タグ

ブックマーク / tikoma.hatenadiary.org (4)

  • こうの史代『この世界の片隅に』 - 走リ書キ的覚エ書キ

    この世界の片隅に 上 (アクションコミックス) 作者: こうの史代出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2008/01/12メディア: コミック購入: 23人 クリック: 507回この商品を含むブログ (327件) を見る こうの史代の新作に収められた各エピソードはおもに第二次大戦の期間内という限定されたスパンの中で月日が推移していっている(「18年12月」から始まる雑誌連載された編に、その前史をなす主人公浦野すずのこども時代の様子を描いた三回の読み切り作品が冒頭に据えられている)。話の舞台が広島であること、それが戦時中の銃後の生活の情景を描いていること、『夕凪の街』の作者が新たに語り始めた物語であること、そんなこんなをもとにした予断が働いて、作品を読みながらいつの間にか自分が、「20年8月」で描かれるであろうエピソードを物語のクライマックスじみたものとして念頭においていることに気付き、驚

    こうの史代『この世界の片隅に』 - 走リ書キ的覚エ書キ
    funaki_naoto
    funaki_naoto 2008/01/19
    「死者が生者を思い出す」
  • こうの史代『街角花だより』 - 走リ書キ的覚エ書キ

    街角花だより (アクションコミックス) 作者: こうの史代出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2007/03/12メディア: コミック購入: 5人 クリック: 36回この商品を含むブログ (82件) を見る 単行の初出一覧の記述を信用するなら、表題作である「街角花だより」という作品は、大きく区切って、つごう三回にわたる雑誌掲載(連載)という経緯の末に、今あるこの単行『街角花だより』に読まれることになるまとまったひとつの姿として、読者の元に届けられていることになる。 雑誌掲載の古い順に挙げれば、まず「明石版」という95年から96年にかけての9回にわたる連載があって、その物語があらためて仕切りなおされた恰好で、「日和版」の2003年の6回の連載があり、その「日和版」の前史をなすようなエピソード(二人の主人公の出会い)を描いた「日和版(コスモス日和)」の、2007年の読みきり作品の発表がある

    こうの史代『街角花だより』 - 走リ書キ的覚エ書キ
  • こうの史代『さんさん録』 - 走リ書キ的覚エ書キ

    さんさん録 (1) (ACTION COMICS) 作者: こうの史代出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2006/03/11メディア: コミック購入: 10人 クリック: 50回この商品を含むブログ (173件) を見る こうの史代の『さんさん録』という漫画は、一種の幽霊譚として読むことが出来るだろう。その場合、幽霊とは無論、主人公「参さん(奥田参平)」の亡くなった「おつう(鶴子)」さんを指すけれど、それはまた、「おつう」が「参さん」に書き残した家事諸般に関する備忘録(「奥田家の記録」)の言葉たちでもあり、あるいはまた、「参さん」や家族たちの頭上の風景の中でひらひらと舞う蝶々の翅のはばたきとしても宿っているものだろう。ただしそこで、「おつう」さんの幽霊が実体として現われている(幽霊の実体?)わけでは全くなくて(いわゆる「幽霊」が物語の主題として描かれているのではなくて)、作品に描かれた

    こうの史代『さんさん録』 - 走リ書キ的覚エ書キ
  • こうの史代『長い道』 - 走リ書キ的覚エ書キ

    長い道 (Action comics) 作者: こうの史代出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2005/07/28メディア: コミック購入: 4人 クリック: 81回この商品を含むブログ (228件) を見る 雑誌連載だったらしいこうの史代の『長い道』という作品は1話につき3、4ページから成るごく短いエピソードが50篇以上積み重ねられていって、その結果、総体として一篇の作品のまとまりを形作っている。とはいっても、ここで「総体」とか「まとまり」とかいう言葉に相応しい固い芯のような像が掘り出される感じではまったくなくて、あくまでそれは、一冊の漫画の単行としてそれを手に取る人、そのページを一枚一枚めくっていき、そこに描かれている人物なり風景なりの絵を見取っていく人の感触の中で当面現われている限りでの手応えのようなものにすぎない。それは、そこから芯を取り出すことが難しい、とか、端的に不可能である

    こうの史代『長い道』 - 走リ書キ的覚エ書キ
    funaki_naoto
    funaki_naoto 2006/09/30
    「「なんてことない」けどけっして「なにもない」わけじゃない、ささやかでありふれた日々の光景や情感、二人の関係が形作る交流の縞模様のような図柄、その繰り返し、存続する世界の存続」
  • 1