情の力 「余生は義理・人情の研究に力を注ぎたい」。宗教学者で評論家の山折哲雄さんの言葉です。義理だの人情だというと、一昔前の知性とはほど遠い世界と思われがちですが、本当にそうなのでしょうか――。
情の力 「余生は義理・人情の研究に力を注ぎたい」。宗教学者で評論家の山折哲雄さんの言葉です。義理だの人情だというと、一昔前の知性とはほど遠い世界と思われがちですが、本当にそうなのでしょうか――。
見知らぬ女から一通の手紙が届いた。封を切ると、きれいなペン字で、「昨日、千葉のマザー牧場へ行って、一頭の老馬に逢ってきました」と、書いてあった。 「聞くと、その馬はユリシーズという名でした。ユリシーズは今も元気で、子供たちのための乗馬として、みんなに可愛がられておりますから、御安心ください、と牧場の方が言っておりました」 私はその手紙を読んで、むかし別れた女の消息を聞くような、てれくささと懐かしさで胸が一杯になってきた。ユリシーズ! それは私にとって忘れられない馬の名だったのである。(寺山修司『旅路の果て』新書館) 弘前生まれの寺山修司(※1)は往年の競争馬が草競馬で走る落剝した姿を見て胸を熱くした。だが、中央競馬以外を知るきっかけになったのは、ユリシーズの馬主となり地方競馬を見る機会を得たおかげである。自身の所有馬にジェームス・ジョイスの『ユリシーズ』の名を付けた。この馬は、カーブも曲が
福島の被ばく報道はデマだらけ 福島の低線量被ばくをめぐる報道は、実に嘆かわしい。日本社会の知的劣化と言わざるを得ない状況だ。活動家が、自らの存在価値を守るために、意図的に倒錯して騒ぎ立てるのはある意味で仕方がない。問題は、専門家を称する人たちや、報道を名乗る者たちがそれに乗っかって、拡散させることだ。
私が朝日新聞での連載「新聞ななめ読み」を始めたのは、朝日だけでなく、いろんな新聞の比較をすることがそもそもの狙いでした。月に1回、言ってみれば新聞時評みたいなものですよね。「朝日新聞の記事は分かりにくい」と随分批判もしてきましたが、それに対して担当部局のデスクから抗議が来たりすると、それも紹介しつつ、反論も書いたりして、新聞記者との双方向性を持つというやり方でやってきました。 朝日以外にも読売や産経の話も書いたりしたことはあったんですが、ある日突然、掲載できないという話になったんです。もちろん、新聞社には編集権がありますから、最終的に掲載する、しないを判断するのは、それぞれの新聞社が決める編集権ですよね。それについて著者が「載せないのはおかしい」とか、そういうことを言う立場ではないと思うんですよ。
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