アフリカ大陸は、建築文化的には 北部の地中海に面した「アラブ・アフリカ」と、サハラ砂漠以南の「サブサハラ・アフリカ(ブラック・アフリカ)」とに二分される。アラブ・アフリカは 東から順に エジプト、リビア、チュニジア、アルジェリア、モロッコの 5カ国で、マグリブ地方ともいわれる。7世紀以後 中東のアラブ・イスラーム文化が流入し、アラブ人が移住して ベルベル人などと混血し、アラビア語を主言語とするようになった。 古代エジプト文明を別にすれば、ウマイヤ朝の石造建築と アッバース朝のレンガ造建築に始まる 正統的なイスラーム建築を発展させてきた地域である。質量ともに 西アジアのイスラーム建築に比べて遜色はなく、特にカイロは イスラーム文化のひとつの中心であり続けてきた。 これに対して サブサハラ・アフリカ(ブラック・アフリカ)は 黒人の国々であり、20世紀の後半に ヨーロッパの植民地から独立しながら