レオンハルトとチェンバロ (1993年秋・レオンハルト来日プログラム) 今回のレオンハルトの来日公演で使用されるチェンバロは次の2台の予定である。 1台は、ブレーメン在住の製作家マルティン・スコヴロネックが1990年に製作した2段鍵盤のフレンチ・モデルで、1755年にルーアンのオルガン製作家ニコラ・ルフェーヴルが製作した楽器に基づいており、『ヴェルサイユの栄光』のプログラムで使用される。2年半前の来日の際にも大半の演奏会で使われたチェンバロである。基になったルフェーヴルのチェンバロは10年程前にレオンハルトが購入したもので、やはりスコヴロネックによって修復された。18世紀にチェンバロの黄金時代を現出せしめたフランスのチェンバロは、その製作台数と楽器の品質の何れにおいても他国を圧倒し、今日製作されるいわゆる歴史的チェンバロのレプリカは大半もまたフレンチ・モデルである。しかしオリジナルのフラン