共在感覚 1の続きである。 ボンガンドでは、「投擲摘発話」という発話の形態がある。この形態のひとつが、ボナンゴと呼ばれるものである。おもに中年から老年の男性、時には女性や若者も行うのであるが、一人で誰もいない広場に向かって演説をするのだ。2〜30分続くような、壮大な独り言である。木村先生のページで動画が見られるのでぜひ見てほしい。面白すぎる。こんな人が日本にいたらちょっと危ない人だと思われるだろう。(先日、百万遍交差点のダイコクドラッグの前から交差点の中心に向かって演説している議員がいたけど、とてもボナンゴに似ていた。) そのボナンゴの内容だが、「明日みんなで橋を修理しよう」とか「村の男が森で迷って帰ってこない」など、ある程度中身のある話もあるものの、「孫が学校にいかない」とか「今日は暑い」とか、どうでもいいことも喋っている。 このボナンゴに対し村の人々は完全に無関心である。儀礼的無関心と