1.伝統芸能 日本の音楽のことを「邦楽」と呼んでいる場合、これは欧米からの輸入音楽「洋楽」に対する呼び方である。狭義には日本の伝統芸能の中から雅楽(ががく)と能楽(のうがく)、民族音楽を除いた音楽を邦楽と呼ぶ。 その場合、三味線・筝・尺八・琵琶の音楽のことになるが、三味線音楽は文楽・歌舞伎・民族芸能で使用され育ったものが多く、その中で演奏される囃子は能楽が元になっている。 雅楽は、宮中や神社の儀式で演奏され、庶民的な音楽ではない。雅楽は、演奏だけの「管絃(かんげん)」と舞が伴う「舞楽(ぶがく)」とがあり、管絃には笙(しょう)・篳篥など管楽器と楽琵琶・楽箏という弦楽器が使用されるが、舞楽では弦楽器を使用しない。 雅楽以外の邦楽や舞踊は、あらすじがあって、観客も喜怒哀楽を感じて感情移入をして観ているが、雅楽は人間の感情が介在しないように作られている。 能楽は喜怒哀楽の感情を表しているが、非常に