韓国の外交政策が大きく動き出している。背景にはなにがあるのか。朝日新聞元政治部長の薬師寺克行氏が解説する。 2023年3月に日韓間の懸案だった徴用工問題が決着して以降、韓国外交が一気に活発化している。 日韓間では韓国政府が日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の運用正常化を決定、日本政府が韓国に対する半導体材料の輸出規制を解除すると、韓国政府が世界貿易機関(WTO)への提訴を取り下げた。さらに経済安全保障に関する協議の立ち上げに合意するなど多くの懸案が解決に向けて動き出した。 日韓関係改善を高く評価している米国と韓国の関係も堰を切ったように動きはじめた。3月中旬には5年ぶりに屋外での大規模な米韓合同軍事演習を実施した。そして3月末にオンラインで開かれた米国などが主催の第2回「民主主義サミット」では韓国が共同主催国に名を連ね、本会議前のバイデン大統領と尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の共同