高梁市吹屋一帯は2020年、『「ジャパンレッド」発祥の地-弁柄と銅の町・備中吹屋-』として日本遺産に認定されました。 標高500mの高原上に忽然と出現する「赤い町並み」。 日本遺産ストーリーに書かれたこの言葉に興味を持ち、訪れた吹屋には本当に言葉通りの町並みが広がっていました。険しい山道を縫ってたどり着いた先の、赤で統一された町を大人になって改めて見ると、ほかにない景観に心惹かれます。 ジャパンレッド? ベンガラ? 普段なじみのない言葉ですよね。 海外の人々がもつ日本のイメージカラーは圧倒的に「赤」といわれ、神社仏閣の赤、九谷焼・伊万里焼の陶磁器、輪島塗・山中塗の漆器の赤など、日本の伝統工芸に欠かせない色です。その赤色顔料、硫化鉄鉱石を原料とするベンガラ(弁柄)の製造法が偶然に吹屋で発見されて以来、吹屋生産のベンガラが全国に普及し、吹屋は「ジャパンレッド」発祥の地とされました。 繁栄した商