2020年東京五輪・パラリンピックに向け、政府、東京都がそれぞれ受動喫煙防止の法制化、条例化を急いでいる。 両者の方向性が一致していないためルールの統一を求める声も多いが、少なくとも五輪開催国として「世界標準」の規制を目指すことでは方向は同じといえる。ではその「世界標準」がどれだけ重要なのか。 世界では、「たばこの規制に関する世界保健機関(WHO)枠組条約」のもと、受動喫煙の健康被害は明白なものとして、分煙ではなく全面禁煙化を進めている。 国際オリンピック委員会(IOC)もWHOと共同で「たばこのない五輪」を推進し、2004年のアテネ大会以降、冬季を含む全ての開催地が屋内を全面禁煙とする罰則付きの法律や条例を設けている。 しかし、そうした規制は公共施設などの「屋内」に対するもの。路上など屋外では自由にたばこを吸っている国が多いのが実情だ。レストランやカフェなどでも分煙席やテラス席があれば喫