「色盲」という言葉は最近は使われなくなってきており、「色覚異常」もしくは「色覚障害」等の表現が使われることが多くなってきました。それは「盲」という言葉に差別的なニュアンスがあることと、色盲が大抵の色を判別することができるにも関わらず、色覚の全盲であるという誤解を招くという懸念からであります。我々は現在のところ自然科学者の分野を対象として、バリアフリープレゼンテーションの普及活動をしており、そこであえて「色盲」という言葉を使っています。ここでなぜ「色盲」という言葉を使い「色覚異常」「色覚障害」「色弱」という言葉を使っていないかを説明するのと同時に、 このような言葉の言い換えを議論することが無意味であることについて述べたいと思います。 ■■ 「異常」と「障害」という言葉について ■■ 我々は多少なりと遺伝学の素養がありますので、色盲は「ポリモルフィズム(遺伝的多型)」であり「異常」ではないと考