BOØWY、ウルフルズなど数々のヒット作品に関わったA&R 子安次郎が語る社員インタビュー第三回。この記事では彼が音楽人生の中で培ったA&R論を語ります。( 前回までのインタビューはこちら ) ヒットを作るのはディレクターではなく「世の中」――前回お話してくださったウルフルズもそうですが、アーティストをブレイクさせるまでには試行錯誤の時間が必要ですね。今は世の中の流れが早い分、結果を出すまでのスピードが殊更求められている気がします。 デジタル化などで確かに時代のスピードは昔より早くなってはいると思いますが、早く結果を出さなければならないという考え方があるのは、私が会社に入った45年前も一緒ですよ。当時の上層部にも「お前ら、アーティストを育てるのに時間がかかりすぎる。早く売れ!」って言われていましたから(笑)。アリスやオフコースみたいにブレイクするまでに何年もかかったアーティストもいましたけ