2007.09.07 白井聡 『未完のレーニン』 (8) カテゴリ:思想・理論 講談社から出版されている 『未刊のレーニン』 の著者の白井聡という人は、1977年生まれだそうだ。年を経るごとに、亡き親父どのに似て頑迷固陋の度合いを深めている私としては、70年代生まれと聞くだけで、思わず 「この青二才が!」 などと決め付けたくなるのであるが、これはなかなか面白そうな本である(まだ半分も読んでないので)。 本書のモチーフを簡単に述べるとすれば、従来 「マルクス主義理論史」 であるとか 「マルクス主義論争史」 などの枠組みの中で語られてきたレーニンの理論と思想を、そのような伝統的な枠組みから解放し、18世紀に生きたマルクスとはまた違う固有の時と場所の中で生きた人間の思想として、同時代のより広い知的パースペクティブの中で理解することのように思える。 それは、言い換えるならば、残された妻の抗議を無視