藤本智士さん(※1)のお話、第2弾です。後編は、作品の見方や地域に根差した美術教育などについて考えるヒントになる内容です。 ローカルというアドバンテージ 奥村「講演では『秋田というローカルだからこそアドバンテージがある』というお話がありました。地方はサイズが小さいから、巨大な都会ではできないことができる。そういう面白さが味わえるという意味でしょうか?」 藤本「かつては都会に正解があって、田舎にいる人たちは都会のようになりたいと思っていました。しかし時代は変わって、都会の人の方が地方での暮らしに憧れていたり、疎ましく感じていたはずのコミュニケーションを求めたりしている。そういう意味で、もはや『面白さ』というか、多くの人が『魅力』だと感じることが、都会よりも田舎に多くあるんじゃないかと思います。だからこそ様々な地方で暮らす人々が、自分たちの中で考えや慣習に自信を持つことが大事です。東京のやり方