昨年、暮れ忙しい最中に、旅限無は『チベット語になった『坊っちゃん』』という本を山と渓谷社より出版しました。業界の力関係で、全国の書店で簡単に入手できる状況には無いのが、実に心苦しいのですが、旧弊に安住している配本体制を乗り越えつつあるネット通販で、何と海外在住の方にも御購入いただいている由。便利な世の中になったものです。今年は『坊っちゃん』100周年とも仄聞(そくぶん)いたしました。是非、漱石が残した財産を再読して頂きたい。そして、関連本として拙著も手に取っていただけますれば、望外の幸せと存じます。以下に、恥を忍んで中身をおずおずと紹介させていただきます。 旅限無は1998年から2000年まで中国・青海省でチベット語を学び、2001年の1年間はチベット人学生にチベット語で日本語を教えておりました。この本はその時の体験・思索をまとめたものです。 ■本の概要 本の最初はチベット留学の動機から始