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ブックマーク / xtech.nikkei.com (80)

  • 河野大臣が廃止宣言の「三層分離」、PC3台を使い分けるネットワークはなぜ生まれたか

    「自治体ネットワークの三層の対策はやめる」――。河野太郎デジタル相は2024年5月31日のデジタル庁主催の会見において、このように発言した。メディアの多くは同時に言及のあった「iPhoneへのマイナンバーカード機能搭載」に注目したが、自治体ネットワークの関係者にとって「三層の対策(三層分離)廃止」は同等以上に注目すべきトピックだっただろう。 河野大臣は会見の中で三層分離を「業務の効率性」「セキュリティー」の2つの面への悪影響からやめるべきだとした。大臣がやめようとする三層分離とは何か。誕生の経緯や改定の流れを解説する。 きっかけは日年金機構の個人情報125万件流出 誕生の経緯について、話は2015年に遡る。日年金機構が標的型攻撃の被害に遭い、基礎年金番号や氏名などを含む125万件の個人情報が流出した。事態を重く見た総務省が、セキュリティーの強化策として打ち出したのが三層分離である。 三

    河野大臣が廃止宣言の「三層分離」、PC3台を使い分けるネットワークはなぜ生まれたか
  • トヨタと出光が全固体電池で協業、量産技術の開発から事業化まで

    全固体電池は2027〜2028年にバッテリーを主力動力源とする電気自動車(BEV)で実用化し、その後の量産を目指すとする。 より具体的には、両社から数十人を募ってタスクフォースとし、年間最大数百トン規模の硫化物系固体電解質を生産するパイロットプラントを出光興産の千葉事業所内に設けて、2027〜2028年を目標に量産技術を実証。同時に材料の安定調達のスキームを構築する。この2027〜2028年には台数は限定的ながら全固体電池搭載のBEVを発売するもようだ(図2)。

    トヨタと出光が全固体電池で協業、量産技術の開発から事業化まで
  • 富士通製メインフレームが残り700台の衝撃、保守期限までの撤廃に求められる策

    「まだ700台も残っているのか」――。富士通と米Amazon Web Services(アマゾン・ウェブ・サービス、AWS)の会見を聞いた筆者の感想だ。両社は2024年3月18日、グローバルパートナーシップの拡大と顧客システムのモダナイゼーション支援を発表した。その中で、富士通の島津めぐみ執行役員副社長COO (サービスデリバリー担当)(現職)が同社のメインフレーム残存数に触れたのだ。 島津副社長によれば、現在約700台のメインフレームと約9400台のUNIXサーバーが稼働しているという。富士通は2030年度末にメインフレームの製造・販売から撤退し、5年後の2035年度末で保守を終える。UNIXサーバーは2029年度下期に製造・販売を終了し、2034年度中に保守を終える予定だ。 脱メインフレームは間に合わない 果たして2035年度末までに700台あるメインフレームをすべて撤廃できるだろうか

    富士通製メインフレームが残り700台の衝撃、保守期限までの撤廃に求められる策
  • 富士通・NEC・日立が進める「オファリング」、深刻なエンジニア不足の打開策に

    富士通NEC、日立製作所など、ITベンダー大手が一斉に「オファリングビジネス」への転換を始めた。企業ごとの個別開発から共同利用型のサービス提供へビジネスモデルを大きく変える。第1回はオファリングビジネスとは何かを明らかにする。 札幌医科大学附属病院は2023年9月、患者と診療データなどを共有するシステムを導入した。システムはクラウド上に構築してあり、患者は専用のスマートフォンアプリから同病院の電子カルテに記載された情報を閲覧できる。外来や入院の予定日や履歴、検査結果、処置の内容、処方された薬などが分かる。患者向けサービスの向上へ、要となるシステムだ。 病院の診療データを閲覧するだけでなく、患者がスマートウオッチなどで計測した心拍数や睡眠時間、歩数などの健康データを病院に送信することもできる。主治医は患者の健康データを参考にすることで治療の効果を把握し、診療の質を高めることができる。 他業

    富士通・NEC・日立が進める「オファリング」、深刻なエンジニア不足の打開策に
  • 思い込みによるミスは防げるか、羽田空港事故で知るAIの使い道

    どんなプロフェッショナルであっても、どれほど注意深い人であっても、一度思い込んでしまうと勘違いを修正することは難しい。生成AI人工知能)などを活用して、何とか勘違い、思い込みに対してアラートを出せる仕組み、修正する仕組みを作れないものだろうか――。 2024年1月1日に能登半島を襲った大地震がもう1つの悲劇をもたらした。翌2日、被災地に救援物資を運ぶために新潟航空基地に向かおうとしていた海上保安庁の航空機が、羽田空港の滑走路上で日航空の旅客機と衝突し、海保の職員5人の人命が失われた。 国土交通省が3日に公表した管制の交信記録によると、管制官は海保機に離陸許可を出しておらず、滑走路手前の停止位置まで進むように指示していた。一方、海保機の機長によると、管制官の指示を復唱していたにもかかわらず、離陸許可が出たものと認識していたという。 原稿を執筆している1月10日時点では、交信記録などから事

    思い込みによるミスは防げるか、羽田空港事故で知るAIの使い道
  • 「AWS寡占」「運用コスト高」と問題山積、円滑なガバクラ移行へ迅速な情報公開を

    「運用コストは増えるのか」「また方針が変わったのか」――。デジタル庁が整備するパブリッククラウドの利用環境「ガバメントクラウド」を巡り、不満や不信の声が強まっている。当初の見込みが二転三転するなど、次々と綻びが見えているのだ。 同庁はベンダーロックインの回避とマルチクラウドの推進を掲げるが、各府省庁や自治体利用は、足元で9割以上を「Amazon Web Services(AWS)」が占める。複数自治体利用による「割り勘効果」でコスト減をうたうが、むしろ従来よりも運用コストが増加するといった指摘も出ている。 度重なる計画変更に加えて、デジタル庁の意思決定プロセスや情報の不透明さも問題だ。ガバメントクラウドへの移行はスムーズに進むのか、決して楽観視できる状態ではない。 「ガバメントクラウドの利用料低廉化を図る取り組みを実施」とアピール 2023年秋、ガバメントクラウドへの移行を検討する各自治体

    「AWS寡占」「運用コスト高」と問題山積、円滑なガバクラ移行へ迅速な情報公開を
  • 人月商売のIT業界だけじゃない、「人材使い捨て国家」ニッポンの悲惨な末路

    人材を湯水のごとく投入して無駄遣いしてきたこの商売は、つくづくくだらないビジネスだと思うぞ――。この「極言暴論」の読者なら何の商売の話かは説明不要だろう。「いくらITベンダーの人月商売に批判的だからといって、システム開発や保守運用の仕事をくだらないと言うのか」と怒る人もいるかと思うが、実際に技術者を無駄遣いしてきたのだからそう言われても仕方あるまい。ただ視野を広げると、日では人月商売のIT業界以外にも、このくだらないビジネスがまん延しているんだよね。 極言暴論ではこれまで、SIerなどの人月商売のITベンダー、そして客の企業による技術者の無駄遣いについて、手を変え品を変え批判してきた。簡単に復習すると、客の企業はクラウドサービスやパッケージソフトウエアを使えば済むような業務でも、独自のシステムを構築・運用したがる悪弊があった。おまけに自分たちでつくろうとせず、SIerなど人月商売のIT

    人月商売のIT業界だけじゃない、「人材使い捨て国家」ニッポンの悲惨な末路
  • 「ハードだけ売ってほしい」、自動車部品メーカーに突き付けられた異変

    「ハードウエアだけを売ってほしい」。最近増えているのが、自動車部品メーカー(サプライヤー)に対する自動車メーカーからのこうした要求だ。フランスValeo(ヴァレオ)やドイツZF、同Bosch(ボッシュ)など大手サプライヤーも、そうしたケースが増えていることを認める。 背景にあるのは、電気自動車(EV)化の先に見据える、ソフトウエア定義車両(SDV)化や自動運転(AD)化の存在だ(図1)。SDV化やAD化では、クルマにおけるソフトウエアの重要性が増し、自動車メーカーはその主導権を握りたいと考えるようになるからだ。

    「ハードだけ売ってほしい」、自動車部品メーカーに突き付けられた異変
  • 「スタッドレス売れるのは日本だけ」、住友ゴムがタイヤ種類集約で省資源化図る

    住友ゴム工業は、省資源化を目的として、現在「サマー」や「スタッドレス」など性能別に販売しているタイヤを、将来的に全天候に対応する「オールシーズン」タイヤにカテゴリーを集約していく方針を打ち出した。タイヤの性能や耐久性を高めた上で製造数を減らす。同社取締役常務執行役員の村岡清繁氏は「1種類のタイヤで年間通して走りきれるようにする」と説明した。 実現の鍵を握るのは、路面環境に応じてタイヤの性能を変化させる新技術「アクティブトレッド」だ(図1)。同社はアクティブトレッド技術を搭載したコンセプトタイヤを2023年10~11月に開催されたJAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー、JMS 2023)」(東京ビッグサイト)で初披露。同年11月16日には同技術に関する説明会を開催した。 アクティブトレッド技術の市場投入は、まずは日からスタートする。ただし、「主なターゲ

    「スタッドレス売れるのは日本だけ」、住友ゴムがタイヤ種類集約で省資源化図る
  • マイナンバー関連のトラブルは大した数ではない、なぜここまで大炎上するのか

    どうしたらこんなばかばかしい騒ぎになるんだろうね。何の話かというと、マイナンバー関連の一連のトラブルで、デジタル庁をはじめ政府が火だるまになっている件だ。現行の健康保険証の廃止とマイナンバーカードへの一体化を延期する、しないでドタバタ劇まで演じる始末。おいおい、一体どうなっているんだ。そもそもトラブルの件数が8500件程度なら大騒ぎになるような「大事件」ではないぞ。 まあ、そうは言っても、そりゃ国民からすると不安が高まるのは当然だ。何せマイナンバーカードを使ったコンビニ証明書交付サービスでの誤交付、別人の住民票などが交付されたという問題を皮切りに、マイナンバーを利用した各種事業で個人情報のひも付け誤りなどのトラブルが次から次への明るみに出たわけだしね。ただし、それがマイナンバー制度への不信感へと直結してしまったり、保険証の廃止時期を延期しようとしたりするのは明らかに行きすぎだ。 冒頭に書い

    マイナンバー関連のトラブルは大した数ではない、なぜここまで大炎上するのか
  • あなたはクラウドストレージ「OneDrive」を使う?使わない? 利用派からも不満の声

    あなたはマイクロソフトのクラウドストレージサービス「OneDrive」を使っているだろうか。誌読者を対象にしたアンケート調査の結果では、利用派と非利用派が真っ二つに割れている。「使う」「使わない」のどちらを選ぶにしても、まずはOneDriveの仕組みを知ることが重要だ。

    あなたはクラウドストレージ「OneDrive」を使う?使わない? 利用派からも不満の声
  • 富士通退職者向けのSNSで波乱、問題視された現役経営幹部名の投稿とは

    「この投稿、どう思います」。2023年7月3日の夜、知り合いの富士通退職者から電子メールが届いた。Facebookに富士通退職者が集まるグループがあり、そこに現役の上級幹部名で投稿があったが、物議をかもしているという。 自治体が証明書をコンビニエンスストアで発行できるサービス「Fujitsu MICJET コンビニ交付」のトラブルについて、あるOBが6月末、「危機管理が全くできていないと懸念」している、と投稿した。これに対し、「福田譲」名義で次の投稿がなされた。 「現役です。問題になっているプログラムは2009年製です。現役製ではありません。自分ごととして『応援』していただけるOB/OGを求めている/リスペクトしていること、分かっていますか? ガッカリする/ありがたく思う。大きく分かれています。皆さん、どうありたいですか?問われているのは皆さんではないかと思います」 富士通で福田譲氏と言え

    富士通退職者向けのSNSで波乱、問題視された現役経営幹部名の投稿とは
  • なぜ富士通Japanだけが責められる? コンビニ誤交付トラブルで気になる責任の所在

    富士通Japan製コンビニ交付システムを巡る誤発行トラブルが後を絶たない。2023年3月に横浜市で他人の住民票が誤発行されるトラブルが発生したのを皮切りに、東京都足立区や川崎市、徳島市、新潟市、さいたま市、熊市などでも同様のトラブルが続々と明らかになっていく――。 事態を重く見たデジタル庁は同年5月8日、コンビニ交付システムを一時停止した上で不具合を検査する「総点検」を富士通Japanに要請。同社は要請に応える形で、6月17日までに全国の自治体123団体の点検を完了させた。ただ点検完了後まもない同月28日には新たに福岡県宗像市で住民票の誤交付トラブルが発生しており、事態が収束したとは言い難い。 自治体側の責任は? 不具合が相次いでいることからも、富士通Japan製システムに設計上の問題があるのは明らかである。一部の専門家からはその設計について「稚拙」という指摘も出ている。 ただ、富士通J

    なぜ富士通Japanだけが責められる? コンビニ誤交付トラブルで気になる責任の所在
  • 35年以降、エンジン搭載車を容認へ

    欧州連合(EU)が、2035年以降は内燃機関(エンジン)車の新車販売をすべて禁じるという方針を撤回した。温暖化ガス排出をゼロとみなす合成燃料(e-fuel)を利用する場合に限り販売を認める。欧州勢の真意はどこにあるのか。詳細を運輸部門全体の側面から、また技術的課題から紐解(ひもと)いてみたい。e-fuelという次世代燃料を使いこなすための、エンジン側の開発ポイントも解説する。 2023年3月28日、1カ月近く延期された欧州(閣僚)理事会は、乗用車および小型商用車の二酸化炭素(CO2)排出基準改正法案を正式に採択した。2021年7月に欧州委員会(EC)が提案した欧州グリーンディールの包括的な法案「Fit for 55 Package」の中の1法案である。最終的な法案成立となる。 「2035年以降の欧州連合(EU)内における全ての新車販売を原則CO2排出ゼロ車とする」というもので、ほぼもともと

    35年以降、エンジン搭載車を容認へ
  • 丸投げを脱して「内部開発」に着手したデジタル庁、国にノウハウを残せるか

    発足から1年半が経過し、デジタル庁が2023年度から「今できる調達改革」に動き出している。案件や分野を選別して、デジタル庁職員が自らコードを書く「内部開発」と、スタートアップや中小ベンダーが参加しやすい「企画競争調達」という新しい調達手法に格的に取り組み始めた。デジタル庁が取り組む、今できる改革の効果を検証する。 改革を代表する案件が、マイナンバーカードを使う行政手続きを集約した政府サイト「マイナポータル」の使い勝手を改善する刷新プロジェクトである。現在実証アルファ版が公開中だ。2023年夏にベータ版、2024年3月に正式版として番環境に移行する。企画競争調達でベンダーを選定する、一部の機能は内部開発も組み合わせるという2つの改革が同じプロジェクトで同時に進んでいる。 マイナポータル刷新に新規ベンダーが参入できたわけ 企画競争調達は、技術提案への評価だけで開発ベンダーを選考する手法だ。

    丸投げを脱して「内部開発」に着手したデジタル庁、国にノウハウを残せるか
  • マイナンバーカードのトラブルに透ける、デジタル庁組織の「しんどい」状況

    マイナンバーカードを巡る一連のトラブルに対応するため、河野太郎デジタル相が奮闘を続けている。積極的に情報発信をしたり、関係省庁などとの連携を進めたりするなど、矢面に立って挽回策を講じている。ただ、遅れていた日のデジタル化を推進するためにデジタル庁が苦心してつくってきた、プロジェクト制かつ民間デジタル専門人材を活用する「マトリックス組織」という組織構造自体が、状況をさらに困難にしている「しんどい」状況のようにも見える。 「担当者以外は認識がなかった」 「デジタル庁で情報共有されていなかったことは大変申し訳なく思っている」――。2023年6月6日の閣議後記者会見で、河野デジタル相はこう述べて陳謝した。 マイナンバーとひもづける公金受取口座登録を巡っては、2023年5月下旬に他人の口座にひもづけられる誤登録が明らかになった問題を受け、デジタル庁が約5400万件に及ぶすべての公金受取口座の総点検

    マイナンバーカードのトラブルに透ける、デジタル庁組織の「しんどい」状況
  • デジタル庁の自治体向け説明会が「炎上」、ガバクラ移行に2つの課題

    霞が関の府省庁と地方自治体の情報システムは原則、デジタル庁が整備するパブリッククラウド基盤「ガバメントクラウド」を利用する――。国が決めたこの方針を進めるためには、デジタル庁と各府省庁・自治体・事業者との連携は不可欠だ。ただ、情報不足やコミュニケーション不全から、不協和音が生じている。今後ガバメントクラウドへの移行を進めるために、2つの課題がある。 「デジタル庁は自治体の現状を理解していないのか」 1つめがガバメントクラウドへの移行支援に向けた情報提供や各府省庁・自治体・事業者との円滑なコミュニケーションを進めることである。 「ガバメントクラウドの情報が少ない、動きが鈍いという批判があった。庁内で重く受け止めている」――。2023年4月末、千葉市で開催されたクラウド提供事業者のイベントで、デジタル庁担当者は、自治体システム標準化の講演の最後にこう述べて締めくくった。 実は、2023年1月、

    デジタル庁の自治体向け説明会が「炎上」、ガバクラ移行に2つの課題
  • 他人の住民票が誤発行される謎バグの真相、富士通Japanの「稚拙」設計に専門家も驚く

    2023年3月、横浜市のコンビニの証明書交付サービスでトラブルが発生した。住民が住民票の写しの交付を申請したところ、別人のものが発行されたのだ。原因は富士通Japanが手掛けるサービスの不具合だった。利用者が増えて負荷が高まり、潜在的なバグが表面化した。国がマイナンバーカード普及に力を注ぐ中、冷や水を浴びせる結果となった。 「個人情報漏洩にも当たる事案で大変重要な問題であり、遺憾に思っている」――。河野太郎デジタル相は2023年3月31日の閣議後記者会見において、厳しい口調でこう述べた。河野氏が言及したのは、横浜市で発生したコンビニの証明書交付サービスにおける住民票の誤発行トラブルについてだ。 横浜市のトラブルは2023年3月27日昼に発生した。住民がマイナンバーカードを使って住民票の写しの交付を受けようとしたところ、他人の住民票が誤発行される事象が相次いだのだ。原因は富士通Japanが手

    他人の住民票が誤発行される謎バグの真相、富士通Japanの「稚拙」設計に専門家も驚く
  • 核融合炉業界地図、6つの主要機器で市場に食い込む日本メーカー

    夢のエネルギーとも称される核融合。重水素と三重水素など、2つの原子核をプラズマ状態でぶつけて融合させた際に生じるエネルギーを活用して発電しようと世界中が研究を加速させている。その中核となるのが、核融合反応を起こす核融合炉だ。一体どのような構造で、日メーカーは炉を構成する技術開発にどうい込もうとしているのか。基の基を確認しながら、国内メーカーの取り組みを見てみる。 ここではフランスで建設中の「国際熱核融合実験炉(ITER、イーター)」や量子科学技術研究開発機構(量研機構)の那珂研究所(茨城県那珂市)で近く稼働予定の世界最大級の核融合実験装置「JT-60SA」などが採用する「トカマク型」と呼ぶ方式の核融合炉を中心に解説する*。 * 他の方式としては、トカマク型と同様に磁場でプラズマを閉じ込めるものの、コイルの形状が異なるヘリカル型、強力なレーザーを燃料に照射して核融合反応を起こすレーザー

    核融合炉業界地図、6つの主要機器で市場に食い込む日本メーカー
  • テスラの新生産方法は本物か

    2023年3月に米Tesla(テスラ)が発表した電気自動車(EV)の新たな生産方法「アンボックストプロセス(Unboxed Process)」。その優位性と課題を自動車および工場の専門家に取材した結果、優位性と課題の両面が見えてきた。その詳細に迫る。 「弱点」はボディー剛性、接合技術が鍵握るテスラ新生産方法 (2)「アンボックストプロセス」の課題 「剛性に不安を覚える。果たして、クルマとしての商品性をきちんと確保できるのだろうか」──。2023年3月に米Tesla(テスラ)が発表した電気自動車(EV)の新しい生産方法「アンボックストプロセス(Unboxed Process)」。 2023.04.18 テスラ新生産アイデアの質はパソコン化、専門家がみたコスト半減の可能性 (1)「アンボックストプロセス」の優位性 「面白い。自動車メーカーではとても思いつかない発想だ」──。2023年3月に米

    テスラの新生産方法は本物か