最近、岡田暁生『音楽の聴き方』(中公新書2009)を読了した。読んでいるうちに、音楽の表現というものが朗読の表現と重要な関連性があるということに気がついた。というわけで、以前わたしは、グレングールドで朗読論というシリーズの記事を書いたが、それと同様な書き方でこのブログで書いてみようと思っている。 まず思い浮かぶのは、本を読むということの根本的な問題である。199ページで「いつ音楽は本当に私のものになるのか」という問題が提起されている。これは本を読むことにも言えるのである。わたしたちは、本を買い込んで、読んではいるのであるが、一体、どのようにしたら本が自分のものになるのだろうか。 その一つの手段が音読である。声に出して本を読むことは、一つの表現である。黙読をして、内容を理解しているつもりになっていても、果たして、それで本が自分のものになったといえるだろうか。どれだけ、自分のものにしたかという
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