プーチンが目指す「熱い平和」 冷戦期、超大国の行動規範は相互確証破壊(MAD)の原則によって明確に説明できた。もし核ミサイルを発射すれば、敵側から総力的な報復攻撃を受けることになるのを、超大国のそれぞれが認識できていたのである。結果として、どちらの陣営も相手側に戦争を仕掛けることができなかった。 それに対して、現在、北朝鮮の金正恩がアメリカに対する破壊攻撃の実行について語るとき、彼が自分の立場をどのように認識しているのか、聞く側はそれを推測することしかできない。 金正恩は、まるで自身を含む北朝鮮が(報復として)滅ぼされ得ることなどには気づいていないかのように話をする。彼はまるで、「核使用における目標選択(NUTS)」と呼ばれるまったく別のゲームをプレイしているようだ。このゲームでは、報復攻撃をされる前に、目標への正確な攻撃によって敵国の核戦力を破壊することができるのだ。 この数十年、アメリ
![スラヴォイ・ジジェク「我々は“文明の衝突”という概念を問い直し、新たな非同盟の動きを生み出すべき」 | プーチンの押し付ける「熱い平和」に抗う唯一の方法](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/e32d31b95b35b07204426bd0cff6f6b2fa7971d8/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcourrier.jp%2Fmedia%2F2022%2F05%2F06020747%2FGettyImages-1240449343-e1651738114308-1600x900.jpg)