タグ

ブックマーク / haluhico.exblog.jp (1)

  • 座右の夏彦 Part2 | 社怪人日記2021

    元ネタ:座右の夏彦 一昨年の参院選の時に山夏彦翁の言論を借りたが、衆院選を前に読み返したら1つ書き忘れていた。 『茶の間の正義』(工作社・1962)より たとえば昭和初年、私がまだ子供だったころ、新聞は毎日財界と政界の腐敗を書いた。あんまり書くから、そのうち読者は信じた。いっそ殺してしまったらと、若者たちは井上準之助を、高橋是清を、犬養毅を、その他大勢を殺した。 古いことでお忘れなら、吉田茂首相を思い出して頂く。彼ならまだご記憶だろう。 彼は歴代宰相のうち、最も評判の悪い人だった。新聞は三百六十五日、彼の悪口を言った。しまいには、犬畜生みたいに言った。カメラマンにコップの水を浴びせたと、天下の一大事みたいに騒いだ。捕物帖の読者だと、その教養の低きを笑った。ついには角帯をしめ、白足袋をはいて貴族趣味だと、難癖をつけた。不吉なことを言って恐縮だが、当時彼がテロに逢わなかったのは僥倖である。

  • 1