今年もたくさん「読めてよかった〜(はぅ〜ん)」となった本が多くて、わたしは「本と出会う運」がどうしてこんなにあるのだろうと、ただただありがたい。 12月に入ったし、この一年で出会った本を少しずつメモしていこうと思います。 (発行年月は関係なく、自分が2022年に出会ったという意味です) 読後の感触が読む前の想像と今年最も異なった一冊が、松本俊彦著『誰がために医師はいる』(みすず書房)。 もうめちゃくちゃ面白い。 みすず書房の「凜とし過ぎ」にさえ感じる佇まい(悪口ではありません)、純文学への素養が踏み絵のようにも感じるタイトル、けわしい活字山を登頂してきた人のみに踏むことを許される積雪のような静謐なデザイン&書体、「偏見、分断、刑罰」と偏差値も意識もごりごりに激高ぽい帯文……。 わたしのようなぼさっとした者に読める本じゃないのでは……と実は何度も棚の前まで行っては、尊いオーラに手が出せず、や