【シンガポール=宮野弘之】タイのパタヤで予定されていた東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日中韓)など一連の首脳会議が11日、親タクシン派の市民団体の妨害行為によって中止に追い込まれたことで、アピシット政権は今後、厳しい局面に立たされそうだ。昨年12月に就任したばかりのアピシット首相は、退陣要求にはあくまで応じないとしてきたが、非常事態宣言にまで発展した今回の事件を受け、タクシン派以外の国民からも早期退陣を求める声が強まる可能性がある。 タイでは2007年9月にタクシン元首相が軍部によるクーデターで失脚して以来、サマック、ソムチャイ政権と続けて短期政権に終わった。サマック、ソムチャイ政権はともに、今回とは逆に反タクシン派の市民団体による大規模なデモ活動などが崩壊のきっかけだった。 昨年11月のソムチャイ退陣を求めた反タクシン派によるバンコク国際空港占拠事件では、多くの外国人旅行客が足
【パタヤ=坂井広志】10日からタイ中部のパタヤで開かれていた東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の会議は11日、主会場にタイのアピシット首相退陣を求めるタクシン元首相派のデモ隊約1000人が乱入した。議長国のタイ政府は会議を全面中止し、各国首脳らをヘリコプターで会場のホテルから脱出させた。会議は2~3カ月延期される見通し。首脳級の国際会議がデモによる混乱で中止となるのは極めて異例だ。 デモ隊は数千人規模にまで膨れあがり、市内の各所で抗議行動を展開した。アピシット首相は一時、パタヤのほか、隣接するチョンブリ県に非常事態を宣言し、治安部隊とデモ隊のにらみあいが続いた。 デモ隊は会議中止を受けて解散し、パタヤ周辺は落ち着きを取り戻した。タイ政府も各国首脳の出国が確保されたとして非常事態宣言を解除した。
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