韓国紙『中央日報』(3月23日付、電子版)は、 「盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は22日、陸軍士官学校の卒業式で『これから私たちは韓半島だけでなく、北東アジアの平和と繁栄のため、“バランサー”の役割を果たしていく』とし、『今後、我々がどのような選択をするかによって、北東アジアの勢力図は変化するだろう』と述べた」と伝えた。 盧武鉉大統領は、現在の米韓同盟の枠組を維持した上で、韓国が日米両国と中朝両国との間を「バランサー」として立ち回る姿を夢想しているらしい。しかしながら、韓国が「バランサー」として立ち回る際の前提は、韓国が単独で日米二国、あるいは中朝二国と対峙するだけの国力を手にしていることである。十九世紀、大英帝国の最盛期にあった英国は、1815年までのナポレオン戦争時にはロシアと組む形でフランスの大陸制覇を潰したけれども、1854年のクリミア戦争ではフランスと組んでロシアの地中海進出を阻ん