2009.04.13 「スターリン言語論」の怪 (4) カテゴリ:科学・言語 前々回、スターリンの民族論に触れたが、民族に関する彼の定義は、「言語、地域、経済生活、および文化の共通性のうちにあらわれる心理状態の共通性を特徴として生じたところの、歴史的に構成された人々の堅固な共同体」 というものだった。 つまり、彼にとって 「民族」 の問題と 「言語」 の問題は、最初から切っても切れない関係があったということだ。その彼が晩年の1950年(当時すでに71歳!)、脳卒中で死亡する3年前に発表したのが、当時ソビエト言語学界を支配していたマール理論を批判した 「言語学におけるマルクス主義について」 という論文である(参照)。 この論文は、前々回にも触れた典型的な 「カテキズム」 形式で書かれている。たとえば、次のように。 問 言語は土台のうえに立つ上部構造であるというのはただしいか? 答 いや、ただ
![「スターリン言語論」の怪 - 遠方からの手紙:楽天ブログ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/af0292b21d3d5e0ca4dcc6523352c371b59b5279/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fplaza.jp.rakuten-static.com%2Fimg%2Fcommon%2Fblog_logo_ogp.png)