり、榮猿丸、関悦史、鴇田智哉を交えた座談会と、佐藤文香、日下野由季を交えた座談会の記事、芳賀祥子、阪西敦子、堀本裕樹らによる評論、鈴木真砂女の孫にあたる今田宗男へのインタビュー記事などが並ぶ。ウェブマガジンからの転載を含めると二五名が登場し、今井宗男を除けば平均年齢は二九歳。神野ら三名が中心になる小規模の雑誌ながら、若手と目される書き手が数多く参加しているところにまず注目すべきだろう。思えば近年、ウェブ以外の媒体において若手俳人が自らプロデュースを行いかつ表現していくという活動で、これだけまとまった人数の参加した企画は案外少なかったのではないだろうか。少なくともかつての『未定』や『豈』のような規模で若手俳人が自らを発信していくような動きはいまのところ