金水敏『コレモ日本語アルカ?』(岩波書店)を読んだ。先ごろ出版されたばかりの本である。著者のことはまったく知らないが、タイトルを見て、きっと自分の関心に沿う本だと思った。果たしてそうであった。 フィクションの中の中国人はなぜ「責任とるよろし」「デートするある」(らんま1/2のシャンプー)のような話し方をするのかと、おそらく多くの人が一度は疑問に思ったことがあるだろう。 私はラーメンを始めとする「日本でできた中華料理」が、明治時代に中国から日本にやってきた人々と日本人が出会ったことによって誕生したことをなんとなく知っていた。(近頃はラーメン=中華という認識の人は少なくなったが、「キン肉マン」の「ラーメンマン」をはじめ、ちょっと前まで中華キャラとラーメンは分かちがたく結びついていた) 現代日本における戯画化された、(一昔前までの)フィクションに登場するわかりやすい「中国人」像は、明治期に日本に